おやぢの部屋2
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2017年 12月 02日 ( 1 )
MOZART/Flute Concertos
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Karl-Heinz Schütz(Fl)
Orchestra da Camera di Perugia
CAMERATA/CMCD-28353


大好きなフルーティスト、ウィーン・フィルの首席奏者のカール=ハインツ・シュッツがモーツァルトの協奏曲を録音してくれました。すぐにでも購入したかったのですが、あいにくバカ高い国内盤だったのでポイントがたまるまで待っていたら、こんなに遅くなってしまいました。ノーマルCDが税込3000円以上なんて、絶対に異常です。
ここでシュッツと共演しているのは、2013年に創設されたという新しい団体「オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャ」です。ちょっと前なら「ペルージャ室内管弦楽団」と呼ばれてしまいそうな名前ですが、最近はこのようにそのまま「カタカナ」に直すのがトレンドなのでしょう。このレーベルには、このオーケストラのコンサートマスターであるパオロ・フランチェスキーニを中心にした「イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ」という団体の録音もありますが、この二つはどういう関係なのでしょう。
いずれにしても、このペルージャのオーケストラも2015年にやはりこのレーベルが関係している「草津国際音楽アカデミー」に招かれて、シュッツと共演したのだそうです。その時に、今年の5月にペルージャでも一緒にコンサートを開く話が決まったのに便乗して、同じメンバーでのこの録音が実現する事になりました。
このジャケットの写真が、5月28日にペルージャのサン・ピエトロ教会で開催されたコンサートの時のものです。ここでは、モーツァルトのアンダンテとト長調の協奏曲を協演、オーケストラだけでは交響曲第29番が演奏されました。この写真を見ていたら、何人か日本人っぽいメンバーの顔があったので確認してみたら、ファースト・ヴァイオリンの方は大西あずささん、ヴィオラの方は上山(うえやま)瑞穂さんというお名前だと分かりました。今では、こんな風に世界中のアンサンブルに日本人が参加するのが普通のことになっているのですね。
録音は、このコンサートの前後、5月26日から29日まで行われました。指揮者は置かず、シュッツの「吹き振り」です。そのために、シュッツは真ん中に立ってその前に弦楽器、後ろに管楽器と、オーケストラに囲まれての録音になりました。これが「2L」あたりだとそのままサラウンドで録音するのでしょうが、このレーベルはそういうことには興味を示すようなところではありませんから、普通に2チャンネルで録音されているようです。
もちろん、こういう位置関係なら、オーケストラのすべてのパートとのコンタクトが容易にとれますから、ここではまさにソリストとオーケストラが一体化した緊密なアンサンブルが実現できていました。シュッツのちょっとした表現を、まわりのメンバーが瞬時に感じ取って対応しているという姿は、とてもスリリングです。録音も、例えばセカンド・ヴァイオリンのような、ちょっと目立たないパートの音もきっちりと浮き上がって聴こえてきますから、みんなで音楽を作っているという感じがとてもよく伝わってきます。
楽譜はもちろん原典版を使っているのでしょうが、ベーレンライター版での最大の疑問点であったニ長調の協奏曲の第1楽章の37小節と38小節の間のソロ・フルートのタイは外して演奏しています。
このタイは最新のヘンレ版(アドリアン校訂)では注釈つきで外してありますから、今ではこの方が標準になっているのでしょう。さらに、シュッツは様々なアイディアも盛り込んで演奏しているようです。たとえば、同じ協奏曲の第3楽章の271小節から274小節の間では、弦楽器がピツィカートで演奏しています。
これはかなりショッキング。ト長調の協奏曲では、第2楽章で大胆な装飾を入れたりしていますし。
シュッツのフルートは、期待通りの素晴らしさでした。どんな小さな音も完全に磨き抜かれています。なんと言っても、力みの全く感じられない、流れるようなモーツァルトは、とても魅力的。エレガントの極みです。

CD Artwork © Camerata Tokyo, Inc.

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by jurassic_oyaji | 2017-12-02 20:36 | フルート | Comments(0)