おやぢの部屋2
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2016年 07月 30日 ( 1 )
Cantate Domino
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Alf Linder(Org)
Marianne Mellnäs(Sop)
Torsten Nilsson/
Oscar's Motet Choir
2xHD-NAXOS/812864019605(128DSD)




先日こちらのハイレゾ音源を購入した時に、「e-Onkyo」ではDSDのフォーマットを扱っていなかったので、仕方なく24/192のFLACを買ったら、「DSD Native」ではちゃんと128DSDが売られていたので悔しい思いをしたのですが、その時に「Lacrimosa」だけを買ったら、次にアルバムを買う時に半額になるというクーポンコードまで付いてきました。「e-Onkyo」ではそんなサービスを受けたことは1回もなかったので、すっかりこのサイトのファンになってしまいましたよ。そこで、なにか買うものがないかと物色している時に目に入ったのがこのアルバムです。
これは、そのモーツァルトの「レクイエム」と同じく、スウェーデンのPROPRIUSレーベルによって1976年1月23~25日と4月29日にストックホルムのオスカル教会で録音されたもので、最初はもちろんLP(PROP 7762)でリリースされていました。
このLPは、あの長岡鉄男氏が絶賛したことによって、広く「録音の良い」アルバムとして知られるようになりました。現在でもこのオリジナルLPは作られ続けていますし、さらにそれをリマスターして高品質のヴァイナル盤としたものもリリースされています。もちろんかなり早い段階でCD化もされましたし、ハイブリッドSACDにもなっていて、そのような新しいフォーマットが出るたびに、その録音のデモンストレーションという役目を果たすために何度も何度もリリースされてきたものです。
そんな有名なものなのに、頻繁にそのジャケットは目にするものの、いまだかつて実際に音を聴いたことはありませんでした。それが、この、ハイレゾのリマスタリングに関してはとても信頼のおけるレーベルから128DSDというフォーマット、しかも半額で手に入るというのですから、これは聴いてみないわけにはいきません。
これは、実は「クリスマス・アルバム」。ストックホルムにあるオスカル教会のオルガニストでコーラス・マスターのトルシュテン・ニルソンが、その教会の合唱団を率いて録音しています。伴奏には、1983年に亡くなっているアルフ・リンデルという人のオルガンが加わり、時にはマリアンネ・メルネスというソプラノのソロもフィーチャーされます。そして、クレジットの表記はありませんが、金管楽器のアンサンブル(おそらく3本のトランペットと3本のトロンボーン)も、2曲の中で登場しています。
アルバムタイトルの「Cantate Domino」は、イタリアの作曲家エンリコ・ボッシが1920年に作った曲です(彼は1925年に没しています)。ここではまずオルガンの勇壮なイントロが響き渡ります。その音の生々しいこと。それこそ一本一本のパイプの音がきちんと聴こえてくれるような明晰さを持ちつつ、その絶妙のミクスチャーがオルガンの魅力を最大に引き出しています。そこに、金管のアンサンブルが入ってくると、その柔らかなアタックには魅了されます。いかにも人間が息を吹き込んで音を出している、という生命感が宿った響きです。そして、それらがいったん休んだところに、ア・カペラの合唱が入ってきます。正直、ピッチとかフレージングなどにはちょっと難があってそれほど上手な合唱ではないのですが、その、やはり一人一人の声までがくっきりと立体的に浮き上がってくる音には圧倒されます。確かに、これはオーディオ装置のチューニングには格好なソースです。
全く知らない曲が並ぶ中で、「きよしこの夜」などの有名なクリスマス・ソングが突然聴こえてくると、ほっとした気分になれます。最後に演奏されているのが定番のアービング・バーリンの「ホワイトクリスマス」ですが、そのオルガン伴奏がそれまでの堅苦しいものとはガラリと変わった4ビートのスイングだったのには驚きました。なんでも、このオルガニストはかつてはジャズ・ピアニストだったのだとか。そんな、様々な面で驚かせてくれるアルバムでした。おそらく、この128DSDは、サーフェス・ノイズがない分LPをしのぐ音を聴かせてくれているのではないでしょうか。

DSD Artwork © Proprius Music AB
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by jurassic_oyaji | 2016-07-30 21:12 | 合唱 | Comments(0)