おやぢの部屋2
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2016年 06月 09日 ( 1 )
DVOŘÁK/Symphonie Nr.8, SUK/Serenade
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Mariss Jansons/
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
BR/900145




ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団との最新のCDは、今年の初め、1月のコンサートのライブ録音でドヴォルジャークの「交響曲第8番」がメインです。この間のシベリウスではより伸びやかな音を聴くことが出来たガスタイクのフィルハーモニーでの録音ですから、おそらく存分に楽しめることでしょう。
その交響曲は、やはりCDとは思えないほどのすばらしい音で録音されていました。音が良いというのは、もちろん単なるオーディオ的なことではなく、演奏者の気持ちまでがきっちりと伝わってくる音になっている、ということです。ここでのヤンソンスの曲の作り方は、そのシーンで活躍するパートにスポットライトを当てて、思い切り歌ってもらうという、まるでドラマを見ているような気にさせられるものでした。確かに、この曲には至る所にソロやパートで目立つ役者のような楽器がたくさんありますからね。それが、単にメインのテーマを歌っているパートだけではなく、時にはそれを助ける役割のパートの方をクローズアップしているようなところもありますから、この、聴きなれた音楽に新鮮な味わいが加わることになるのです。たとえば、第1楽章のテーマをトランペットが高々と歌い上げているところで、本来は「脇役」であるはずのうねるような弦楽器を立てようとしていますから、これはそういう全体を見据えた演出だな、と気づくことになるのです。
カップリングとして、珍しいことにこのコンサートの数日前に「スタジオ録音」が行われた、スークの「弦楽セレナーデ」が収録されています。やはり、放送局のオーケストラですから、需要に応じて番組用の録音を放送局の「スタジオ」で行ったのでしょうか。だとしたら、ホールで録音されたものよりもデッドな音が聴けるのではないでしょうか。
と思いながら、交響曲の後の盛大な拍手に続いて聴こえてきた弦楽合奏の響きを味わってみると、なんかとてもふんわりとした瑞々しい音がするのでちょっと意外な気がしました。実は、「スタジオ録音」というのは「帯」に「ミュンヘン/スタジオ・レコーディング」と書いてあった情報なのですが、元々のクレジットを確認したら、「Studio Recording/München, Philharmonie im Gasteig」とあるではありませんか。何のことはない、コンサートと同じホールで録音していたのですよ。それなら、このしっとりとした音は納得です。別に「スタジオ」を使わなくても、ホールにお客さんを入れないで録音する「セッション録音」のことを「スタジオ録音」と呼ぶのは、この世界の常識でした。
スークが18歳という、まだドヴォルジャークの指導を受けていた頃に作られた「弦楽セレナーデ」は、師であり、後には義父となるドヴォルジャークの同名の作品をモデルにして作られたことがはっきり分かる、チェコの民族性を大切にした音楽です。しかし、こちらではその「民族性」が、もっと普遍的な西洋音楽の範疇に拡大されているようなスマートさが感じられないでしょうか。それは、ある種の「土臭さ」からは解放された、よりグローバルな聴かれ方にも対応できるもののような気がします。ということは、今の時代に作られている「現代音楽」(もちろん、こちらのような身勝手な定義とは別の次元の音楽)にも通じる情感までもたたえているな、と思えてしまうのは、ヤンソンスがとても良いセンスを発揮させているからなのでしょう。特に、第3楽章の心地よい甘ったるさは、まさに「現代」の受容にも耐えうるものです。
あんまり気に入ったので、この第3楽章だけ、ハイレゾで聴いてみました(@300円)。とは言っても、このファイルのフォーマットは24bit/48kHzというSACDには及ばないものなので(だからSACDは出ていない?)それほどの違いはないだろうと思っていたのですが、聴いてみたらCDとはまるで別物でした。最初に「CDとは思えない」などと書いてしまいましたが、やはりCDはCDでしかありませんでしたね。

CD Artwork © BRmedia Service GmbH
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by jurassic_oyaji | 2016-06-09 20:26 | オーケストラ | Comments(0)