おやぢの部屋2
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GRIEG/Choral Music
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Magnus Staveland(Ten)
Carl Høgset/
Grex Vocalis
2L/2L45SACD(hybridSACD)



去年2007年はノルウェーの大作曲家エドヴァルト・グリーグの没後100年にあたっていました。ですから、例によってそんなグリーグの珍しい合唱曲を集めたアルバムは、確か1年ほど前にBISから発売になっていましたね。そのペデルセン盤はこちらで聴くことが出来ますが、作曲家の母国のレーベルである2Lからも、同じようなアルバムが出ていました。これは確かに録音もリリースも2007年なのですが、なぜかやっと今頃になって国内で出回っています。
録音に関してはマニアックな追求をしてやまないこのレーベル、これはもちろんSACDですが、ジャケットにはよく見る「DSD」ではなく「DXD」というロゴが踊っています。なんでもこれはDSDの4倍の情報量を持つものだとか、PCMでは32BIT/352.8kHzに相当するのだそうです。とんでもないハイビット、ハイサンプリングですね。これもひとえに、限りなくアナログ録音に近づけようという思いの結果なのだそうです。もちろん、最終的にはSACDのフォーマットであるDSDにトランスファーされてしまうのですから、あまり意味がないようにも思えますが、CDでのハイビット・マスタリングのような、マスタリングでのメリットもあるのでしょうね。いや、このレーベルはすでに「ブルーレイ・ディスク・オーディオ(リニアPCM 24BIT/192kHz)」という世界も開いていますから、デジタル・オーディオのさらなる可能性をひたすら追求していくのでしょう。
そんな、最高の規格によって録音されたグリーグのさまざまの合唱曲、まずは男声合唱のための「男声のためのアルバム」と、女声合唱のための「7つの子供の歌」が歌われます。この2つの曲集を、順序を入れ替えて男声合唱と女声合唱を交互に聴かせようというアイディアです。男声はやんちゃに、女声はしっとり、という対比がなかなか面白いところですが、そんな最高の録音によって、ここではそれぞれのパート間の能力がかなり異なっていることが明らかになってしまいます。女声パートは音色もきれいに整えられていて、その中でかなり硬質な表現で迫るという、素晴らしいものなのですが、男声パートだけになるとなんとも危なげなハーモニー、人数もそんなに多くないのでしょうが、かなりクセのある個人の声がもろに聞こえてきたりします。
そんな、ちょっと怪しい男声が、女声と一緒になった混声合唱の中では、見事にその役割を果たしているのですから、まずは一安心、おそらくこれが彼らの本来の姿なのでしょう。えてして、混声合唱団の男声パートというものは、男声合唱としてはイマイチのことが多いものです。
そんな混声の編成で歌われる、有名な「過ぎにし春」(これは日本人女性「杉西ハル」さんがモデルになっています・・・ウソ)は、トマス・ベックの編曲によるもの、弦楽合奏などを聴き慣れた耳には新鮮に響きます。ただしっとりと歌うだけではなく、ちょっとびっくりするようなアクセントなど、あくまで「表現」にはこだわっている姿勢も、なかなかのもの。
そして、最後に演奏されているのが、最近話題になっているグリーグ最後の合唱作品「4つの詩篇」です。篤い信仰心は持ちながらも、現実の「教義」や「牧師」といったものとは距離を置いていたグリーグが最後に到達した「宗教音楽」の世界、「詩篇」とは言いながらも、聖書のテキストそのものではありませんし、その素朴なメロディライン(民謡が素材になっています)には、心が打たれます。2曲目「神の子は安らぎを与え給えり」の最後の「fri(安らぎ)」という言葉の繰り返しには、強い訴えが感じられます。3曲目のソリストと合唱が応答を繰り返すという曲「イエス・キリストはよみがえり給えり」では、ペデルセン盤ではなにやらプレーン・チャント風の唱法による装飾が加わっていましたが、ここではごく素直な歌い方、この方が違和感は少ないでしょうですね。
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by jurassic_oyaji | 2008-09-05 19:56 | 合唱 | Comments(0)