おやぢの部屋2
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のだめカンタービレ英語版/バイリンガル版
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二ノ宮知子著

(英語版)

David and Eriko Walsh訳
DEL LEY/BALLANTINE BOOKS刊
ISBN 0-345-48172-0
(バイリンガル版)
玉置百合子訳
講談社刊

ISBN978-4-7700-4072-5



本当に迂闊だったのですが、「のだめ」には「英語版」(左)というものが存在していたのだめ。書店サイトを何気なく眺めていたら、それはいきなり視界に飛び込んできました。その、アメリカの出版社から2005年にすでに発売されていたものを即座に注文したことは言うまでもありません。そして、その現物を手にとってまず驚いたのが、英語の本であるにもかかわらず「右綴じ」になっていたということです。英語というのは左から右に読んでいく言語ですから、当然「左綴じ」になるはず、それはコミックの場合も同じで、吹き出しのセリフは左から、そして、コマの進み方は左上から右下に進むことになっているはずなのに。事実、何年か前までは、日本の「マンガ」を英語で出版する時にはその様に「左綴じ」にしていた時代があったそうです。そのために、わざわざコマ割りを左上から始まるように(日本語の場合だと、右上から始まります)書き直したり、あるいは多少手抜きをして原稿をそのまま裏返しにして印刷していました。
しかし、今では、「マンガ」はもはやそんな卑屈な思いをしなくても、ただ吹き出しを英語に直すだけで、そのまま読んでもらえるような時代になりました。少なくともこの分野では、日本の文化がそのままの形で受け入れられるようになっていたのですね。これには、少し感激です。もちろん、そんな「マンガ」の「文法」を知らずに読み始める人だっているはずです。そんな「自国人」のために、普通に左綴じの最初のページから読み出そうとすると、そこには「TOMARE!」というサインがでかでかと印刷されたページが待っているという仕掛けになっています。そこには「『マンガ』は、日本流に右から左に読まなきゃダメなんだよ。ここから読むのは間違い。一番『終わり』のページから読み始めなさい。そして、コマは右上から見ていくんだよ」と、初心者のためのメッセージがしっかりと印刷されています。
そして今年になって、こちらはオリジナルと同じ講談社から「バイリンガル版」(右)というものが発売されました。タイトルの通り、吹き出しの中は全て英訳されていますが、そのまわりの空白(その分、本全体が一回り大きくなっています)に元の日本語がそのまま書いてありますから、いわば対訳、それこそ「英語の勉強」にもなるという優れものです。
ただ、そこで用いられている英訳が、「英語版」のものとはまったく異なるものであるために、当然ながらそれぞれを比べてみるという楽しみも生まれてくることになります。この前の「指環」とは違って、原文もしっかりありますから、どちらがより正しいかもしっかり判断できますし。
ということで、軽い気持ちで比較してみたのですが、正直これほどの違いがあるとは思いませんでした。「バイリンガル版」を訳しているのは日本人のようですが、いかにも学校で教えるような「直訳」っぽい堅苦しさがあるのです。それに比べると「英語版」はかなり会話になじむ「意訳」になっています。その結果、「英語版」の方が圧倒的に滑らかな英語に直っているな、という感じなのです。日本語特有の「敬語」も、かなり忠実に取り入れています。そのためにわざわざ2ページを費やして、「-san」と「-sama」の違いとか、「Sempai」(これって、敬語なんですね)とはどういうものなのかを説明しているのです。ですから、「千秋せんぱ~いっ」は、「Chiaki-sempai!」となるわけで、「バイリンガル版」での「Chiaki!」は大きく水をあけられることになってしまいました。
しかし、残念なことに、「英語版」には決定的な「誤訳」がありました。「ハリセン先生」の「ハリセン」を、「puffer fish」と訳しているのです。これを見た時には一瞬何のことだか分かりませんでしたが、辞書を引いたら「ハリセンボン」ですって。訳者の1人はErikoさんですから、おそらく日系人なのでしょうが、こんな関西ローカルの単語はご存じなかったのでしょうね。もう一つ、「2台ピアノのためのソナタ」を「Piano Sonata #2」と訳したのもお粗末。
ちなみに、こちらで取り上げた楽譜に関しては、「バイリンガル版」では新しいものを採用していましたが、「英語版」は古いままでした。
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by jurassic_oyaji | 2007-09-14 20:15 | 書籍 | Comments(4)
Commented by カトウ at 2008-09-27 23:10 x
はじめまして。今日、バイリンガル版を書店で見たので、詳しく調べようとしたら、こちらに行き着きました。
二ノ宮さんのファンで、英語をもう一度勉強したいと考えて、軽く漫画からと考えたのですが、そう考えた場合、バイリンガル版とアメリカ版ってどちらがいいのでしょうか?直訳だと、やっぱり使えない英語になりますかね。
Commented by jurassic_oyaji at 2008-09-28 21:34
カトウさん、コメントありがとうございました。

「勉強」ということですと、「バイリンガル版」のほうが親切でしょうかね。
でも、マンガを楽しむのでしたら、やはり「アメリカ版」の方がよいと思いますよ。
Commented by nodame-fan at 2008-12-13 12:04 x
のだめファン+英語勉強中で、バイリンガル版を買いました。英語版は見たことがありませんが、確かに「先輩」という、のだめの中では大事な言葉はさっくり変えてありましたね。でも、「うきゃー」とか「むきー」とかって言う言葉を頑張って訳されているなあ、、と思いました。
のだめワールド全開の独特な日本語の語感も楽しみたい私にとってはバイリンガル版が良かったと思います。でも、出版されるのが遅い、、まだ3巻までしか出ていない、、
Commented by jurassic_oyaji at 2008-12-13 12:16
nodame-fanさま、コメントありがとうございました。

そうですか、まだ3巻しか出てませんか。なんでも、再来年のお正月には映画も公開されるそうですね。楽しみです。