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VOCAL SPECTRUM
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Vocal Spectrum
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先日、「バーバーショップ・ハーモニー」というスタイルのコーラスグループのコンサートに行ってきました。この言葉、普通の人にとっては、はおそらく聞いたこともないものなのではないでしょうか。もちろん、「バーバーショップ」は「海の家」ではなく(それは、「ハーバーショップ」)「床屋さん」ですが、これは男声アカペラコーラスの起源とも言えるものなのだそうです。なんでも、その始まりは19世紀にまでさかのぼるのだとか、これは殆ど「伝統芸能」の世界です。娯楽の少ない時代でしたから、当時の床屋さんはまるで社交場のようなもの、そこに集まる歌声自慢たちが、4人でよく知られているメロディにハーモニーを付けて歌うようなことが、良く行われていたそうなのです。それが一つのジャンルとして確立、プロ・アマを問わず、多くの愛好者が生まれました。
一時低調になってしまったこのスタイルですが、本国アメリカではこの伝統的な歌い方をしっかり継承しようという動きが、全国規模の組織にまで発展しており、毎年各地で何万人というファンを集めたフェスティヴァルを開催しています。そこで行われるコンテストで厳しい審査(審査員自身も、きちんとした資格が必要です)を経て優勝した「チャンピオン」は、文字通り最高峰のグループとして賞賛を集めることになるのです。
今回のコンサートは、その、2006年のチャンピオングループ「ヴォーカル・スペクトラム」が、日本ツアーの一環として行ったものでした。初めて聴く本物のバーバーショップ、まずなによりも驚いたのは、彼らの声です。一応場内PA用のマイクは立っていますが、それは中央に1本だけ、それを囲んで立っているメンバーたちは、マイクからかなりの距離を置いています。ですから、スピーカーから聞こえてくる音はそれほど目立たず、まるで例えばクラシックの「キングズ・シンガーズ」のように、生の声がかなりの割合で伝わってくるのです。4人の声はそれぞれにとても芯のある力強いものでしたが、なによりも素晴らしいのはそのハーモニー感です。極力ビブラートを抑え、どんな瞬間を取ってみても全て完璧な、場合によっては純正調のハーモニーが鳴り響いているように聞こえます。どんな時にもハーモニーが崩れないように血のでるような練習を重ねていたとしても、それを決して表に出さないで、さも楽々と歌っているように振る舞うという「技」が、バーバーショップで求められる最も重要なスキルなのだそうですが、彼らはそれをものの見事に実践してくれていました。
それとともに、驚異的なのがテナーのティム・ウォーリックが見せてくれる人間業とは思えないほどのロングトーンです。これもバーバーショップのひとつのスタイル(「タグ」と言うそうです)なのでしょうが、曲の終わり近くでテナーが同じ音を伸ばしている間に、他の3つの声部がさまざまな転調を繰り返し、最後にはトニカの三和音で見事にハモる、という実にカッコいい終止を迎えます。その間の彼の「のばし」といったら、まるで外からポンプで息を送り込んでいるのではないか、と思えるほどの信じられない長さ、しかも、それをまさに「楽々」と、「どうだ、凄いだろう」というゼスチャーを交えながらやっているのですから、参ってしまいます。たった4人の生の声だけで味わうことの出来る極上のエンタテインメント、これはまさに得難い体験でした。
そのコンサートの会場で販売されていたのが、このCDです。この白いジャケットのものはリリースされたばかり、ここで初めて手にすることが出来るものなのだそうです。彼らの公式サイトからもまだ購入できないものですので、入手希望の方はこのツアーの主催者宛に直接連絡を取ることをお薦めします。
ちなみに、これは彼らの2枚目のアルバム、同じデザインで黒いジャケットのものも、2年前にリリースされています。それぞれの曲目などはこちらをご覧下さい。
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by jurassic_oyaji | 2008-06-15 21:03 | 合唱 | Comments(1)
Commented by nike air max 95 camo at 2015-12-08 11:16 x
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