おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
2016年 07月 21日 ( 1 )
MOZART/Die Zaubeuflöte
c0039487_23085140.jpg
Franz Crass(Sarastro), Roberta Peters(K. d N.)
Fritz Wunderlich(Tamino), Evelyn Lear(Pamina)
Dietrich Fischer-Dieskau(Papageno), Lisa Otto(Papagena)
Karl Böhm/
RIAS Kammerchor, Berliner Philharmoniker
DG/UCGG-9089/90(single layer SACD)




1964年に録音されたカール・ベームの指揮による「魔笛」が、シングル・レイヤーSACDになってリリースされました。今まで幾度となく形を変えてリリースされていたヒット作ですが、SACDになったのはこれが初めてなのではないでしょうか。まだ、ハイレゾ音源も配信はされていないようですし。
個人的には、これは生涯で初めて自分のお金で買ったオペラ全曲盤という、記念すべきアイテムです。おそらく、国内盤が最初にリリースされた時に購入したのでしょう。ただ、その頃はまだきちんとした再生装置までそろえるほどの余裕はありませんでしたから、回転式のサファイヤ針のカートリッジが付いた安物のプレーヤーにラジオをつないで聴いていましたね。しばらくして何とかまともな「ステレオ」一式がそろったので、ちゃんとしたダイヤ針のMMカートリッジで聴けるようになった頃には、そのLPはさんざん高針圧にさらされて聴くも無残な音に変わっていたのでした。しかも、30㎝Φのターンテーブルに乗せてみると、それはいい加減なプレスでお椀状に反り返った盤だったことも分かりました。
そんなわけで、このレコードからは音自体もなんだか安っぽいもののような印象を、最初から受けていましたね。CD化された時はすぐに入手したのですが、やはりそんな印象はぬぐえませんでしたから、全曲を聴きとおすこともありませんでした。
ですから、このシングル・レイヤーSACDは、久しぶりに、まともに向き合ってしっかり聴く機会を与えてくれたものとなりました。まずは、今まで入手していた2種類のCDとの音の比較になります。元々はLP3枚、6面に収録されていたものですが、最初に買った時には、それが3枚組のCDになっていました。つまり、第2幕が77分以上かかっていたので、当時ではCD1枚にすることが出来なかったのですね。ただ、それではあまりにも余白が多くなってしまうので、同じモーツァルトのたった5曲の音楽しかないジンクシュピール「劇場支配人」全曲がカップリングされていました。
そのCDはジャケットもオリジナルとは違っていたので、それこそ「オリジナルス」で1997年に、今度は2枚組で出たものも買ってありました。それらを今回のSACDと比べてみると、意外にも初回のCDがかなり健闘していたことが分かります。当時のクレジットでは録音エンジニアのギュンター・ヘルマンス自身が「デジタル・リミックス」を行ったとありますから、そのあたりが原因なのでしょうか。オリジナルスの方は変に音を作っている感じがして、なじめません。そして、SACDは最初のヒス・ノイズからしっかり入っていて、とてもナチュラルな雰囲気が漂っています。それは、今まで抱いていた悪印象を払拭するには十分なものでした。

ただ、今回のジャケットは、なぜかLP(↑)のものとは微妙に異なっています(特に出演者のフォント、もちろん、チューリップの下は2行)。

さらに、パッケージのどこを探しても録音スタッフの名前が見当たりません。これはどうしたことでしょう。ふぉんとにこの会社の仕事ときたら。
演奏自体は、今まで多くの人によって語られてきたものですから、いまさら付け加えることはありません。ヴンダーリヒは最高のタミーノを聴かせてくれますし、フィッシャー=ディースカウのパパゲーノという超豪華なキャスティングもうれしいところ、ただ女声陣はちょっと弱体、特にピータースの夜の女王は間違いなくミスキャストでしょう。それと、やはり「3人の童子」は少年に歌ってほしかった。
この録音の特徴は、グスタフ・ルドルフ・ゼルナーという、当時ベルリン・ドイツ・オペラの総監督だった演出家の手によって、セリフの部分がきっちり演出されているということです。そこまでやっているレコードなんて、ありませんよ。ここでは、おそらくゼルナーによってコンパクトに切り詰められたセリフが、歌手たちによってとても生き生きと語られています。

SACD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH
[PR]
by jurassic_oyaji | 2016-07-21 23:12 | オペラ | Comments(0)