おやぢの部屋2
jurassic.exblog.jp
ブログトップ
2017年 11月 04日 ( 1 )
BRITTEN/War Requiem
c0039487_20303264.jpg

Sabina Cvilak(Sop), Ian Bostridge(Ten), Simon Keenlyside(Bar)
Gianandrea Noseda/
London Symphony Chorus(by Joseph Cullen)
Choir of Eltham College(by Alastair Tighe)
London Symphony Orchestra
LSO LIVE/LSO0719(hybrid SACD)


大分前にリリースされていた、2011年録音のブリテンの「レクイエム」ですが、資料的に面白いものがブックレットに載っていたので、紹介してみることにしました。
それは、こんな、この録音に参加した合唱団のメンバーの一人が持っていた、この曲のヴォーカル・スコアです。たくさんの人数の合唱が必要ですから出版社はうれしいでしょうね(それは「儲かるスコア」)。ここには多くの人のサインが書き込まれていて、この楽譜の持ち主が今までにいかに多くのこの曲の演奏に携わってきたことがよく分かりますが、それはさておいてまず気が付いたのが、このスコアのためのリダクションを行ったのが、イモジェン・ホルストだということです(そこ?)。
ご存知でしょうが、彼女は「惑星」で有名なグスターヴ・ホルストの娘さんです。父親の影響でしょう、音楽学者、指揮者、作曲家として生涯独身で過ごした方で、もちろん父親の作品の編曲や管理なども行っていました。そのイモジェンさんは、ブリテンの親友でもあったのですね。ただ、ブリテンには別の「恋人」がいましたから、それ以上の関係に進むことはなかったのでしょうね(でも、彼女のお墓はブリテンのお墓の脇にあります)。彼女がブリテンの合唱曲にオーケストラの伴奏を付けたのは知っていましたが、こんな形で「戦争レクイエム」にも関わっていたのですね。
サインの話に戻りますが、なにしろ皆さん達筆ですから、写真では誰のものかは分かりません。でも、ちゃんと注釈が付いているので、誰が書いていたかは分かります。その中には、もちろんこの録音の時のソリストの名前もありますが、中にはピーター・ピアーズとかガリーナ・ヴィシネフスカヤなどといった、1963年の初録音の時のメンバーなどもいるので、このスコアの持ち主はそんなころから合唱をやっていたのでしょうね。持ち主の名前も分かるのでメンバー表を見てみたら、確かにベースのパートにいましたね。おそらく、彼はピアーズと共演したころは少年合唱として参加していたのでしょう。
彼が所属しているのはロンドン・シンフォニー・コーラスですから、オーケストラはほとんどロンドン交響楽団だったのでしょう。確かに、ヴィシネフスカが歌ったDECCA盤はロンドン交響楽団でしたからね(指揮はブリテン自身)。ただ、その前に行われた初演では、オーケストラはバーミンガム市交響楽団でした。ですから、その時のソリストだったヘザー・ハーパーのサインもあったので、そちらにも出ていたのかな、と思ったら、その後にロンドン交響楽団がリチャード・ヒコックスの指揮でCHANDOSに録音した時に、彼女は歌っていたので、サインはその時のものだったのでしょう。
ということで、このSACDはこのオーケストラが「戦争レクイエム」を録音した3枚目のアルバムということになります。もちろん、指揮者は全て別の人です。
この曲は、全曲演奏すると80分以上かかります。ですから、普通はCD2枚が必要になっています。先ほどの初録音のDECCA盤も、LPはもちろん2枚組でしたし、1985年にCD化された時も2枚組でした。その頃は、まだ1枚に74分しか入りませんでしたからね。しかし、2013年BD-Aによるハイレゾ音源がリリースされた時は、同梱されていたリマスタリングCDでは全曲が81分22秒が1枚に収まっていましたね。
今回のSACDでは、演奏時間は83分48秒ですから、シングル・レイヤーのSACDでしたら楽々収まるのですが、ハイブリッド盤でCDの規格に合わせると、ギリギリのところで1枚には入りません。仕方がありませんね。
ソリストは、テノールのボストリッジは今までに何度もこの曲を録音していますが、ソプラノのツビラクとバリトンのキーンリーサイドはこれが初めてなのではないでしょうか。二人ともなかなかの好演、特にキーンリーサイドは、とても懐の深い歌い方が印象的で、正直あまり面白味のないアンサンブルのパートを、意外なほど魅力的に感じさせてくれました。それと、少年合唱のレベルの高さにも、驚かされます。

SACD Artwork © London Symphony Orchestra

[PR]
by jurassic_oyaji | 2017-11-04 20:33 | 合唱 | Comments(0)