おやぢの部屋2
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Tohoku University Memorial Hall
 かつて、この街に於けるクラシックのコンサートと言えば、どちらも市電沿線にあった「仙台市公会堂」と、「川内記念講堂」で行われたものでした。公会堂の方は、なんせカラヤン指揮のベルリン・フィルが演奏した場所として、昔からのクラシックファンには語り継がれている、由緒正しい会場です。そのすぐ前が市電の「公会堂前」、そして、一つ南の停留所が「大町西公園前」、そこから広瀬川にかかる大橋を渡って、さらに仙台城址へ向かうと、かつての二の丸のあとの広大な敷地の中に、「記念講堂」が建っていました。私が生まれて初めて行ったクラシックコンサートが、この会場で行われたものであったのは、今にして思えばなんと幸運なことだったのでしょう。それは、「ウィーン・アカデミー合唱団」という団体のコンサート、ヘルムート・フロシャワーという、「ウィーン少年合唱団」などの指揮もしていた人が指揮をしていたはずです。その時にどんな曲が演奏されたのかはすっかり忘れてしまいましたが、2階席のほとんど最後列で聴いていたにもかかわらず、ものすごく大きな音がはっきりと聞こえてきたのにビックリしたという記憶は鮮明に残っています。収容人員は1500を超えるでしょうか、しかし、横に幅広く作られていたために、最後列でも音が痩せないという、音響的にも非常に優れたものでした。
 コンサートが終わってからその余韻をかみしめて市電の停留所まで歩くという至福の時を用意してくれたこの会場には、何回通ったことでしょう。しかし、しばらくして街の中心部に「宮城県民会館」が作られると、大きなコンサートはここで開かれるようになり、記念講堂では一般のコンサートは行われないようになってしまいました。この施設は、東北大学のもの、ですから、学内の音楽サークルなどは、その後もここで演奏を続けることになります。
 しかし、この建物は建築されてから50年の時を経て、さすがに老朽化が進んできたため、最近ではその学内向けにも使われることはなくなり、なんでも「博物館」として保存される、というような話が聞こえてくるようになってきました。一つの時代が終わりを告げることになったのですね。
 と、きのうの地元紙に、驚くようなニュースが載りました。この度100周年を迎える東北大学が、その記念事業として、この「記念講堂」を、外観はそのまま保存し、新たに「コンサートホール」として整備する、というものなのです。その記事によれば、「コンサートホールは1200-1500席の規模で、最新の音響装置を導入する。設備も質の高さにこだわり、仙台フィルハーモニー管弦楽団の活動拠点とする案も浮上している」(23日付河北新報)ということ、これはまさに、新しい音楽ホールがもう一つ誕生する、というニュースではありませんか。
 しばらく前、この街では自治体の手によって「音楽堂」が作られのではないか、という噂がありました。しかし、それは結局「白紙撤回」となり、その計画は今後も実現される見込みは全くありません。政令指定都市でありながらまともなコンサートホール一つないという、文化的にはとても貧しい街に住む私たちは、この恥ずかしい状態が未来永劫続くのではないかという、暗澹たる気分に陥っていたところでした。そこへ降ってわいたような、地元の国立大学のこの計画、行政がなし得なかった快挙に、諸手をあげて喜ぶべきなのでしょうか。
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 しかし、紹介された「完成予想図」では、「まともな」コンサートホールに不可欠なオルガンの姿が見当たりません。もし、大学がきちんとオルガンまで設置されたホールを造ろうという気があるのなら、私もこの大学の卒業生です、16フィートパイプの1本分ぐらいはまかなえるだけの寄付を、喜んで振り込んでやろうではありませんか。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-24 21:27 | 禁断 | Comments(4)
Sharon Bezaly

 おとといオペラを聴いたばかりだというのに(ヒレカツ先生も出来上がりました)、今日は仙台フィルの定期に行ってきました。「美人」フルーティスト、シャロン・ベザリーがロドリーゴの「パストラル協奏曲」を吹くというので、それがお目当てです。この超難曲、CDではさんざん聴いていましたが、生で聴くのは初めて、楽しみです。あ、ベザリーも「生」は初めて、これももちろん「楽しみ」。
