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SHM-CD Compilation
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Various Artists
ユニバーサル・ミュージック/UCCG-9869/70



CD(コンパクト・ディスク)が誕生してからはや四半世紀、音質的には必ずしも従来のLPレコードを凌ぐものではありませんが、文字通りの「コンパクト」さと、手軽な操作性とで、音楽ソフトの主流となるのには、そんなに時間はかかりませんでした。そんな決して短くはないCDの歴史の中で、なんとか新たな可能性を探ろうという新タイプのCDも登場してきましたね。CCCDXRCDSACDSHM-CDHQCDABCD。まっ、最後のはウソですし、その一つ前も今月になって登場したばかりですが、それぞれが一体どんな特徴を持つCDなのかを的確に述べられる人などいるでしょうか。とりあえず「CCCD」だけは、「もうなかったことにしたい」ものであることは確かなのですが。
そんな、「新しいタイプのCD」の中で、今年の初め頃から話題になっていたのが「SHM-CD」です。これは、「超高品質素材CD」という意味の「Super High Material CD」の略号なのだそざい
CD本体を作る作業というのは、ポリバケツを作るのと同じ「射出成形」という方法によっています。そこで肝心なのは、金型である「スタンパー」の凹凸が、忠実に再現されることです。なにしろ、そこに刻まれた「ピット」こそが、デジタル信号を伝える要なのですからね。そこで、素材の樹脂であるポリカーボネートの成形上の特性が問題になります。タイ焼きのタネみたいに、溶けた樹脂が、きちんと金型の隅々まで行き渡るという「流動性」が必要になってくるのですね。「SHM-CD」に使われる素材は、その点が従来のものよりも改良されているということです。さらに、樹脂自体の透明性もアップされています。CDのデータを読み取るレーザーは、ピットに反射する前と後で本体のポリカーボネートの中を通りますので、その透明性が良いに越したことはありません。
ということで、素材を変えたことでどれだけの音質向上がはかられたか、というデモンストレーションのために作られたのが、このコンピです。全く同じスタンパーを使って、中に流し込む樹脂だけを変えた、という2枚のCDが入っていますので、それを聞き比べることによって、純粋に素材の違いだけでどれだけ音が違うのかが分かるということになりますね。
その試聴サンプルは、ユニバーサル系のレーベルのものが、新旧取り混ぜて集められています。古くは1958年のリヒターの「マタイ」から、最新のものでは2002年の小澤の「ニューイヤー」まで、もちろんアナログ録音もデジタル録音も両方含まれます。確かに、両者の間には歴然とした違いを聴き取ることが出来ました。特に弦楽器の細かいニュアンスの違いは驚くほどのもの、クライバーの「ベト7」で、それははっきり確認出来ます。ショルティの「ワルキューレの騎行」では、金管楽器の音場感がまるで違います。アルゲリッチのリストのコンチェルトも、ピアノの輪郭が別物のようにはっきり感じられます。素材を変えたことによる音質向上は紛れもない事実でした。
しかし、これだけの違いがあるということは、逆に考えれば今までのものにそれだけの欠陥があったのだということにはならないでしょうか。成形の前の段階、マスタリングに於いては、その技術の進歩は著しいものがあります。というか、今ではその最新の技術を用いることがごく当たり前のことになっています。今回の素材の改善も、こんな大騒ぎをして特別なものとして扱われるのではなく、それが標準の品質となるのが当然のことなのではないでしょうか。
いえ、もっと言えば、本当に良い音質の製品を提供したいという気持ちがあるのなら、このメーカーが最近ではスッパリと縁を切ったかのように見えるSACDを出すことの方が、本筋なのではないかと思ってしまうのですが、どうでしょう。「業界」の思惑がどこにあるのかは知るよしもありませんが、それが、「一般人」である消費者の切なる望みだと思うのですが。事故米騒動ではありませんが、「業界」の目が「消費者」に向けられることは決してありません。
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by jurassic_oyaji | 2008-09-19 20:16 | オーケストラ | Comments(1)
Commented by ろじゃーす at 2008-09-20 15:20 x
>本当に良い音質の製品を提供したいという気持ちがあるのなら、このメーカーが最近ではスッパリと縁を切ったかのように見えるSACDを出すことの方が、本筋なのではないかと思ってしまうのですが、どうでしょう

同意です。現在SHMからSACDへ流れるユーザーも多いらしく、SACD復活してもらいたいです。まあ、海外メーカーは出してくれているのですが・・