おやぢの部屋2
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2013年 02月 28日 ( 1 )
DEBBUSSY, STRAVINSKY, RAVEL
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Philippe Jordan/
Orchestre de l'Opera National de Paris
NAÏVE/V 5332




収録曲はドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」、ラヴェルの「ボレロ」。3人の作曲家のそれぞれ最も有名なオーケストラ作品を集めたという分かりやすいアルバムです。オープニングがすべてほとんど管楽器一人、という点でも共通しています。
演奏しているのは「パリ国立オペラ座管弦楽団」という団体。いや、パリのオペラ座のオーケストラは「バスティーユ・オペラ管弦楽団」と言うのでは、とお思いでしょうが、どちらも全く同じもののはずです。確信はありませんが、レーベルとの契約の関係で名前を使い分けているのかもしれません。いずれにしても、1989年に誕生した新しいバスティーユのオペラ座と、それまであったガルニエ宮の旧オペラ座の両方で演奏することがもっぱらの役割であるオーケストラです。
「バスティーユ」発足時の音楽監督はチョン・ミョンフンでしたが、現在はその次の次、フィリップ・ジョルダンが音楽監督を務めています。やはりオペラが得意だったアルミン・ジョルダンの息子ですね。ある意味、世襲。
2つの会場で同時に別の演目を上演することもありますから、オーケストラのメンバーは174人もいるのだそうです。この前のマリインスキーほどではありませんが、これでも日本の田舎オケ3つ分は優にある人数です。ブックレットには、この録音の時のメンバーだけが記載されていますから、「牧神」のソロはフレデリック・シャトゥーが吹いていると分かります。
その「牧神」で始まるこのアルバムでは、ことごとくこれらの曲の今までのイメージが覆るようなシーンが現れます。この曲の場合は、漠然とした「午後」という感じではさらさらなくて、もう「真っ昼間」という元気で分かりやすい音楽が楽しめます。まあ、でも、こんなドビュッシーが一つぐらいあってもいいのかもしれません。固定概念に縛られていては楽しめるものも楽しめなくなってしまいますからね。オーボエのスタンドプレーが、伏兵となって更なるサプライズを与えてくれるはずです。
「春の祭典」は、言ってみれば「ヘタウマ」の世界でしょうか。この曲を演奏するために必要なスキルはハンパではありませんから、どんなオーケストラでも「完璧さ」が達成できるとは限りません。いや、逆に、あまりにアンサンブルに隙がないと、かえってつまらなく感じられてしまうこともあったりしませんか。そんな、報われない努力をするよりも、いっそハチャメチャなやり方で「笑い」を取った方がどんだけ楽しいか、と考えたわけではないでしょうが、これはこれでちょっと驚かされる演奏に仕上がっていました。要は、ユニゾンにあまり神経質にならないように、と心がけたのでしょうね。その結果、トゥッティでのパルスからは、攻撃的な意思が全くなくなって、いとも穏やかな佇まいが見えてきます。同じ旋律を別の楽器が重なって演奏するときも、決して「まるで一つの楽器に聴こえるように」といったようなけち臭いことは考えず、それぞれの楽器が全く別々の方向で演奏すれば、同時にいろんな味が楽しめるという、ぜいたくな気分も味わえますよ。何よりもうれしいのが、後半で出てくるアルト・フルートの元気の良さ、ここでは誰しも修行僧のような禁欲的な演奏を心がけるものですが、まずブレスをはっきりとっているのがたまりません。
「ボレロ」でも、小太鼓はよくあるいじいじした超ピアニシモではなく、最初からでかい音で叩きはじめます。どれだけ無駄な緊張感がなくなることでしょう。ここでは、指揮者はエンディングに向かってほんの少しずつテンポを上げようしていますが、それに対する反応が楽器ごとにマチマチなんですね。これですよ。人間が演奏しているんですから、これぐらいアバウトでなくっちゃ。
アバウトついでに、ブックレットでの時間表示が実際より3分も短くなっています。これではまるでNAXOSですね。

CD Artwork © naïve
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by jurassic_oyaji | 2013-02-28 19:55 | オーケストラ | Comments(0)