 プログラムは、最初に「スペイン奇想曲」、こういう大音量の曲を聴くと、つくづくこのホール(もちろん、青年文化センターのコンサートホール)でしか定期演奏会が出来ない仙台フィルが気の毒になってしまいます。真の「輝かしさ」が、どうしても出てこないのですね。それよりも、ステージの前の方になると音が痩せてしまうのでしょうか、コンマスのソロがとっても空っぽの音に聞こえてしまいました。木管のソロはきちんと聞こえていたのに。ですから、コンチェルトのソリストも、ちょっとかわいそうなことになってしまうのでは、という予感はありました。
 編成を小さく並べ替えて、「パストラル」が始まります。管楽器はこんなに少なかったんですね。オーボエ、クラリネット、トランペット、ホルンがそれぞれ一人ずつ、弦もかなり少なくなっています。ボレロのようなものを着て登場したベザリーは、意外なことにかなり長身でした。譜面を見ながらの演奏ですが、思い切り譜面台を低くしているので、めくる時にかがむのが大変そう、というより、めくりそこねたらどうしようと、こちらが心配になってくるほどでした。最初の細かい音符の連続で、やはりいやな予感が当たりました。音がほとんど聞こえてこないのです。一つ一つの音符ではなく、かたまりとしか聞こえないので、時たま高い音が目立って聞こえてくるだけで、どんな音楽なのか皆目伝わってこないのです。何だかオケとずいぶんずれているようですが、それもゴチャゴチャになって確認すら出来ない状態、初めて聴いた人はなんてつまらない曲だと思ったことでしょうね。
 続く、それこそ「牧歌的」なテーマがオケで出てくると、ベザリーはそれに合わせてとても楽しそうに体を動かし始めました。それはほとんど「ダンス」と言っても良いくらい、演奏していない時にも表現に加わろうという気持ちがとてもほほえましく感じられます。どんな難しいパッセージでも軽々と吹いてしまう上に、こんな余裕を見せるのですから、ほんと、フルートを吹くのが楽しくてしょうがないのでしょうね。
 2楽章では、メランコリックな長~いソロが出てくるのですが、これを彼女は全くノンブレスで吹いているように見えました。もちろんブレスはしているのですが、息を吸っている間に口の中にためた息を吐き出すという「循環呼吸」を非常にうまく使っているので、全く息を吸っていないように見えるのです。これは、さっきから、早いところで全然ブレスをしていなかったので「やっているな」とは思っていたのですが、こういうゆっくりとしたところでこれをやるのはとてつもなく難しいものです。このテクニックに関しては、彼女は完璧にその芸を極めた、と言えるのでしょう。ただ、聴いていると「息をしてくれよ!」と、逆にストレスになってしまいますが。
 バックのオケが、特に金管でかなり「事故」が起こっていたのが、このベザリーの軽やかなソロの足を引っ張っていて、ちょっと気になってしまいました。
 アンコールは「シランクス」、こういうシンプルな曲では、彼女の欠点がもろにさらけ出されてしまいます。なんと鈍くさいドビュッシーだったことでしょう。最後の音の伸ばしに付けられたディミヌエンドを、相変わらずミスプリントの「アクセント」のまま吹いているというセンスの悪さも。初体験の「パストラル」、出来ればもっとよいホールで、もっと音楽的な演奏で聴いてみたかったと、しみじみ思っているところです。
 ところで、「レコード芸術」の今月号の広告(キングインターナショナル)に、ベザリーの公演予定が載っているのですが、この仙台での演奏会の日程が見事に間違っています。それを信じて新幹線で仙台まで聴きに来ても、もうコンサートは終わっていますよ(本番は今日と明日)。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-23 22:54 | 禁断 | Comments(0)
Die Zauberflöte
