おやぢの部屋2
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2015年 10月 25日 ( 1 )
BERLIOZ/Symphonie fantastique, Lélio
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Gérard Depardieu(Nar)
Mario Zeffiri(Ten)
Kyle Ketelsen(Bar)
Riccardo Muti/
Chicago Symphony Orchestra & Chorus
CSO RESOUND/CSOR 901 1501




シカゴ交響楽団の自主レーベル「CSO RESOUND」は、2007年発足当時はそれぞれのアイテムでCDとSACD(ハイブリッド)を両方リリースするという不思議なことを行っていましたが、最近ではCDだけになってしまったようですね。
このレーベルの品番は非常に分かりやすくなっていて、末尾の4ケタ、もしくは3ケタがリリースの年と、その年のシリアルナンバーになっています。ということは、この「1501」という品番は、今年はもう終わろうという頃にやっと1枚出ました、ということなのでしょうか。なんだか、ずいぶんゆったりとしたペースになってしまったものですね。しかも、これは5年も前の2010年に録音されたものですよ。SACDは見限るわ、新録音は出来ないわでは、この自主レーベルの先行きもなんだかおぼつかないですね。
そう、これは2010年の9月、ムーティが前任者のバレンボイムが退任してから4年間の空白ののちにシカゴ交響楽団の音楽監督に就任した記念演奏会の時のライブ録音なのです。その時の、ベルリオーズの「幻想交響曲」と「レリオ」を続けて演奏するという2時間近くの模様が2枚組CDにすべて収録されています。
「レリオ」のフルネームは「レリオ、あるいは生への復帰」、「幻想交響曲」とは密接な関係を持つ作品です。とはいっても、「幻想」ほど頻繁に演奏されることはなく、録音も、この作品の存在を初めて世に知らしめた1967年録音のブーレーズ盤の他にほんの数種類あるだけなのではないでしょうか(「幻想」とのカップリングでこのブーレーズ盤が発売された時には、かなりの大騒ぎになっていました)。
しかし、この作品はあくまで「幻想」のスピンオフ、「幻想」と一緒に演奏しなければほとんど意味がないような内容ですから、単独で演奏される機会などほとんどありません。作品自体は、三分の一がナレーションで占められているという、ほとんど「音楽劇」のような体裁です。そこでは、役者さんなどがおそらくしぐさなども交えて、この、作曲家自身を投影した人物による「幻想」の後日談を語り始めることになるわけです。そして、そのあとにまず演奏されるのが、ピアノ伴奏によるテノールの歌というのですから、「オーケストラ」を聴きに来た人は唖然としてしまうことでしょう。もちろん、そのあとには普通にオーケストラの演奏や、合唱も加わってのある種オラトリオのようなものが披露されることになるのですが、そこに使われている音楽は全て自作の焼き直しというところに、やはり物足りなさを感じることでしょう。それは、作曲家にしてみれば十分に意味のあることには違いないのでしょうが。
ムーティは、この「幻想」-「レリオ」という、作曲家が本来目指したカップリングのコンサートを、これ以前に何度も行っているそうです。その時には、常にこのCDと同じジェラール・ドゥパルデューがナレーターを務めていたということで、ここではその熱演ぶりにまず注目です。確かに、的確な「間」と、圧倒的な表現力には驚かされます。そして、いかにもライブ録音らしい、客席との間のコミュニケーションもしっかり味わえます。最後の曲である「シェークスピアの『テンペスト』による幻想曲」が演奏される前のシーンで、かすかにカーテンが開くような音がしますから、実際に指定通りにオーケストラとナレーターの間はカーテンで遮られていたのでしょう。そこでオーケストラや合唱に練習を付けるところで、客席から盛大な笑い声が起こるのが、聴きものです。
ただ、このあたりのやり取りは、もちろんフランス語ですから対訳の英語を見てもいまいちピンときません。これを日本語で聴いてみたいな、と思う方は、来年4月に行われる仙台フィルのこのカップリングによるコンサートで、日本語訳のナレーションを楽しんでみてください。これは、東京のサントリーホールでも同じものが演奏されるはずです。

CD Artwork © Chicago Symphony Orchestra
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by jurassic_oyaji | 2015-10-25 20:46 | 合唱 | Comments(0)