おやぢの部屋2
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うた魂
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 連休初日となったおとといの日曜日、街に用事があって車を走らせていると、「フォーラム」の前を通りかかりました。と、3つ(系列のものも合わせると5つかな)のスクリーンを持つ、その仙台で唯一のシネコンではない映画館の前には、前から見たいと思っていた「うた魂」のポスターが貼ってあるではありませんか。もはや市内の他の映画館ではとっくに終わってしまったというのに、こんなところでまだやっていたとは。急遽車を停めて時間を確かめると、あと1時間ほどで始まります。街での用事を済ませるとちょうどというタイミング、思いがけなく見ることが出来ることになりました。
 ご存じのように、これは高校の合唱部が舞台の映画です。主人公はその合唱部でソプラノのパートリーダーを務めている、いわばエリート、自分の歌声と、そして容姿には絶対の自信を持っている、という設定ですが、好きな男子から「歌っているときの顔が面白い」と言われて、歌うことへの自信をなくしてしまいます。いやあ、確かに、コンクールなどに出てくる高校の合唱部というのは、どうしてあんなに必要以上に面白い顔で歌っているのでしょうね。ですから、これは全ての合唱団へ向けての問いかけとなっているはずなのですが、物語としてはその事には深く関わらず、主人公がさる男声合唱を聴いて「合唱の魂」を知り、歌への情熱を取り戻す、という確かな成長譚として進んでいくのです。
 その男声合唱団のリーダーから、「合唱で一番大切なのはなんだ」と聞かれて、主人公は「きれいな声で、正しい音程で・・・」などと言っていると、「そんなんじゃなくて、大切なのはソウルだろう」と決めつけられるのを見ていると、私たちも遙か昔に同じようなことをやっていたことをはたと思い出しました。私が入っていた大学の男声合唱団は、まさにこの番長が集まった合唱団のような、ちょっと荒っぽい考えで音楽を作っていたところでしたので、理屈だけは一人前でした。他の合唱団が一緒になった何かの討論会で、「合唱をするときの正しい姿勢とはなんだろうか」などと、大まじめに語り合っていたものです。それに対して、さる女声合唱団のメンバーが「日本語を美しく歌うことです」などと言おうものなら、みんなして冷笑していたのですから、なんと恥ずかしい。
 そんな、ありがちな葛藤を盛り込みつつ、あくまでギャグのセンスで物語は「あり得ない」シチュエーションを繰り出してきます。現実を知っているだけに、そこからはさらにおかしさがこみ上げて来るという、おそらく制作者も予想しなかったほどの効果が、実際に合唱に関わってきたものには「ツボ」としてきいてくるのですよ。コンクールで優勝したグループが「アンコール」で別の曲を歌うなんて、あり得ないでしょう?でも、この映画ではそれこそが重要なポイントになってきて、感動を呼んでいるのですからね。このコンクールの場面では「本物」の合唱団が、きちんと演奏しているカットが入ります。そこで「本物」の男声合唱団が歌っている千原英喜の「リグ・ヴェーダ」は、インパクトがありましたね。
 ひとつ、ちょっと残念だったのが、薬師丸ひろ子が演じているエキストラの顧問の先生の扱いです。あれだけ「男声合唱団」との関わりの伏線を張っておきながら、あの結末はまさに拍子抜け、私は絶対、合唱をバックに尾崎を歌うと思っていたのですが。
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by jurassic_oyaji | 2008-04-29 23:22 | 禁断 | Comments(0)