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2017年 06月 10日 ( 1 )
BEETHOVEN, MOZART, SCHUBERT
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David Grimal/
Les Dissonances
DISSONANCES/LD 007



2004年に結成された新進気鋭のアンサンブル「レ・ディソナンス」、今回は、その自らのレーベルからの5枚組というヴォリュームたっぷりのアルバムです。ベートーヴェンの「1番」、「6番」、「9番」を除いた6曲の交響曲とヴァイオリン協奏曲、モーツァルトのオーボエ協奏曲と「グラン・パルティータ」、それとシューベルトの「7番」です。何曲かは、このレーベルが出来る前に、すでにAPARTE()から出ていたものですが、それらをまとめて新録音も加えてのオールタイムベスト、という感じですね。さらに、このハードカバー仕様のブックレットに印刷されているパスワードを使えば、彼らのサイトからブラームスの4つの交響曲の全曲映像を見ることが出来ます。この映像からは、指揮者なしで演奏を行うこの団体の緊密なアンサンブルの取り方をしっかり確認することが出来ます。木管楽器の前には弦楽器はいないので、直接コンサートマスターのグリマルとのコンタクトが取れています。使っている楽器もよく分かります。フルートはおおむね木管、ホルンはウィンナ・ホルンのようですね。ただし、この映像は、画質は問題ありませんが音声はオーディオ的には何の価値もありません。最近になって、ごく稀にハイレゾで配信されるようにもなってきましたが、一般的にはまず圧縮音源がネット配信のスタンダードですからね。しかも、この音源はモノラルですから、全く鑑賞の対象にはなりえないものらる(ものなの)です。
彼らは、フランス東部のスイスにも近い都市ディジョンにあるディジョン・オペラとはレジデントという関係で共同作業を行っています。とは言っても、ピットに入って演奏するわけではなく、そのカンパニーが主催しているオーケストラコンサートを、その本拠地であるディジョン・オーディトリアムで継続的に行っている、ということなんですけどね。そこで行われたこれまでの演奏のライブ録音が、このCDには収録されていま。もちろん、ライブ映像も、ここで撮影されました。
まずは、2010年から2013年にかけて収録されたベートーヴェンです。基本的にノン・ビブラートでピリオド的なフレージングというきびきびしたスタイルがとられていますから、テンポもかなり速めな設定です。それが、指揮者がいないとは思えないほど自由自在にテンポが変わるのがとてもエキサイティング。というより、指揮者に強制された無茶なテンポではなく、あくまでプレーヤーの自発的なテンポなので、説得力があります。もちろん楽譜は原典版が使われていますが、「5番」の第3楽章ではベーレンライター版にはない繰り返しが採用されていたりします。
問題はシューベルトの「7番」(CDの表記は「8番」)。いくらピリオドでも、これは早すぎるだろうというテンポ設定は、ちょっとついていけません。特に第2楽章は、まるでワルツのようですからね。さらにちょっとしたユーモアのつもりなのでしょうが、そのあとに「第3楽章」を、オーケストレーションが完成している20小節まで演奏して、そこでプッツリやめる、ということをやっています。お客さんには受けているようですが、笑えません。それと、この曲だけ明らかに他のものとは音響が違って聴こえます。確かにデータには「フィルハーモニー・ド・パリ」とありますし、そこで演奏している写真もあるのですが、録音されたのが「2013年」というのは、このホールが出来たのが2015年ですからありえません。
最近録音されたモーツァルトは、管楽器がメイン。「オーボエ協奏曲」ではメンバーのアレクサンドル・ガテがソロですが、とても穏やかな演奏で、第3楽章のテンポなどはなんとも和みます。弦楽器はコントラバスだけで、あとは管楽器セクションだけで演奏される「グラン・パルティータ」でも、それぞれの奏者は気持ちよさそうに歌っています。最初の楽章の序奏で、しっかり複付点で演奏してくれているのもうれしいですね。

CD Artwork © Dissonances Records

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by jurassic_oyaji | 2017-06-10 20:26 | Comments(0)