おやぢの部屋2
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2016年 09月 11日 ( 1 )
新聞連載のエッセイも、最近はあまり面白くありません
 この間、WOWOWでとっても面白い映画をやっていました。ここでは、まだ日本では上映されていない映画、なんてものも放送される、というものもあったりします。そんな中に、ダスティン・ホフマンとジュディ・デンチが共演しているものがありました。こんな大スター(かつては、ですが)が出ているのに日本で上映されなかったなんて、と、逆に興味が湧いてきましたよ。タイトルも「素敵なウソの恋まじない」と、なんだか楽しそうですから、ダメモトで見てみることにしました。
 いやあ、久々に和みましたね。基本は、お年寄り同士のラブストーリー、一人暮らしのさびしい老人が、アパートの下の部屋に住んでいるやはり高齢の女性を好きになってしまうのですが、それを告白する勇気はありません。そこで目を付けたのが、女性が飼っている1匹の亀。女性はそのペットを溺愛していますが、「なかなか大きくならない」という不満を漏らしているという話を、ベランダを挟んでお話しする、ぐらいの間柄にはなっていますから、その関係をさらに発展させようと、彼は一計を案じます。それは、毎日唱えれば間違いなく亀が大きくなるという呪文を教えてあげる、というものです。もちろん、ほんとうにそんなことはできるわけがありません。彼は、それを実現させるために、ペットショップで100匹以上の大きさの違う亀を買ってきて、女性が留守の間に彼女の亀を自分の家に特別の道具で運び込んで、それより少し大きな亀を代わりにベランダに置いておく、という事を繰り返すのでした。しばらくすると亀は倍近くの大きさに「成長」し、女性はとても喜んで、彼の告白を受け入れる、というのが、ざっとしたプロットです。
 実は、この原題は「 Roald Dahl's Esio Trot」という、邦題とは似ても似つかないものでした。でも、「ロアルド・ダール」といえば、あの「チャーリーとチョコレート工場」の著者ですから馴染みはあります。それで、映画を見終わった時にそちらも読んでみました。それは、さっき書いたようなとてもシンプルなお話、ほんの10分ぐらいで読めてしまうぐらいの長さしかありません。正直、それだけ読んだのではあんまりおもしろくはありません。それが、1時間半の映画にするために様々な枝葉を加えられると、面白さがとても膨らんでいたのですよ。映画では、もう一人嫌われキャラを設けて、ストーリーに起伏を付けていますし、さらに物語の進行のためだけのキャラも用意して、その設定が最後になって明かされる、というサプライズまで加わっていますから、最後の最後まで楽しめます。いや、じつは、それ以上のサプライズが待っているのですが、そこまでは書きませんよ。
 演じているダスティン・ホフマンは、いくつになっても役作りが巧みですし、ジュディ・デンチなどはもう80歳ぐらいでしょうが、とてもそんな高齢とは思えないようなかわいらしさが漲っていますから、エンディングでは本当に「よかったね」と思えてしまいます。
 なぜ日本では上映されなかったかというと、これは劇場用ではなく、テレビ用の映画、BBCが制作したものでした。でも、DVDなどは出ているみたいですね。このタイトルですが、もちろん「Esio Trot」という、それこそ「おまじない」みたいな言葉が原作本の原題です。ちょっと考えれば、これが「Tortoise」を逆に読んだものだ、ということが分かります。まさに「亀」そのものですよね。ですから、それを尊重して、日本訳の本ではこんなタイトルになっています。
 でも、映画では、そのあたりの配慮が全くなされていない、つまらない邦題になっていましたね。でも、いい映画なんで、そんなことはどうでもいいんです。
 でも、同じころにやはりWOWOWで放送されていた「ギャラクシー街道」は、そんないい映画を見た後だという点を差し引いても、どうしようもなくひどい映画だと思わずにはいられません。なにしろ、泣けるところはおろか、笑えるところも全くなかったのですからね。今までとても面白い映画をたくさん作ってきたのに、こんなものを作ってしまったら、もう三谷幸喜そのものが全否定されてしまいますよ。いや、今にして思えば「清須会議」あたりでも、すでに「三谷ブランド」は崩壊していたような気が。
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by jurassic_oyaji | 2016-09-11 21:57 | 禁断 | Comments(0)