おやぢの部屋2
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ビルギット・ニルソン 補遺
 きのうの「おやぢの部屋」、紹介した本の中身よりも表紙の方で突っ込みどころが多かったものですから、「レビュー」というにはほど遠い内容になってしまいました。まあ、たまにはこういうこともやらないとストレスが発散できません。というより、このネタは私にとっては久しぶりに手応えのあるものでしたので、中身そっちのけでのめり込んだというわけでして。
 そもそも、この本を本屋さんで見つけた時点で、これはLPのジャケットと同じものであることは分かりました。ただ、手元にはもうLPの現物はなくなってしまっていたので、代わりにCDのジャケットを見てみたところが、見事にその写真が裏焼きだったのですよね。ふつう、LPをCD化する時には、レタリングなどは多少変更するでしょうが写真などはそのまま使うはずですから、当然初出のLPも裏焼きだったのだと思いました。その間違いが、この本が出たお陰でやっと正されたのだな、と。しかし、同じCDでも後に出た「オリジナルス」などで使われている写真は、最初のLPのジャケットに近い(「近い」というのがミソ、決して全く同じものではありません)ものなのですが、それは表紙と同じ向きだったのですよ。そうなると、「オリジナルス」ではなく、もともとのLPのジャケットの画像が欲しくなるじゃないですか。そこで、ネットであちこち探し回ったら、中古レコード店のサイトでそれは見つかりました。ただ、それは部分的に欠けていて、完全なものではありません。こんなことになるのなら、持っていたLPを手放すのではなかったと後悔しても、それは後の祭りなのですね。
 一縷の望みを託して、昔からの雑誌などをしまってある納戸に行ってみました。もしかしたら、発売された時の雑誌に広告などが載っているのではないか、と。そうしたら、なんと、すぐ目に付くところに1968年の分の「レコード芸術」を束ねたものが見つかりましたよ。その1月号には、出たばかりのそのLPの写真が、今と同じように雑誌本体よりも遙かに立派な紙を使ってカラーで印刷されていたではありませんか。40年も前の写真がこんなに簡単に見つかってしまうなんて、まさに奇跡です。これで、完璧なジャケットが揃い、見事に「おやぢ」に使うことが出来たのです。
 この写真を、発表された順序に上から並べてみました。LP、CD、本の順序です。
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 もちろん、「おやぢ」にも書いたように正しいのは2番目の向きの写真です。ですから、それに気づいたメーカーはCD化にあたって、こちらの写真を使ったのでしょう。しかし、なぜか出版社の人はそれには気づかなかったのでしょうね。
 そして、そんな「裏焼き」云々よりも重大なことが、この写真には秘められていたことも、すぐ分かりました。この写真でしたら、人物がいるかいないかはよりはっきり分かることでしょう。おそらく、最初のLPではデザイン的な面で、文字に人物がかかってしまうのでそれを消してしまったのでしょうね。CDにしたときには別に文字は関係ないのですから、その時点で元に戻しておけばよかったものを、ちょっとしたリサーチを怠ったためにこの2人の人物は40年の間ドイツ・グラモフォンレーベルのジャケットからは消えたままだったのです。
 私にとっては、こんなことを「発見」するのは無常の喜びです。これに関わっている間は、なんと幸せな気分でいられたことでしょう。しかし、世の中にはそんなことにはなんの価値も見いだせない人がいます。おそらくそういう人の方が遙かに多いことでしょう。いや、確かに私と同じ価値観を持っていたと思っていた人が、実はそうではなかったことが分かってしまって、なんともやりきれない気持ちになっているところです。
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by jurassic_oyaji | 2008-09-12 21:35 | 禁断 | Comments(0)