おやぢの部屋2
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川内萩ホール5
 今日は「萩ホール」の公式のこけら落としの日です。このホールは交通の便は悪いくせに、駐車場はほとんどありません。ですから、そこに入れようと思ったらかなり早く行かなければなりません。私が着いたのは開演の1時間以上も前。それでも歩いてホールに向かう人がたくさんいたので、入り口の前には開場を待つ人でさぞや長い列が出来ているのでは、と思ったら、誰もいません。こんなに早くもうお客さんを入れていたのですね。
 しかし、受付に行ったら、指定席のカードを渡されました。早く来た順に、前からの席を機械的に割り振っていたのですね。私の席は前から10番目、これではあまりにも前過ぎるので、もっと後ろ、出来れば二階席に変えてもらえないかと聞いてみても、「その様に言われておりますので」と、なんとも融通の利かない答えです。仕方がありません、前でも我慢しましょう。この前は二階で聴きましたから、ステージに近いとまた別の聞こえ方もするかもしれませんし。
 ホールに入ってみると、ステージではまだ山台を組んだりして準備中でした。それはいいのですが、なんだかホール全体が煙っています。オペラや、ロック・コンサートなどでこんな風になっていることが良くありますが、なぜクラシックのコンサートで?と思っていると、そのわけはしばらくして分かりました。実は、このコンサートの前半には能の「高砂」が演じられるのですが、そのリハーサルが始まったら、客席を真っ暗にしてステージの後ろからレーザーを出しているのです。そのためのスモークだったのですよ。なんと斬新な。そういえば、ステージまわりには夥しい照明機材が設置してありましたね。
 本番の「高砂」は、こんな感じ。
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 なんでも、能舞台の「松の木」をイメージしたものなのだとか、なかなか素晴らしいアイディアですね。このコンサートのコンセプトは、このホールの機能をフルに体験してもらうこと、なのだそうです。うん、こんなこともできるんですね。
 その照明プランは、レーザーこそないもののその後のピアノや声楽、ヴァイオリンといったクラシックのアーティストの演奏の時にも貫かれていました。ちょっと普通のコンサートとは勝手が違っています。ソリストは真っ暗な中にステージに登場、真ん中に来た時にやっと照明があたってお客さんに分かる、といったような、それこそロック・コンサートのノリですね。そんな中で、レーザー用のスモークが、いつまでたっても晴れないのが気になります。普通の照明だと、これは逆にゴミゴミとしたイメージしか与えられませんから、かえって逆効果のような気が・・・。
 と思っていると、最後の合唱のステージになったら、「カルミナ・ブラーナ」でいきなりまたこのレーザーの登場です。
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 これには思わずのけぞってしまいましたね。それからは、もう演奏を聴くどころではありません。次の「第九」でもそんな照明やらレーザーの嵐、それがなまじ音楽にシンクロしているものですから、その醜悪さは際立ちます。さらに、エンディングでは後ろのライトが一斉に点灯して「目つぶし」までやるのですから、これには驚きを通り越して、腹が立ってきました。これはちょっと勘違いをしているのではないか、という思いです。私たちは音楽を聴きにきたのであって、いくら色んなことが出来ることを見せびらかしたいからといって、こんな場末のキャバレーのような安っぽい光の中での演奏などは全く望んではいないのですよ。ましてや、それで音楽の「解説」までやってもらおうなどとは、さらさら考えてはいません。このホールの企画担当者は、これからのクラシックのコンサートで本当にこんなことをやるのを目指しているのでしょうか。これだけ素晴らしいホールを造っておきながら、こんなお粗末なことしか考えつかないのだとしたら、これは非常に残念なことです。少なくとも、ソフト面ではこのホールの権威は地に落ちました。

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by jurassic_oyaji | 2008-10-10 23:52 | 禁断 | Comments(2)
Commented by 半可通 at 2008-10-13 04:43 x
こちらのブログを読ませていただいて、本当に「ホール=小屋」というのは、建てて終わりなのではなく、そこで何を・誰のために行うかというひらけた視点でのソフト展開、そして小屋を維持管理・企画運営するスキルとコスト、そしてお客様を迎え入れる立場としての視点と心構えが必要なんだなあ、と、改めて思いました。
仙台市民の期待を膨らませてくれる1000人キャパのホールは、東北大学構内の施設らしいですが、ホールそのものの維持管理の「定着」、企画を実施・貸し館として運営する場合のサービス職のスキルと方向性の「定着」は、さぞ手間も時間も、そして経費もかかりそうだと思わせてくれるホールの船出のようですね・・・。長い目で見れば・・・交通機関の問題はたぶん地下鉄南北線が解決・・・・してくれるのではないでしょうか?

Commented by jurassic_oyaji at 2008-10-13 09:17
半可通様、コメントありがとうございました。

実際の自主公演の運営や、外部に貸し出して行うコンサートがどんなものになるのかは、しばらく見守っていかなければならないでしょうね。それにしても、公開になった使用料を見て、多少落胆したところもあります。リハーサルで使おうとしてもあまりにも高額すぎて、アマチュアではとても手が出ないのですね。これも将来見直されるのか、見守っていくところです。