おやぢの部屋2
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2016年 12月 24日 ( 1 )
ORFF/Carmina Burana
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安井陽子(Sop), 松原友(Ten), 小森輝彦(Bar)
山田和樹/
仙台フィル「カルミナ・ブラーナ」合唱団(by 佐々木正利)
NHK仙台少年少女合唱隊(by 原田博之)
Onebitious Records/0008206935.200(2.8MHz DSD)




仙台フィルが「ミュージック・パートナー」の山田和樹を迎えて行った一連のコンサートの中の、今年の10月13日の「カルミナ・ブラーナ」の演奏が、ハイレゾによって配信されていました。「ハイレゾ」とは言っても、使われているレコーダーは民生用のポータブルタイプで、最高位のフォーマットはPCMで24bit/192kHz、DSDで2.8MHzですから、プロ用の機材に比べれば大したことはありません。そこに、ステージ上方の三点吊りにセットした2本のマイクからの信号を入力しています。使用マイクは、おそらくDPAでしょう。
ミキシング用の機材などは全く使わず、レコーダーからヘッドフォンを通してモニターを行うだけで、それを、DSD2.8で録音した(ということになっています)ものをそのままと、PCM24/96に変換したものの2種類がリリースされています。いちおうDSDネイティブの再生ができる環境にあるので、もちろんDSDバージョンを購入です。
そんな、ほとんどアマチュアの「生録」のようなノリで製作が行われている一連の仙台フィルのハイレゾ音源は、今までに昨年の「第9」と、今年の春の第300回定期演奏会のものを聴いたことがありました。それらは、やはりマイクが2本しか使われていないということで、とてもシンプルというか、素人っぽい仕上がりのものだ、という印象が強くありました。何よりも、録音レベルがかなり低く抑えられているので、なんかしょぼい音になっていたんですよね。実は、同じレコーダーを使って、同じ会場で同じようなマイクアレンジでのオーケストラの録音を実際に何度かやったことがあるのですが、やはり一番の問題は録音レベルの設定でした。生のオーケストラのダイナミックレンジはとてつもなく広いものですから、最も強い音の場面でも飽和させないように設定すると、どうしても低めのレベルにせざるを得ません。それも、PCMで録音する場合なら、非常に精度のよいリミッターを作動させて、飽和した部分だけ低めのレベルで録音していたデータに差し替えるということができるのですが、DSDではそのような機能は使えませんから、より低いレベル設定が必須となるはずです。
しかし、今回の「カルミナ」では、そのレベルが格段に高いものとなっていました。何か、録音に際してのノウハウが見つかったのか、あるいは、商業録音ではよくやられているように、DSDを一旦高解像度のPCM(DXD)に変換してさまざまな編集を行った後に、再度DSDに変換したのでしょうか(あるいは、最初から24/192のPCMで録音していたのかも)。いずれにしても、これでようやく「プロが録音した商品」というグレードのものが聴けるようになったのは、うれしいことです。
コンサートの時には、混声合唱はオーケストラの後ろに並んでいますが、このホールはステージが狭く、これだけの人数だとそれ以上の人数が入る場所がないので、児童合唱は下手の花道に配置されています。ソリストは指揮者の脇で歌います。それをワンポイントのマイクで録っているのですが、児童合唱は何の問題もなく聴こえてくるのに、ソリスト、特にバリトンがやけにオフになっています。ソリストだけでもサブ・マイクを使っていれば、さぶ(さぞ)「プロっぽい」録音になっていたことでしょう。
「カルミナ」の演奏は、どの曲にも何かしら新しい発見があるというとても新鮮な息吹が感じられるものでした。特に、既存の合唱団だけではなく、このコンサートのためにオーディション(歌曲をピアノ伴奏つきで1曲歌わされるのだそうです)を勝ち抜いた人までが加わった高スキルのメンバーによる合唱は、単なるテクニックを超越したところでの勝負が見られて、感動的でした。後半になって配置換えを行ったのでしょう、それまでは上手に集まっていた男声パートが、ステージの端から端まで広がって押し寄せてくるさまは、圧巻でしたね。

DSD Artwork © Label Gate Co.,Ltd
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by jurassic_oyaji | 2016-12-24 20:28 | 合唱 | Comments(0)