おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony No.8
c0039487_22354180.jpgSoloists
Chor der Deutschen Staatsoper Berlin
Rundfunkchor Berlin
Aurelius Sängerknaben Calw
Pierre Boulez/Staatskapelle Berlin
DG/00289 477 6597
(輸入盤)
ユニバーサル・ミュージック
/UCCG-1376/7(国内盤10/24発売)


ブーレーズがDGに録音していたマーラー・ツィクルスは、この「8番」で完了することとなりました。特定のオーケストラとではなく、世界的なオーケストラをとっかえひっかえ使って録音出来たというのは、まさに「巨匠」の証でしょうか。これまでの相方は大半がウィーン・フィル、他にはシカゴ交響楽団とクリーヴランド管弦楽団が2曲ずつでしたが、今回はちょっと意外なシュターツカペレ・ベルリン(ベルリン国立歌劇場管弦楽団)との組み合わせです。今年の4月にベルリンでコンサートが行われたのと並行して、ほぼ同じメンバーによってDGの数々の名録音で知られるベルリンの「イエス・キリスト教会」で録音されたものです。
ところで、巨大な編成で知られているこの「8番」では、大オルガンも使われることになっています。この教会にはもちろん備え付けのオルガンぐらいあるのでしょうが、そんな大した楽器ではないようなので、それを使うとは思えませんでした。確か、ショルティがウィーンのゾフィエンザールでこの曲を録音した時には、オルガンだけは別の場所で録音していたはずですし。ところが、クレジットを見て驚きました。ここでは生のオルガンではなく「デジタル・オルガン」が使われているというのです。「ヴァイカウント」という、安売りみたいな(それは「ディスカウント」)メーカーのそのオルガンは、サンプリング、つまり、生のオルガンの音を録音したものを音源として使っている「電子楽器」なのです。しかし、曲の冒頭から華々しく現れるその音は紛れもない「大オルガン」の音でした。スピーカーから出てきた音をマイクで録音したのか、直接ラインで取り込んだのかは分かりませんが、クラシックの雄、DGがそれを使ったのですから、電子楽器もここまでのものになったということでしょうか。もっとも、ブーレーズ自身は電子音響による作品なども披露していますから、なんの抵抗もなかったのかもしれませんね。
そのブーレーズの演奏、データを見ると全曲で85分以上かかっています。これはかなり長目。実は、他の録音と比較してみると、これより長い演奏というのはマゼールのもの(SONY)ぐらいしかありませんでした。普通は長くても80分前後、うまくすればCD1枚にも収まってしまうというのが、この曲の標準的な演奏時間のようです。ブーレーズの場合は、特に第2部の演奏時間が長くなっています。確かに、ここで聴かれるその第2部の最初のオーケストラだけの部分は、かなりおおらか、と言うより、あまりの引っかかりのなさにちょっと物足りなさを感じてしまいます。特に、木管楽器が、このテンポで明らかに緊張感をなくしているのがよく分かります。弦楽器も、これ以上ないというほどの淡泊さ、練習番号14のあとで出てくる、本来ならうねうねとした音型でのたうち回るはずのファースト・ヴァイオリンのよそよそしさったら。さらに、練習番号21(楽譜参照)のフルートのパッセージでは、その前の「遅くしないで」という表記を受けて大概の指揮者は倍近くまでテンポを上げて軽やかに演奏するものなのですが、ブーレーズはかたくなに前のテンポを変えようとはしていません。その結果、この部分で誰しもが期待する場面転換が全く感じられないまま、もったりとした音楽だけが続くことになってしまいます。これは果たして、82歳という彼の年齢とは、無関係なことなのでしょうか。
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ベルリン国立歌劇場合唱団と、ベルリン放送合唱団という2つの団体が参加している合唱は力強さと繊細さを見事に表現していて、聴き応えがあります。ソリスト陣はというと、女声がちょっとヒステリック過ぎるでしょうか。最も存在感を示していたのはテノールのヨハン・ボータでした。
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by jurassic_oyaji | 2007-09-20 22:37 | オーケストラ | Comments(0)