おやぢの部屋2
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アンタール
 定期演奏会が終わったばかりですが、今度は次の演奏会へ向けての準備が始まることになります。もちろん、すでに指揮者や曲目は決まっていますから、あとは渡されたパート譜をひたすらさらうことになるわけですね。チャイコフスキーの1番とリムスキー・コルサコフの2番、そしてボロディンの「中央アジア」という、全て今までやったことのない曲というのですから、予習も大変です。
 中でも、リムスキー・コルサコフは、おそらく仙台初演、かなり珍しいものですから期待もひとしお、フルートが3本必要なので、全員総出で取り組むことになります。ただ、この曲に関しては、楽譜の面でちょっとした問題がありました。なんでも、作曲者が何度も改訂を行った結果、全部で4種類もの版が存在することになっているのだそうです。曲だけでも珍しいのに、そこにこんな複数の版が有るということになると、いったいどれを使うのか、分からなくなってきますよね。なにしろ、この曲が指揮者の希望として候補に挙がった段階で、実際に聴いたことのある人はマニア揃いのニューフィルの団員の中で誰もいなかったのですからね(1人ぐらいいたかな?)。仕方がないので、私が持っていたCDをみんなに聴かせて、曲の概要を知ってもらったぐらいです。もちろん、その時点では版のことはなにも考えてはいませんでした。ネットで少し調べてみても、細かいところで違っているだけで本質的な違いはないような感じでしたからね。
 パート譜が渡された時点で、スコアも見せてもらえることになりました。指揮者の新田さんが指定してきたのはKALMUSから出版されている「1875年の第2稿」、もちろん、渡されたのはその版の楽譜です。早速私が持っていたCDを聴きながらスコアを見てみると、全く同じ音でしたので、どうやらそれは「第2稿」によるもののようでした。でも、ネットの情報によると、「第3稿」も、細かいところで違っているだけのようなので、断言は出来ないな、とは思っていました。
 そんな時に、「自分が買ったCDが、楽譜と全然違っている、小節もあっていない」というような人の情報が入ってきました。その人が買ったものは「1876年版」と表記されているのだそうです。そんなちょっと不思議な年号(第2稿は1875年)が入っているCDといえば、思い当たるのはスヴェトラーノフのものだけです。ネットでは「第3稿」だといわれているものですね。実は、これも手元にあったのですが、殆ど同じだと思って聴いてもいませんでした。そんなことだったら、ぜひちゃんと聴いてみなければ。
 スヴェトラーノフ盤を聴いてみると、あるわあるわ、第1楽章の最初からいきなり弦楽器の終わりの音がスコアでは伸ばすようになっているものがスッパリ切れていたりと、はっきり違っているのが分かります。そのあとに出てくるフルートソロも、音が違っていますし。そして、半分ぐらい来たところで、全くスコアを追えなくなってしまいました。構成がそこで全く変わっていたのです。小節数の違いどころではありません。そこは全く別の音楽になっていましたよ。
 第2楽章は、曲自体は殆ど変わっていませんが、キーが半音高くなっていました。第3楽章では、最初のテーマのリズムが違います。フィナーレでは、ソロの楽器が異なるなど、オーケストレーションが各所で違っています。せっかく買ったというのに、スヴェトラーノフ盤では全く役に立たないのですね。かわいそうに。
 実は、第1楽章には、フルート3本でとんでもない超絶技巧を披露しなければならない箇所があります。それが、ここで聴いた「第3稿」では、全然違うもっと吹きやすそうな音に変わっていましたっけ。そこだけでも第3稿にして欲しいものです。
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by jurassic_oyaji | 2008-05-01 21:06 | 禁断 | Comments(0)