おやぢの部屋2
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MOZART/Symphonie Nr.40, Requiem
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Z. Kloubová(Sop), L. Smídová(Alt)
J. Brezin(Ten), R. Vocel(Bar)
福島章恭/
Legend of Mozart Choir
Czechoslovak Chamber Orchestra Prague
BLUE LIGHTS/BLCD-0909(CD-R)



以前「日本人によるモーツァルトのレクイエムの演奏」として、福島章恭さんのCDをご紹介したことがありましたが、なんと、最近になって福島さんご本人から、取り上げたことに対してのお礼のメールが届きました。これは、実は初めてのことではなく、前にもマリンバアンサンブルやロックグループのマネージャーからも、同様のメールを頂いたことがあります。そんなときには、あわてて元の「おやぢ」を読み直して、なにか失礼なことを書いてはいなかったかと冷や汗をかくことになるのですが。
福島さんの場合は、あのCDのあとにも同じモーツァルトのレクイエムを2回演奏する機会があり、そのプライヴェートCDがあるので聴いて欲しい、というものでした。そのうちの1枚は、ウィーンのムジークフェライン・ザールで、チェコのオーケストラと共演したものだとか、これはぜひ聴いてみたいものだと、早速送っていただくことにしました。
届いたものは、2006年の12月にウィーンで演奏されたものと、2007年の2月に倉敷で演奏されたものの、それぞれライブ録音でした。前の東京でのCDが2006年の10月のものですから、福島さんはモーツァルト・イヤーを挟んでの4ヶ月の間に、この曲を3回、別な場所で別な団体と演奏したことになるのですね。いくらあの年にはモーツァルトのインフレが進んでいたからといって、これだけの多彩なコンサートを実現させた指揮者は、そう多くはないことでしょう。
そのウィーンのコンサートでの合唱団は、日本から訪れたメンバーの他に、エキストラとして日本人留学生と、ウィーンの合唱団のメンバーが加わっています。総勢100人を超えるこの合唱団は、この響きの良いホールで、思う存分自らの力を出し切っているような伸びやかさが、最初から感じることが出来ます。そして、それを助けているのがここでのオーケストラ、1957年創設といいますから、半世紀の歴史を持つ名門団体です。彼らの奏でる柔らかい響きと、的確な音楽性は、まさに「ヨーロッパ」のテイストをこの演奏全体に与えています。それは、福島さんの誠実な音楽の作り方と見事に合致し、外連味のない正攻法のモーツァルトを生み出しました。
前のCDで特に感じたのは、この曲に寄せる熱い思いです。それが、このウィーンの地で、見事に一皮むけた姿に成長した様を、ここからはうかがい知ることは出来ないでしょうか。特に「Kyrie」から「Dies irae」あたりでの、たっぷりとしたテンポの上で繰り広げられる高揚感には、胸を打たれるものがあります。
Lacrimosa」でのオーケストラによる入魂のイントロに続く合唱の充実した響きにも、熱いものを感じることが出来ました。最後の二重フーガでは勢いあまって合唱とオーケストラが崩壊するという場面も見られましたが、これも有り余る情熱のなせる技と思えば、ほほえましい疵にすぎません。ただ、チェコ人によって占められたソリストたちが、この合唱やオーケストラのテンションにちょっとついていけないようなもどかしさがありました。
このCDには、同じコンサートで演奏されたト短調交響曲が収録されています。これも、演奏が始まったとたんから、オーケストラの明るすぎない響きに魅了されてしまいます。彼らは、福島さんの誠実さを見事に受け止めて、この曲を素晴らしいものに仕上げてくれました。
このCDは、オーケストラやソリストとの契約で、一般には発売出来ないことになっているそうですが、「会員用」としていくらか販売出来るそうですので、こちらからご連絡下さい(送料込みで1枚2500円だそうです)。ちなみに、録音は現地のエンジニアが行ったそうです。ホールの響きを生かしたとてもバランスの良い録音です。
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by jurassic_oyaji | 2007-11-30 22:08 | 合唱 | Comments(0)