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 モーツァルトの「魔笛」を見てきました。プラハ室内歌劇場という、私にとっては初めての団体、モーツァルトに関してはかなりの実績があるということでしたから、楽しみにしていました。会場はいつもの県民会館、3階席の2列目の左寄りなので、オケピットは左半分、つまり木管とファーストヴァイオリンが居るあたりが全く見えません。その代わり、右側の金管とティンパニはよく見えます。と、そのティンパニのうしろに、何か見慣れない楽器があるではありませんか。「もしや」とおもって、1階まで降りていって、ピットをのぞき込みます。それは予想したとおり、紛れもない「キーボードグロッケンシュピール」ではありませんか。この楽器があるというだけで、今夜の「魔笛」は私にとって特別の意味を持つことになりました。ご存じのように、こちらで私は、この楽器のこと、このオペラでの使われ方などについて詳しく調べたことがありますから、この楽器についてはいっぱしの知識があると思っています。しかし、今までCDやDVDでは聴いたことのあるこの楽器ですが、生で聴いたことはまだなかったのですよ。従って、今夜は私が今まで長いこと思いを寄せてきた楽器との、肌を通しての初対面、私にとってはまさに「初体験」となる大事な夜なのですね。
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 プログラムを見ると、今回の来日公演の演目はこの「魔笛」と「フィガロ」。ですから、「フィガロ」のレシタティーヴォでチェンバロを弾く人が、ここではグロッケンを弾くことになります。出番は少ししかありませんから、その女性は始まった時にはまだピットに入っていなくて、出番近くの1幕フィナーレになってやっと楽器の前に座りました。そこで出てくるムーア人たちの踊りの場面で初めて聴いたグロッケン、まるでおもちゃのピアノのようにとんちんかんな響きが出ていました。これこそがモーツァルトがねらった音、普通使われるチェレスタでは絶対に出ない味です。満員のお客さんの中に、この楽器を聴いたことのある人などまず居るはずがありませんから、一体どのように感じたことでしょうね。
 そして、最大の見せ場が第2幕のパパゲーノのアリアです。しかし、ここではかなりの名人芸が必要なアルペジオで、完全に指がもつれてしまっていました。やはりタッチがチェンバロとはかなり違うのでしょうね。本当なら専門の「グロッケニスト」が必要なところなのでしょうが、そうもいかなかったのでしょう。でも、逆にモタモタ演奏したことから、思いもかけない「粗野」な印象が出ていましたから、そんな失態ではなかったようには思うのですが。
 もう一つのお目当ては、ご当地ソプラノ菅英三子さんの夜の女王です。仙台だけに出演するのだと思っていたら、全国くまなく出ることになっていたのですね。そのせいか、第一幕のアリアは「これが菅さん?!」と思ったほどの最悪の出来でした。しかし、第二幕の方の有名なアリアは、まさに完璧、力強く、コロラトゥーラも全く危なげのない、最高の演奏を聴かせてくれました。ところが、ここではお客が最悪。なんと、途中の間奏の部分で盛大な拍手をしたバカがいたのですよ。シンフォニーの楽章の間に拍手するのよりも、これは恥ずかしくてみっともないことです。
 今夜の演出は、なかなか突っ込みどころの多いものでした。その辺も含めて、近々ヒレカツ先生が何かを書いてくれるはずですよ。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-21 23:52 | 禁断 | Comments(0)
The Cruel War
 夕べのクロアチア戦、私は当然NHKのハイビジョンで見てました。地上波の民放でも放送していたようですが、私はあの中継のアナウンサーの絶叫がとことん苦手、というか、憎しみすらも抱きたくなるような不快な物だと常々思っていますから、少しでもおとなしい(もちろん、本質は変わりませんが)公共放送を選びました。しかし、あのクロアチアのユニフォーム、「お茶の井ヶ田」のパッケージに似てません? といわれて頷ける人は殆どいないでしょうが、あそこのあまり高くないお茶の袋とそっくりのデザインなのですね。お茶の袋がたくさん走り回っているという、何だか「アリス」みたいなシュールな光景を、私のような「サッカー音痴」はとことん楽しむ事になるのです。
