おやぢの部屋2
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Kindred Spirits
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Ronald Corp/
Kindred Spirits
EMI/509747 2



「キンドレッド・スピリッツ」というのは、ロンドンにある「ニュー・ロンドン・チルドレンズ・クワイア」という児童合唱団のメンバーから選抜された25人の少年少女からなるユニットです。ロンドン、というか、イギリスには、こんな感じでしっかりコマーシャル・ベースに乗ってしまう児童合唱がよくありましたね。オクスフォード・ニューカレッジ聖歌隊とか、リベラなどは以前に取り上げたこともありましたっけ。それらのものは、その母体となった合唱団の通常のレパートリーを延長させたような、どちらかというとヒーリングっぽいテイストを前面に押し出したものでしたが、この「キンドレッド」はそういうものとはちょっと違うところをウリにしているようです。それは、このジャケットの、ちょっとストリートっぽい、それでいてかなりおしゃれなファッションセンスが端的に物語っているようです。
アルバムの冒頭に、イギリスのロックバンド「コールドプレイ」のヒット曲「Fix You」を持ってきたことでも分かるように、彼らはまずクラシックとは少し離れたフィールドのレパートリーを探っているかのように見えます。そこで注目されるのが、ソロをとっているメンバーのちょっとこまっしゃくれたノリの良さです。いやあ、そのちょっとした音程の崩し方といい、フレーズのいかにもなフェイクの具合といい、これはまさに大人のロックシンガーの完全なコピーではありませんか。キャロル・キングの「You've got a Friend」で代わる代わるソロをとっている子どもたちなどは、完璧、自らの感覚で自由な歌い方を楽しんでいるように見えるほどです。
そんな中で、いきなりジョン・ラッターの「Shepherd's Pipe Carol」が聞こえてきたのにはびっくりしてしまいました。最近ではクリスマス・キャロルの定番として多くのアーティストが取り上げているこの小粋な曲は、彼らの抜群のリズムの良さで、新たな魅力を持つようになりました。ちょっと面白いのは、中間部でシンコペーションの連続が終わったあとに最初のテーマが出てくる部分で、第三音を半音下げて、ちょっとブルーな味を出していることです。1回目と2回目はその形、しかし、3回目以降は楽譜通りのナチュラルに戻しているのは、誰のアイディアだったのでしょう。
この曲のシンコペーションの構造は、そのしばらくあとに登場するジョージ・ハリスンの「Here Comes the Sun」のなかにあるのと全く同じもの、そんなところにもプロデューサーの慧眼がうかがえてしまいます。ロック・ナンバーとはいっても、殆どはバラードのタッチ、そこにトラディショナルなども織り込んでまとめ上げられたこのアルバムは、ソリストの小生意気な歌い方にもかかわらず、全体としては非常に安らかな思いに満ちたものになっています。評判になったフランス映画「コーラス」で歌われていた「海への想い」なども入っていますし。もしかしたら、こんな、ちょっとしたワイルドっぽい味を含ませていくのも、ヒーリングの新しい道なのかもしれませんね。
それにしても気になるのは、プロデュースと、そしてアレンジを担当しているジェイムズ・マクミランという人物です。彼は、自身のトラディショナルの編曲も提供していますが、それを聴けばあのイギリスで今もっとも活躍している同名の現代作曲家の姿を感じることも出来なくはありません。しかし、このマクミランは、あのマクミランとは別人、彼は根っからのジャズやソウルの世界の人のはずです。本当のところはマッタクワカラン
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by jurassic_oyaji | 2007-12-18 23:27 | 合唱 | Comments(0)