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2016年 10月 11日 ( 1 )
POULENC/Complete A Capella Choral Works -Sacred music-
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harmonia ensemble
BRAIN/OSBR-33002




記憶が確かなら、harmonia ensemble(ハルモニア・アンサンブル)は2010年の合唱コンクールの全国大会で、初出場でいきなり金賞を取ってしまい、翌2011年にも連続して金賞を取ったあとは、すっぱりと参加をやめてしまったのではないでしょうか。そして、いつの間にか「プロフェッショナルの室内合唱団」になっていたことを、このアルバムのプロフィールを見て知りました。それで、合唱コンクールには出なくなったのも納得です。はるもにあ(去るものは)追わず。
もっとも、この、毎年日本合唱連盟が開催している「合唱コンクール」というのは、ちゃんとした「コンクール」とは似て非なるものなのではないでしょうかね。だって、学生ならいざ知らず、メンバーがずっと変わらない「一般」の合唱団だったら、1回金賞を取ってしまえば、あとはもう参加する必要なんかないはずなのに、毎年毎年出てくるんですからね。
このアルバムは、今年の3月に行われた定期演奏会に先だって、同じプログラムをスタジオで録音したものです。ここではプーランクの1937年の「ミサ」から、1959年の「聖アントニウスの賛歌」まで、無伴奏の混声、男声、女声合唱のために作られたすべての宗教曲が演奏されています。
一応、品番はBRAINからリリースされたCDのものになっていますが、録音を行った「Sound Inn」名義でハイレゾ音源も同時に配信されていましたから、そちらの音を聴いてみました。ただ、それを購入する時に配信サイトに行ってみると、そこには24bit/96kHz PCMと1bit/5.6MHz DSDの2種類の音源が用意されていました。業界では、24bit/96kHzPCMは1bit/2.8MHzDSDと同等だ、というような基準が一般的なようですから、これだとDSDの方が上位のフォーマットになっています。ただ、両者は同じ価格で販売されている、というのがちょっと気になります。良心的なサイトでは、上位のフォーマットではそれ相応の価格が設定されているはずですから、それが同じだということは、どちらかがアップサンプリングである可能性が強くなってきます。何とも判断に苦しむところですね。
それを決めるために、オリジナルの録音フォーマットを知りたいと思ったのですが、どこにもありません。そこで、BRAINの公式サイトのメールフォームと、harmonia ensembleのFacebookページに「教えてください」と投稿したら、しばらくしてほぼ同時に「32bit/96kHzのPCMです」という答えが返ってきました。BRAINなどは直接電話がかかってきましたよ。今まで他のレーベルではこういうことはほとんど無視されていたので、全く期待していなかったのですが、なんという素晴らしい対応なのでしょう。ということは、配信音源はDSDの方がより元のデータに近いものが得られるのでは、という感触ですから、それにしましょう。
DSDで購入したのは、やはり正解でした。参考までに、単売されていたうちの「クリスマスのための4つのモテット」だけPCMでも購入して聴き比べてみたのですが、いくらか音の輪郭がざらついて、輝きがなくなっていましたね。
この録音では、狭いスタジオの写真からは想像できないような豊かな残響が付いているのには驚きました。それでいて声はニュアンス豊かにしっかりと聴こえてきます。音の肌触りなど、ゾクゾクするほどのすばらしい録音です。
ただ、あまりにリアルな音であるために、全体のハーモニーがサウンドとしてあまり溶け合っていないような気がします。プーランク特有のテンション・コードの味が、あまり感じられないのですね。それと、「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」のフランス語のディクションがちょっとフランス語には聴こえない、というあたりも少し物足りません。でも、以前のアルバムでのプーランクではなんだか借り物のようなところがありましたが、ここでは見事な流れが感じられるものに変わっています。
次回には、教会のような優れた音響の会場で、5.6MHzDSDの一発録りなどに挑戦されてみてはいかがでしょうか。絶対に買いますよ。

CD Artwork © Brain Music
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by jurassic_oyaji | 2016-10-11 21:00 | 合唱 | Comments(0)