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 そんな「サッカー音痴」というか、ほとんど「スポーツ音痴」の山下達郎が毎週やっているFMの番組は欠かさず聞いているのですが、ここ2週間はこのところのイベントに合わせて、サッカーとかスポーツに関連した曲を流すという特集を組んでいました。もちろん、この番組は全て達郎の趣味で作られている物なのですから、スポーツに関心のない彼が進んでそんな企画を立てるはずはありません。放送局の上層部が、局全体でこの国民的行事を盛り上げるために、各番組の担当者に「ご無体な(達郎)」制作方針を強要したという事なのです。そこで、達郎が作った番組のプランが、サッカーに限らずスポーツに関係のある曲で構成するという物でした。先週は洋楽編、これは、普段かからないようなラテン系の曲がたくさんかかっていましたね。そして、今週(つまりきのう)は邦楽編というわけです。
 いつも、リアルタイムでは聴けませんから、職場のMDでの留守録を月曜に仕事をしながら聴くというのが、毎週の恒例行事、今日も早速プレイバックを聴き始めました。そこで最初に流れたのが、灰田勝彦の「野球小僧」ですから、いきなりのフェイントです。まさか、こんな曲で始めるとは。達郎は、「スポーツネタ」というノルマを逆手にとって、何だか面白い番組を作ったな、という感触がここでまずありました。そのあとバスケット、テニスと続いて、最後の曲が「相撲」という事になりました。確かに相撲も立派なスポーツです。「相撲といえば、この曲しかありません」と言った時、私には予感がありました。「なぎらけんいち(健壱)の」で、その予感は的中、あの名曲「悲惨な戦い」をフルバージョン、カットなしでかけてくれたのです。この曲をきちんと聴いたなんて、それこそ何十年ぶり、しかも、デジタルリミックスで「いい音」になっていますから、昔、それこそアナログのシングル盤で聴いたのよりもっと生々しい音でしたから、鳥肌が立つほどのものがありましたよ。
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 しかし、日本全国がワールドカップで異常なほどの盛り上がり、それを更に盛り上げようというラジオ局の思惑を見事に逆手にとって、こんな、かつては「放送禁止」だった、それこそ力が抜けてしまうような曲を放送してくれた達郎の見事な手腕には、感服です。そういえば、「シビレ節」のオリジナルバージョン、そして、あの「金太の大冒険」を初めて聴いたのも、この番組ででしたっけ。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-19 21:09 | 禁断 | Comments(0)
ALWAYS 三丁目の夕日disc2
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 おととい届いた「三丁目」のDVD、「禁断」を書いた時にはまだメイキングの一部しか見ていなかったのですが、それから全部きちんと見て、すっかりハマってしまいましたよ。あの時にはまだ見ていなかった「オープニングの秘密」みたいなタイトルが、すごいものでした。前にこの映画を見た時にも書いたのですが、このワンカットで延々と続くオープニングがものすごいインパクトを持っていたものですから、この部分を見ただけでもう完全に「三丁目」ワールドの引き込まれてしまいましたよ。ですから、当然これは最初からねらって作った物だと思っていたのに、意外にも監督の山崎さんは、当初はこんな風にすることは全く考えていなかったそうなのですね。ここをワンカットにする事を提案したのは阿部さんというプロデューサーの人、現場のスタッフは絶対不可能なことですし、出来たとしても、手間をかけたほどの効果もないということで断固反対するのですが、阿部さんはとことんワンカットにこだわったということだったのですね。この阿部さんというのは1949年生まれ、まさに、この映画の時代をリアルタイムに生きた人ですから、どうしても最初のツカミにこのシーンが欲しかったのでしょうね。決定的だったのが「出来ないのなら仕方ない」みたいな彼の言葉だったのも、面白いですね。監督の山崎さんは本来VFXの人ですから、技術者としてのプライドに火がついて、「やってやろうじゃん」ということになったのだそうです。もちろん、この阿部さんのこだわりが確実な効果を発揮していたのは、ご存じの通りです。
