おやぢの部屋2
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FISCHER/Orchestral & Choral Works
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Veronika Winter, Jenny Haecker(S), Henning Voss(A)
Nils Giebelhausen(Ten), Matthias Gerchen(Bas)
Rainer Johannes Homburg/
Kammerchor der Marien-Kantorei Lemgo
Handel's Company
MDG/905 1477-6(hybrid SACD)



前にHARMONIA MUNDIの新譜でCDとSACDを別々に発売していたために、間違ってCDを買ってしまったことがありましたが、このMDGというレーベルも同じようなことをやっています。SACD(もちろんハイブリッド)の場合は価格設定を高くしているというのは、依然としてSACDの方に高級感を与えたいという思惑のあらわれなのでしょうか。そんな無駄なことはやめて、すべてのCDがハイブリッドに一本化されるという日は、果たして訪れるのでしょうか。
しかし、初めて手にしたこのレーベルのSACDには、なにやら見慣れぬロゴマークが付いていました。それは「2+2+2」というものです。ライナーにはその説明が書いてありますが、どうやらこれはマルチチャンネルに関する新しいテクノロジーのようですね。一般的な「5.1」と違うのは、スピーカーの配置、全部で6本のスピーカーを使うのは共通していますが、センタースピーカーとスーパーウーファーはなく、その代わりにフロントの左右のスピーカーの上に、スピーカー間の距離の半分だけの間隔でもう1本ずつスピーカーをセットするというものなのだそうです。まあ、気持ちは分かりますが、いまいち浸透していないSACDなのに、こんなところで新しい規格を作ってどうしようというのでしょう。そもそも「SACD=マルチチャンネル」という悪しき先入観を消費者に与えたのは大きなまちがいでした。そのようなお遊びのフォーマットに血道を上げることをしないで、ピュアステレオの音の良さをもっと地道にアピールした方がよいと思うのですが、どうでしょう。真の音楽ファンでしたら、ステレオだけのSACDでも喜んで買うはずです。
まあ、そんな細かいことにはこだわらずにこのアルバムを聴いてみると、録音そのものはなかなか繊細なものに仕上がっています。ハノーヴァーとドルトムントのちょうど中間に位置するレムゴという町の聖マリア教会での録音、そのゴシック建築の鄙びた響きが、とても心地よく伝わってきます。
ここで演奏されている曲の作曲家、ヨーハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャーという名前は、おそらく全く馴染みのないものではないでしょうか。1656年にボヘミヤに生まれているそうですから、あの大バッハのほぼ30年前の時代ということになります。最初の曲がオーケストラだけのインスト曲「組曲第1番」ですが、同じ名前のバッハの曲に比較するだけで、その時代による趣味の違いのようなものを感じることが出来ることでしょう。まさにフランスの宮廷で好まれたような瀟洒なタッチのこの曲は、打楽器も加わって華々しく盛り上がります。最後の「シャコンヌ」などにも、バッハのような重苦しさは全くありません。演奏しているオリジナル楽器の団体も、とても伸びやかにこの雅を表現しています。
そのあとに、同じ作曲家のミサ曲が2曲続きます。しかし、最初の「大天使聖ミカエルのミサ」が始まったとたん、この教会の付属の合唱団のあまりのやる気の無さには驚かされてしまいます。それまで聞こえていたオーケストラとのあまりの落差に、ちょっと聴く気が萎えてしまいそう。この曲にはソロも参加しますから、そのソリストたちに助けられて(とは言っても、カウンターテナーはかなりのひどさ)何とか最後まで聴くことは出来ましたが。ただ、次の「対位法によるミサ」になると、伴奏は通奏低音だけ、ソリストも入りませんから、合唱のひどさがもろに聞こえてしまい、かなり悲惨なことになっていました。どちらのミサ曲も、曲自体はモンテヴェルディを思わせるような非常に変化に富んでいて魅力的なものなのですが。
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by jurassic_oyaji | 2008-01-30 00:43 | オーケストラ | Comments(0)