おやぢの部屋2
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大人の科学マガジンVol.17
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学習研究社刊
ISBN978-4-05-604874-2



本屋さんの店頭で平積みになっていた雑誌に、「テルミン」の発明者のテルミン博士の写真が載っていたので、思わず手に取ってしまいました。そこには、なにやらかわいらしい「RCAテルミン」のミニチュアのようなものも写っていますよ。この雑誌は、確か豪華な「科学ふろく」が最大のセールスポイントだったはず、いよいよ「テルミン」の自作キットがふろくに付いたのでしょうか。そうなのです。少し前までは名前すらも知られることのなかった世界で初めての電子楽器「テルミン」は、このところ各方面でブレイク、今ではかなりの人がその存在を知るようになっています。そこにつけ込んで、ちょっと手先が器用な「大人」をターゲットに、ついにこんなものまで登場してしまったのです。まんまとその罠に引っかかってこれを購入する「大人」はおそらくかなりのものなのではないでしょうか。他人のことは言えませんが。
ふろくはともかく、いちおう「雑誌」ですから、その本体の方もチェックしなければいけません。もちろん、特集は「テルミン」です。わざわざモスクワまで行って、モスクワ音楽院にあるテルミンセンターを取材したり、テルミン博士の娘さんにインタビューしたりと、これはかなり気合いの入った企画のように思えます。その中で、博士が最初に作ったという「テルミン」のプロトタイプの写真が、ひときわ目をひくものでした。ちょうど「H」という文字のような形をしていて、両サイドが高くなっており、そこからアンテナがつきだしているというものです。これは、初めて目にするモデルでした。その楽器をロバート・モーグが演奏している写真などというものも、まさに「お宝」です。これによって、モーグとテルミンとの結びつきがそもそもただごとではなかったことが、よく分かります。
その他の記事も、テルミン博士の生涯についてはかなり詳細に述べられていますし、その楽器から始まることになった電子楽器の変遷なども、コンパクトにまとまっています。最後の締めを松武秀樹に頼ってしまったのが、ちょっと安直な気はしますが、ウェンディ・カーロスの「近影」もあることですし、許すことにしましょうか。
参考になりそうな書籍やビデオ、CDのリストもありますし、もっと現実的なものとしては、「テルミン教室」の案内まで載っていますよ。こういうものを見てしまうと、「テルミン」もここまでの広がりを持つようになったのだな、という感慨のようなものすら湧いてきます。いや、そもそも、そこの参考書籍の中でも取り上げられている「のだめカンタービレ」にも登場するぐらいなのですから(ケーブルがつながれていないとか、例によってマニアックな突っ込みがありましたね)、もはや音楽シーンにはしっかりと認知されたものだと見なしても構わないのでしょう。
そして、もちろん「科学」ですから、「テルミン」の音の秘密を「科学」することも忘れてはいません。これを読めば、「なあんだ」というぐらい、その原理はプリミティブなものであることが分かります。そして、それを最もシンプルな回路設計で実現した「おまけ」によって、この神秘的な音を実際に創り出す楽しみを得ることが出来るという仕組み、原理は簡単なのに、それを実現させるのはなんと困難であるかも知ることが出来るでしょう。いやぁ、チューニングの難しいこと。
ちなみにこのミニチュアには、音程を操作する「ピッチアンテナ」しか付いてはいません。音量をコントロールする「ヴォリュームアンテナ」はなし、従って音を一つ一つ切るということは出来ません。まあ、税込み2300円ですから。
もう一つのふろくとして、この世界の第一人者、ここでも矢野顕子と対談している竹内正美先生による教則本(ただのワンポイントレッスンですが)がふくろ綴じになっています。
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by jurassic_oyaji | 2007-09-28 19:45 | 書籍 | Comments(0)