 本編の方には、DVDならではの音声メニューのバラエティがなかなかのものでした。見たいと思っている殆どの作品はBSで見ることが出来ますから、今回のようにDVDを買うことなどまずないので、最近のこういう周辺の「おまけ」については全く知らない世界だったのですが、けっこうすごいことになっているみたい、英語の字幕が出せたりもするのですね。そして、一番面白かったのが、「映画館泣き笑いバージョン」という音声トラックです。これは、実際に映画館で見ているかのように、まわりの人の笑い声や、すすり泣きの声がダビングされたものなのです。と言うと、まるで「フレンズ」のような、アメリカの「シット・コム」みたいに、いかにもパターン化された馬鹿笑いを連想するかも知れませんが、これが本当に共感できる「SE」だったものですから、一緒になってつい笑ったり、そして泣いたり。エンドロールが終わったら、今度は拍手と歓声まで入っていましたよ。ほんと、かつての映画館では、確かにこんな拍手が巻き起こる状況が成立していたそうですからね。私は知りませんが、例えば月光仮面がオートバイに乗って現れると、見ていた人が一斉に拍手をしたとか、スクリーンの中の虚像ですらリアリティを持って接していた時代というのが、確かにあったそうなのです。ですから、これはもしかしたら、そんな「昭和30年代」をさりげなく再現したものなのかも知れませんね。
 この中には時間的な制約でカットせざるを得なかったシーンも入っています。「泣く泣く」カットしたものだそうですが、その中でこれは絶対入れておいて欲しかったものがありました。それは、竜之介が、淳之介に鈴木オートにテレビを見に行きたいと言われた時に「ボクはあんなものは見ないんだ」と気取る場面です。そのあと彼は誰よりも熱心に「力道山」を観戦して、揚げ句に調子の悪くなったテレビを直そうとして逆に壊してしまうことになるのですから、これを入れておけばその落差が強調されて、より面白くなったと思うのですが。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-17 22:02 | 禁断 | Comments(0)
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 ご存じのように、ネット書店Amazonに注文する時には、合計金額が1500円を超えると送料がかかりません。最近とみにちゃんとした本屋さんへ行くのが億劫になっているので、「のだめ」と「鎌倉ものがたり」の最新刊を注文してみようと思いました。「鎌倉~」は、仙台の本屋さんでは新刊が出てもまず見かけることはないので、こちらの方が確実、もっとも、いまは「三丁目~」がブームで西岸さんも注目されていますから、事情は変わっているかも知れませんがね。しかし、この2冊の値段は、合計しても990円、これでは送料免除になりません。唐沢なをきあたりで新しいものはないかと検索してみましたが、何もありません。と、Amazonのページをあちこち見ていたら、この前見たそれこそ西岸良平原作の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のDVDがもうすぐ出るということではありませんか。しかも2割引、迷わずこれを「隙間ふさぎ」として、一緒に注文しましたよ。こっちの方がはるかに高くなってしまいましたが。
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 その荷物が、今日届きました。コミックの方は後回し、まずはDVDです。私が買ったのは、もちろん「豪華版」の方、分厚いケースを開けてみると、特典のおまけが出てくるは出てくるは。紙製の「メガネ」を組み立てて見る「立体写真」なんてものも入っていますよ。その中でも私のお目当ては、メーキングが収められている特典DVDです。特に、VFX関係のメーキングはぜひ見てみたいと思っていたものですから、本編より先にまずそちらをパソコンで見ることにしました。
 最初に入っていたのは、普通のメイキング、クランクインから始まって、撮影の日程通りに丹念なレポートを楽しんでいると、見慣れたシーンの裏側を見ているだけでまたまたウルウルしてきてしまうのですから、どうしようもありません。なによりも、セットにものすごい手間がかけられているのには驚いてしまいます。「鈴木オート」などは、ちゃんとした2階建ての家をまるまる建ててしまったのですからね。
 ロケ地も、全国に及んでいたのですね。動くSLの現物を撮るために京都まで行ったり、客車は大井川鉄道とか、電車通りも滑走路を使っていたとか。昔のたたずまいを残す場所を求めたのでしょう、岡山などでもロケをやっていたとは。VFXではどうしても出せない雰囲気は、こういう場所を実際に探して撮影する他はないのでしょうね。
