おやぢの部屋2
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2009年 11月 09日 ( 1 )
Les Chefs-d'Oeuvre de la Musique Sacrée
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Various Artists
HARMONIA MUNDI/HMX 2908304.33



「宗教音楽の主要な作品」というタイトルの、30枚組のCDボックスです。その名の通り、5世紀頃に歌われていた聖歌から、20世紀に作られた「ミサ」という名のシアターピースまで網羅されているという、まさに合唱ファン待望のアイテムです。なんと言ってもお値段が6900円、一枚あたり230円ですよ。それも、SONYなどが最近派手に出している、大昔の録音を集めたものではなく、殆どが1980年台以降、デジタル録音によるものなのですから、たまりません。つい最近リリースされたばかりの2008年録音のデュリュフレのレクイエムなどというものまで入っていますよ。
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ボックスのパッケージ自体は、普通の字体でただタイトルが書いてあるだけというなんとも素っ気ないものでした。しかし、中を開けてみてびっくり、CDが入った紙ジャケには、それぞれ全く別の楽しい絵が印刷されているではありませんか。いや、「楽しい」というのはちょっと不謹慎、実はよく見てみるとキリストの磔刑などが描かれていますから、これはもっとシリアスな内容を持っているものなのでしょう。そして、それはどうやら、ブックレットの表紙にある絵の一部分を抜き出したもののようですね。この絵は15世紀フランドルの画家ハンス・メムリンクという人が描いた「受難」という作品なのだそうです。テーマはともかくその絵のいたるところで聖書に描かれたキリストの「受難」の模様に出会えるという、不思議な絵ですね。
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これを見て、「もしや」と思い、CDのジャケットを番号順に並べてみました。予想通り、これはきっちり横6枚×縦5枚に、元の絵を分割したものだったのですね。上にある字は、次の列を重ねると見えなくなるような工夫までされていますよ。もうCDを聴かなくても、こんな手の込んだ装丁だけで嬉しくなってしまいます。
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中身は、このレーベルのすでに定評のあるものが目白押し、それらは、単なる「名演」というのではない、独特のこだわりを持ったものばかりです。例えば、ヘレヴェッヘによるフォーレの「レクイエム」は、ネクトゥー・ドラージュ版による最初の録音、初めてこれを聴いたときにはこの曲に対する印象が全く変わってしまったという思い出があります。アンサンブル・クレマン・ジャヌカンのジョスカンなども、さるエラい先生がカンカンになって怒ったという「不真面目」な演奏ですしね。そんな風に、ほとんどはすでに耳にしているものだと思っていたのですが、実際に手にしてみると、特に古い音楽についてはまだまだ聴き漏らしていたものがたくさん残っていました。それらを、少しずつ時間を作って聴いていく楽しみが、これから待っています。
ただ、この紙ジャケが、上からCDを出し入れする、という形になっているのがちょっと気に入りません。かつてのLPのジャケットでは、中身は例外なく「横から」入れるように作られていたものです。これは、立てておいたときに埃が中に入らないように、という配慮があったためです。LPからCDになって、埃が再生に与える影響は格段に小さくなりました。しかし、だからといってこんな無防備な、そう、言ってみればパンツを履かないで大通りを歩いているようなジャケットには馴染めません。というか、いつの間にかそんなことを思いもしないような人がこういうものをデザインする時代になってしまっていたのですね。
もう一つ、明らかなミスがありました。30枚組といっても、最後の1枚は実は音楽CDではなく、歌詞の英独仏の対訳が掲載された3種類のPDFが入っているCD-ROMなのです。英語の場合全部で72ページにもなる膨大なものですが、そこではCD26に入っているブルックナーのモテットと、CD27に入っているプーランクのモテットとミサの歌詞が、ゴッソリと抜けています。

CD Artwork © Harmonia Mundi s. a.
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by jurassic_oyaji | 2009-11-09 23:01 | 合唱 | Comments(0)