おやぢの部屋2
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ANDERSON/Orchestral Music Vol.3
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Leonard Slatkin/
BBC Concert Orchestra
NAXOS/8.559357



ルロイ・アンダーソンの管弦楽曲全集が、早くも第3集のリリースとなりました。これも、国内ではまだ発売にはなっていないので、こちらでお先に聴くことになります。
今までのシリーズ同様、ここでもコアなアンダーソンの作品を聴くことが出来ます。中でも、今回の初録音、「2つの音のメロディ」という、1966年の、もはや作曲からは足を洗ったはずの時期の作品は、ファンにはたまらない掘り出し物になっています。タイトルの通り、メインのテーマは「ソ」と「レ」という「2つの音」だけ、そのなんともシュールなメロディをいつもながらのセンスのよいアレンジで彩っていますから、もしタイトルを知らないで聴いていたら、そんな仕掛けがあることすら気づかないかもしれません。彼のいたずらっぽい曲作りは、一生変わらなかったのでしょうね。
他の作曲家の編曲ものも、お約束。ここではメレディス・ウィルソンの名曲「76本のトロンボーン」で、アンダーソンならではのウィットに富んだアレンジが聴けます。なにしろ、これはただのアレンジではなく、スーザの有名なマーチとの合体という、第1集にあった「ジュークボックス」のような手法による楽しいものですからね。ここで大活躍するのは、「星条旗」で華々しいソロを託されるピッコロ。このソロが、延々と「トロンボーン」のテーマにかぶさっているのですからすごいものです。もちろん前にあったように、細かいところでコードが違っているのなんぞはお構いなしというおおらかさです。
しかし、この第3集ならではのセールスポイントは、なんと言っても、アンダーソンならこの曲という超有名曲が目白押し、という点でしょう。それは、もちろん、このCDを販売している代理店も全面的にお薦めしたいところらしく、8月に国内盤仕様で発売となるアイテムを載せた、本日発売の「レコード芸術」の広告でもその点を大々的に謳っています。ただ、そのコピーが「嬉しくなってしまうカップリンGOO(グー)」というものだったのには、ちょっと呆れてしまいました。なんか、基本的なところで「CDを販売する」ということの意味を勘違いしているとしか思えない、GOO(愚劣)なコピーです。嬉々としてこういうコピーを作る人間には、心底失望を禁じ得ません。そもそも、こんな幼稚なギャグでは、スーパーの特売のチラシにだって使ってはもらえないでしょうに。
確かに、「嬉しくなってしまう」のも分からないではない豪華なカップリングではあります。ところが、実際に聴いてみるととても「嬉しく」などはなっていられないような演奏だったのですから、いったい担当者はなにを聴いているのか、と思ってしまいます。シュトラウスの「ピチカート・ポルカ」を下敷きにしたような作品「プリンク・プランク・プランク!」では、浮き立つような軽やかさというものがまるで感じられません。まさに全世界でのヒット曲「そり滑り」にしても、この硬直したようなスレイベルのビートは、一体何なのでしょう。「タイプライター」に至っては、「ソロ」タイプライターが全くオーケストラに合わせようとしていないのですから、悲惨です。
つまり、ここで「シンコペーテッド・クロック」やら「トランペット吹きの休日」やらといった超有名曲を聴かされた人は、有名曲であるが故にどうしても今までのごく普通の演奏と比較してしまうことになります。そして、どんなお粗末な演奏からでも必ず聴くことの出来た「楽しさ」が、このスラトキンの演奏からは全く感じられないことに気づくことになるのです。「サンドペーパー・バレエ」などはテレビのCMでじゃんじゃん放送されていますから、誰の耳にも馴染んでいることでしょう。そういう人がこの「元ネタ」を聴いて、がっかりすることは目に見えています。「カップリンGOO」などとバカなことを言って浮かれている場合ではありません。
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by jurassic_oyaji | 2008-07-19 23:42 | オーケストラ | Comments(0)