おやぢの部屋2
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BIZET/Carmen
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Leontyne Price, Mirella Freni(Sop)
Franco Corelli(Ten), Robert Merril(Bar)
Herbert von Karajan/
Vienna Philharmonic
BMG JAPAN/BVCC-34150-52(hybrid SACD)



またまた生誕100周年がらみの、カラヤンのアイテムです。現在では「Sony BMG Music Entertainment」という名前になっている、かつては「RCA」というレーベルで知られていたアメリカのレコード会社から1964年にリリースされたもののリイシューとなります。なぜカラヤンがRCA?といぶかしがる方もいらっしゃるかもしれませんね。この当時のレコード業界は今のように巨大資本が全世界に販売網を広げるというようなことはありませんでしたから、それまで続いていたEMI(というよりHMV)との提携が解消されてしまい、ヨーロッパでの販路が絶たれたRCAは、イギリスのDECCAと新たに提携を結んでいたのです。販売面だけではなく、制作の現場でもその提携関係は生かされており、このようにお互いのアーティストを出し合ってレコードを作ることもありました。そこで、当時DECCAと契約していたカラヤンとウィーン・フィルが、RCAレーベルに登場することになったのです。
ここで録音を担当していたのが、DECCAのジョン・カルショーのチームでした。エンジニアに天才ゴードン・パリーを抱え、有名なショルティの「指環」を作り上げたこのチームが、カラヤンとウィーン・フィルを録音したものは、実は少し前にDECCAからまとめてボックス・セットのCDが出ていました。しかし、これを聴いて、なぜか期待したほどの音ではなかったのには、ちょっとした失望を味わったものです。このチームの音をLPレコードで聴きなれた人にとっては、おそらくそれはなんとも輝きに欠けるものに感じられたことでしょう。
今回は、初出時のパッケージを彷彿とさせるような豪華なブックレットと外箱仕様というだけではなく、音に関しても特別に吟味されたものであるという事を聞いて、今時のCDとしてはかなり高価ですが購入して聴いてみることにしました。なんでも、このために用意されたのは、RCADECCAから渡されたオリジナルの2チャンネルのマスターテープであり、アメリカでそれをDSDでトランスファーしたものをSACDレイヤーのマスターとするとともに、CDレイヤーのためにはあの杉本さんがマスタリングを行ったというのですからね。ちなみに、SACDはステレオだけで、マルチチャンネルはありません(それが、当然のことですが)。
そのマスタリングの素晴らしさは、最初の前奏曲での底力のあるシンバルのクラッシュを聴いただけで明らかになりました。それはなんという厚みと、そして瑞々しさをたたえたものだったでしょうか。これは、まさにDECCAのボックスをはるかに凌ぐ、よりオリジナルに近いものでした。注目すべきは、CDレイヤーでの健闘ぶりです。SACDのクオリティを意地でもCDで出してやろうじゃないか、という杉本さんの意地のようなものまで、そこからは感じることは出来ないでしょうか。比較のために、1997年に行われた20ビット・マスタリングのCD(↓)も聴いてみましたが、その差は歴然たるものです。シンバルの音は少し高音が強調されて一見華やかに思えますが、そこからは重量感のようなものが見事に消え去っています。

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RCA/74321 39495 2


他のチェック・ポイントを聴き比べるという、楽しい作業を続けていくうちに、その違いはさらに明らかになっていきます。中でも驚異的なのは、第1幕フィナーレの最初に現れるチェロの存在感でしょうか。以前のCDではなんとも平べったかった音が、今回のCDレイヤーはまさにSACDに肉薄した立体的な音で迫ってきます。
歴史的な事情から、たまたまRCAのものとなっていたDECCAの磁気テープが、そのおかげで最高のスタッフの手によって最高の形でハイブリッドSACDとして蘇ることになりました。本家DECCA(というかUNIVERSAL)ではそれはもはや叶わないことなのでっか
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by jurassic_oyaji | 2008-04-18 20:48 | オペラ | Comments(0)