おやぢの部屋2
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2017年 02月 16日 ( 1 )
BEETHOVEN/Symphony No.6 "Pastorale"
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Bruno Walter/
Columbia Symphony Orchestra
ANALOGUE PRODUCTIONS/CAPC 077 SA(hybrid SACD)



このリマスタリング専門のレーベルは、幅広いジャンルの音源を扱っていますが、クラシックではかつてはLP時代のRCAの音源に特定してリマスタリングを施したLPやSACDをリリースしていたようです。しかし、最新のサイトを見てみたらこんなCBS(アメリカ・コロムビア)の音源がやはりLPとCDで出ていたではありませんか。契約が変わったのかな、と思ったのですが、そもそもこの一連のライセンスは今ではRCAまでその傘下に入れてしまったSONY MUSICから受けていたわけですから、そこにCBSが入っていても全然おかしくはないのでした。すでにジャズではデイヴ・ブルーベックの「Time Out」などもありましたからね。というわけで、名盤の誉れ高いブルーノ・ワルターの1958年録音の「田園」が、とても信頼のおけるSACDとして入手できることになりました。
例によって、ここではオリジナルLPのジャケットがそのまま使われています。「MS 6012」という品番まで同じものが印刷されていますから、まさにこれは「現物」そのもの、現行のCDのジャケット(右)のように、CBSのマークを消して「SONY CLASSICAL」のマークを入れたりはしていません。
品番からわかるように、これはCBSが発売した12番目ステレオのアルバムでした。そのCBSのシンボルである「目玉マーク」も、見慣れたもの(たとえば、日本の「CBSソニー」のマーク)とは微妙に違いますね。それと、「ステレオ」というロゴが大きくフィーチャーされていますが、ここにも後の「360 SOUND」という文字は入っていませんね。これは、やはりSACD本体に忠実に復刻(多少、現在のクレジットも入っていますが)されたレーベル(LPの真ん中の紙の部分)のデザインでも同じことです。ここではステレオの最も初期のデザインである「目玉マーク」が6つあるタイプになっています。「目玉マーク」が後の形になって2つに減り、「360 SOUND」という表記が入るのは、もう少し後のことなのです(たとえば、右の1964年リリースのバーンスタインの「復活」)。
色んな資料を参照してみると、この録音が行われたのは1958年1月13、15、17日の3日間でした。よく言われているように、高齢のワルターを気遣って、セッションを2日続けては行わないという鉄則が守られていたようですね。この一連のワルターのステレオ録音を企画し、録音会場探しからオーケストラのメンバー集めまですべてを仕切ったのが、2014年に84歳で亡くなったジョン・マクルーアだというのはよく知られていますが、録音エンジニアに関しては詳しい資料が残っていないようです。どうやら、CBSのエンジニアではなく、マクルーアが個人的に集めた人たちだったようですね。
演奏に関しては、いまさら何も言う必要もありません。これだけオーケストラを自在に歌わせてスケールの大きな音楽を伝えてくれるものには、なかなかお目にかかれません。
手元にはこの録音のCDはなかったので、同じ頃、1959年に録音されたブラームスの「交響曲第1番」の、マクルーア自身の「リミックス」によるCDを参考のために聴いてみました。それはもう、生々しさから言ったらそのCDとは比較にならないほどで、たった今録音されたばかりのマスターテープを聴いているような気になってしまいます。ただ、そうなると、この録音に使われた「コロムビア交響楽団」の弦楽器の少なさが、もろに分かってしまいます。マクルーアのリミックスでは、もしかしたらそんな「粗」を目立たせないために、あら、わざとぼやけた音にしたのかな?と思えるほどで、弦楽器の少なさはあまり気にならないのですが、今回はそんな「小技」は使わずに、あくまで忠実なリマスタリングを行ったためでしょう。皮肉なものです。
それと、よく言われているこのオーケストラのアンサンブルの悪さも、こんな音で聴くとしっかり分かってしまいます。1楽章で見せてくれた弦と管との絶妙な呼吸が、第3楽章あたりでも実現していればな、と思ってしまいます。

SACD Artwork © Analogue Productions

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by jurassic_oyaji | 2017-02-16 20:17 | Comments(0)