 そして、後半はそのVFXです。「こんなものまで」と驚かされるほど、実写と変わらないものが今では出来るようになっていることがよく分かります。上野駅の改札口の遠景の人物や、都電は、全て合成されたものだったなんて。そして、ゴールデン座の看板も合成だったというのには、本当にびっくりしました。あの錆び具合とか、本物よりリアリティがありますよね。
 そう、へたをしたら本物より本物らしいものを作ってしまえるのが、今のVFXなのですね。何も知らないで見たら、「作り物」だとは気づかないまま、物語を決して邪魔することのないこの技術、これがあったからこそ、あれだけクオリティの高い映画が出来上がったのでしょうね。
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by jurassic_oyaji | 2006-06-15 20:54 | 禁断 | Comments(0)
桜の定点観測

ここ、北山の寺町界隈に、毎年境内中に桜が咲き誇るスポットがあります。その中でもひときわ見事な花を咲かせるしだれ桜を、毎日写真に撮ってみました。



4月25日
咲き始めです。寒さのせいでしょうか、例年より1週間ほど開花が遅くなっています。



4月29日
ほぼ満開になりました。ピンクの花びらが、鮮やかです。
わざわざ車でこれを見に来る人もいます。



5月4日
満開のピークを過ぎると、花びらは白い色に変わります。



5月11日
花びらが散り始め、青い若葉が混じり始めました。もう桜の季節も終わりです。


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by jurassic_oyaji | 2006-05-11 20:52 | 禁断 | Comments(0)
ダ・ヴィンチ・コード

 全3巻の文庫本、読み終わりました。あまりにもベタで恥ずかしいのですが、その本は「ダ・ヴィンチ・コード」、ほんと、こんな、どこの本屋さんに行っても一番目立つところにディスプレイされている本を読むなんて、私の信条には反するのですが、ハードカバーが出た時から、そのいかにも知的な「謎」に満ちているような騒がれ方には興味があったものですから。それと、近々映画化されたものが公開されるというのも、読んでみようと思ったきっかけです。
 ダン・ブラウンの筆致は、まるで映画のような場面転換の小気味よさを持ったものでした。それは、カット割りまで想像できるような、殆どそのまま映画の台本になってしまえる程のスピード感を持っています。最初の様々な無関係に見えるシーンが現れるところなどは、まさにハリウッド映画の常套手段、そして、その手法は物語の最後まで続く事になるのです。正直、この小説のテイストは、私が期待していたものとは全く異なるものでした。知的な謎解きは随所に登場するのですが、それは私が想像していたのとは全然違う次元での謎解きでした。つまり、「ダ・ヴィンチ・コード」というタイトルから想像される、ダ・ヴィンチ自身が作品の中に仕組んだ謎を解明する(それは、別の扱いで登場はしますが)、というのではなく、そこにあるのはあくまで登場人物が新たに仕組んだ「謎」であり、ダ・ヴィンチというのは単なる彩りに過ぎないものだったのです。その「謎」にしても、「ミステリー」ほどの知的なものではなく、殆ど「パズル」の域を出ない幼稚な仕掛け、しかも、その「解答」にしても、言われなければ分からないというひとりよがりの世界、それを、いかにもその人でなければ解けないような顔をして解明していく姿は、まさにハリウッドのご都合主義そのものではありませんか。
 恐らく、読んでいる人たちは、そんなわざとらしい謎解きよりは、登場人物達の、まさに火花を散らすような逃亡劇に興奮をおぼえるのではないでしょうか。もちろん、そのあまりにもできすぎたお膳立ての周到さには、辟易するとしても、これが映画になった時のアクションシーンを思い浮かべながら読み進むときのドキドキ感には、なかなかのものがありました。
 そして、最後近くで登場するどんでん返し、それで終わりだと思っていたらそのあとにはもっとすごいどんでん返し、さすがにこれにはびっくりしてしまいました。というより、これは、まさに今のハリウッドのプロットそのものではないですか。今のアメリカ映画の脚本家達は、いかにして見ているもの欺くかという点に、最も執心しているように思われます。それは次第に手の込んだものになってきて、最近ではただどんでん返しを見せたいためだけにストーリーを組み立てるという、本末転倒のような状況に陥ってはいませんか?
