おやぢの部屋2
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2017年 07月 08日 ( 1 )
WAGNER/Der Ring des Nibelungen
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Many Soloists
Herbert von Karajan/
Chor der Deutschen Oper Berlin(by Walter Hagen-Groll)
Berliner Philharmoniker
DG/479 7354(BD-A)


最近、例えばビートルズが来日してから半世紀とか、先日のベームのバイロイトでの録音から半世紀とか、なにかと「半世紀」ネタが世の中にはあふれているような気がします。そこに来て、今年2017年は、「ザルツブルク・イースター音楽祭」が始まってからやはり「半世紀」なのだそうです。夏に開催される「ザルツブルク音楽祭」は戦前からあったものですが、「イースター」の方は文字通り復活祭の時期に、カラヤンが自らの理念を実現させるために1967年3月19日にスタートさせた音楽祭です。オープニングを飾ったのはワーグナーの「ワルキューレ」、それは3回上演され、その間にはバッハの「ブランデンブルク協奏曲(1、2、3番)」と「組曲第2番」、ブルックナーの「交響曲第8番」、ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」の3種類のコンサートが2回ずつ開かれました。もちろん指揮は全てカラヤン、それだけではなく、なんと「ワルキューレ」では演出まで自ら手掛けていたのですから、もうこれはカラヤン一色のイベントでした。お赤飯はありません(それは「おべんとう」@朝ドラ)。
さらに、この「ワルキューレ」はその前の年に同じキャストによってベルリンで録音されていたのです。つまり、ニューアルバムをレコーディングして、それをプレイリストにしたツアーを行うという、まるでポップス界のアーティストのようなことを、カラヤンはやっていたのですね。そんなことを4年間繰り返して、あっさり史上2回目となる「指環」全曲のスタジオ・レコーディングを完成させてしまいました。
1989年にカラヤンが亡くなったのちも、この音楽祭はベルリン・フィルとその時の指揮者によって継続されました。しかし、2013年からは、ティーレマン指揮のドレスデン・シュターツカペレという新しいホストによる体制に変わっています。今年の音楽祭では、「半世紀」の記念としてこのメンバーによってカラヤンが使った舞台装置や衣装を復元した「ワルキューレ」が上演されました。いまだにカラヤンの亡霊は消えることはありません。
そして、その「半世紀」の記念グッズとして登場したのが、このBD-Aによる「指環」の全曲盤です。ワーグナーの「指環」が、1枚のBD-Aに収まったものとしては、その最初のスタジオ・レコーディングであるショルティとウィーン・フィルのものがありました。ただ、それはトランスファーが行われたのが1997年で、その頃のフォーマット、つまり24bit/44.1kHzによるものでしたから容量25GBのBD1枚に楽々収まっていました。しかし、カラヤンの場合、全曲の演奏時間は「899分5秒」なのでほぼ15時間、それを24bit/96kHzのPCMで録音するとメモリーは30GB以上必要になってBD1枚では足りませんね。ただ、どうやら最近のBD-Aでは「DOLBY TRUE HD」でロスレス圧縮されているので、サイズはかなり小さくなって、これだけのものでも1枚に収まるようになっているのでしょう。
ただ、手元には1998年頃にリマスターが行われた「オリジナルス」のCDがありますが、それと比較すると明らかに元のマスターテープのコンディションが違っています。音に影響が出るほどの磁性体の劣化はほとんど感じられないのですが、明らかにテープを編集した時につないだ跡がはっきり聴こえる個所が、今回のBD-Aでは無数に見つかりました。おそらく、その部分はスプライシング・テープが剥がれてしまっていたのでしょう。
音そのものは、劣化こそないものの、CDと比較すると前回の「トリスタン」ほどの目覚ましい違いはありません。そこで、「神々の黄昏」の「ジークフリートのラインの旅」のトラックだけ24/96のFLACデータを購入して比較してみたのですが、BD-Aの音とは明らかに違っていました。それがDOLBYのためなのかどうかは、分かりません。
「神々」の冒頭の木管のアコードで、フルートの音がとても主張を持って聴こえてきました。これが録音されたのは1969年。もうゴールウェイはベルリン・フィルのメンバーになっていました。

BD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH

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by jurassic_oyaji | 2017-07-08 21:03 | オペラ | Comments(0)