おやぢの部屋2
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2016年 08月 27日 ( 1 )
TCHAIKOVSKY/Symphony No.6"Pathétique"
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Manfred Honeck/
Pittsburgh Symphony Orchestra
REFERENCE/FR-720SACD(hybrid SACD)




常に何か新鮮な驚きを与えてくれる、このレーベルのホーネックとピッツバーグ交響楽団との録音による新譜です。音を聴く前にライナーや録音データなどを一通りチェックするのは、いつものこと、そこで目を引いたのがここで録音を担当している「Soundmirror」というボストンの録音プロダクションによる「この録音とポスト・プロダクションは、DSD256によって行われている」というコメントでした。DSD256というは、サンプリング周波数がCDの256倍、SACDのフォーマットが64倍ですから、それのちょうど4倍になるという、デジタル録音としては非常に解像度の高いフォーマットです(「4倍の」という意味で、「クワドDSD」とも呼ばれます)。録音の際にこれを使っているものは、実際には数えるほどしかありません。ついに、このレーベルも、ここまでのクオリティを持つことになったのだな、という感慨にふけるには十分な数値です。もっとも、世の中には「DSD512」という、さらに上位のフォーマットもあるそうです。SACDの8倍で「オクタDSD」でしょうから、もはやオタクの領域です。
そこで、この前に出たSACD、品番では2番しか違わない昨年リリースのアルバムのデータを見てみると、そこにはまだ「DSD64」だということが明記されていました。ということは、ごく最近、このフォーマットに変更されたということなのでしょうね。
そうなってくると、確かクワドDSDに対応していたはずのこちらのサイトでも、その元の録音を入手できるかもしれません。いまのところ、クワドDSDが聴ける環境にはないのですが、その半分のDSD128(ダブルDSD)なら聴けますので、それだったらSACDよりも良い音を体験できるはずです。思った通り、こちらにあるように、ここでは普通のDSDの他に、「ダブル」と「クワド」も販売されていました。さっそくダウンロードして聴き比べてみようと思ったのですが、その価格が、2チャンネルステレオの場合、すべて20.65ユーロであることに気づきました。以前こちらで買った時には、「DSD」は24.79ユーロでしたが、「ダブルDSD」では28.09ユーロと、フォーマットによって価格が異なっていました。これが当たり前の姿、ということは、このアルバムの場合は、価格から言ってもレーベルから供給されたものは単なる「DSD」で、「ダブル」と「クワド」はただのアップサンプリングではないのか、という疑問が湧いてきます。オリジナルが「DSD」だった先ほどのベートーヴェンも、やはり「クワド」まで揃っていましたが、すべて価格は同じでしたから、これは間違いなくアップサンプリングのはずです。しかし、ちゃんと「クワド」で録音された今回のアルバムも、すべて「DSD」並みの音になっているというのは(いや、単に価格からの推測ですが)、いったいどういうことなのでしょうね。
いずれにしても、ただのDSDであるSACDで聴いただけでも、この録音のすごさは十分に伝わってきます。その端的な例が、とても自然な音場感でしょうか。いつものように、このオーケストラはファースト・ヴァイオリンとセカンド・ヴァイオリンが左右に分かれた配置を取っていますが、それがまさに作曲家の意図したとおりに、お互いに主張している部分などではきっちりと聴こえてきます。そして、これには本当に驚いたのですが、「悲愴」の第4楽章の冒頭の、テーマの1音ごとにパートが変わっているという不思議なオーケストレーションの部分では、そのテーマがパン・ポットで聴こえてくるのではなく、しっかり弦楽器全体の中で包み込まれて一体化しているように聴こえていたのです。
カップリングは、ホーネックがコンセプトを決めてトマーシュ・イレがその指示に従って仕上げた、ドヴォルジャークのオペラ「ルサルカ」による幻想曲でした。聴きものは、最後の方に登場する、有名なルサルカのアリア「月に寄せる歌」をヴァイオリン・ソロに仕立てたところでしょうか。ここでソロを弾いていたコンサートマスターのノア・ベンディックス=バルグリーは、この録音を最後にピッツバーグを去り、ベルリン・フィルの第1コンサートマスター(樫本大進と同じポスト)に就任したそうです。

SACD Artwork © Reference Recordings
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by jurassic_oyaji | 2016-08-27 20:03 | オーケストラ | Comments(0)