そして、それはこのような文学(というのはちょっとためらわれますが)の世界にも蔓延しつつある、という事なのでしょうか。この場合、確かにインパクトはすごいものがありました。しかし、そこまでして、という思いは残ります。こんな持って回った言い方、映画と同じで「ネタバレ」にならないように配慮した結果ですのであしからず。これをバラされては、この本の最大の価値(それ以外にはないのか、と言われそう)がなくなってしまいますから。
 後半、舞台がロンドンに移った時に、テンプル教会などという懐かしい場所が出てきたのには嬉しくなりました。別に、そこに行った事があるというわけではないのですが、ちょっと前にこの場所で行われたジョン・タヴナーの「テンプルのヴェール」という長大な曲のライブ録音を聴いたばかり、その時はこの教会については何も知らなかったのですが、これを読んで「へぇ~」となったという。実際、映画ではこの曲が挿入されるという噂ですし。
 主演のトム・ハンクスとジャン・レノが来日するなど、映画の方も公開が近づいて盛り上がっています。ただ、警部役のジャン・レノが、会見で「信じていたものに裏切られた」と言っていたのが気になります。原作のベズ・ファーシュはそんな柔な設定ではありません。となると、映画ではさらなる驚きが期待できるというのでしょうか。
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by jurassic_oyaji | 2006-04-13 19:51 | 禁断 | Comments(0)
わだつみのこえ
 昨日の「おやぢ2」で取り上げた大木正夫、実は、私にとっては個人的に少なからぬ想い出があるものでした。といっても、あの「交響曲第5番」を実際に演奏したことがある、などというだいそれたものではありませんがね。
 あのNAXOSの日本人作曲家シリーズ、総合プロデュースをしている片山杜秀さんが毎回詳細なライナーノーツを寄せられています。その作曲家の殆ど全生涯がそれだけで把握できるほどの、相当な分量の資料(今回は10ページに及んでいます)ですから、文献としてこれ以上のものはないほどのものなのです。そこで、「HIROSHIMA」以降の作品としてあげられていた物の中に、「男声合唱組曲《わだつみのこえ》」というのがあるではありませんか。これは、戦没学徒の詩を集めた「きけわだつみのこえ」という、東京大学出版会から発行(後に、光文社のカッパブックスとして再刊、現在は岩波文庫から「新版」が刊行)された詩集からとられた田辺利宏さんの4つの詩に曲を付けたものに前奏と後奏を加え、6曲から成る組曲にまとめた作品です。そもそもは京都大学男声合唱団が大木正夫に委嘱して作られた物なのです。もちろん、初演は京都で行われましたが、その直後の再演を、実は私達、この間東京で演奏会を開いた合唱団の母体となった大学の男声合唱団が行ったのです。その時には、無伴奏の形で演奏されました。


 それからほんの2、3年後、この曲をもう1度演奏会で取り上げようということになりました。それまでは楽譜は出版されてはいなかったのですが、これに合わせて(かどうか、その前後関係はあまりはっきりしていませんが)出版されたのが、この楽譜です。「出版」とは言っても、その版下は専門家が作った物ではなく、大木正夫本人が手書きで作った物です(その頃は「フィナーレ」なんてありませんものね)。出版に合わせて、無伴奏だったものにピアノ伴奏を加えるという改訂が行われています。これは、無伴奏で演奏された時の「音取り」が、非常に音楽の流れを損なうものだとの作曲者の判断に基づくものだそうです。
 タイトルにもあるように、この曲は「重複男声合唱」、つまり、4声の男声合唱が二つ、計8声部のために作られています。それぞれの合唱団は一方はオスティナート風の決まったパターンを演奏、それに乗ってもう一方の合唱団がテキストを、殆ど朗読のように、淡々と語る(もちろん、音程はあります)という形を取っています。私にとっては、今まで経験したことのないような不思議な音楽の世界でした。ただ、4曲目の「水汲み」という曲だけは、他の重々しい雰囲気とはガラリと異なる、まるで天上の世界のような透き通った明るさに支配されていたのが印象的でした。
 ただ、もちろん、その当時の演奏のアプローチとしては、「音楽」よりは、言葉としての「メッセージ」に、より重きを置いていたのは確かなはずです。当時の多くの学生に見られた、ある種の使命感、社会的なレジスタンスの意味だけで、この曲を歌っていたのは確かなことだったのだと思います。そして、その様な姿勢に、私自身はかなりの抵抗がありました。
 ですから、昨日の「HIROSHIMA」でも、その様な「訴え」だけが前面に押し出されたものを予想していました。しかし、そこに書いたように、そこからは、実に豊かな音楽的なメッセージを受け取ることができてしまったのです。単にある時代だけに通用する安っぽい「叫び」ではなく、50年以上を経ても色あせない普遍的な「美しさ」がそこにはあったのです。この「わだつみ」も、今の時代に演奏したものを聴けば、かつて私が演奏した時とは全く異なる「感慨」が生まれるのではないか、そんな気がしてなりません。
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by jurassic_oyaji | 2006-03-22 21:53 | 禁断 | Comments(0)
タケミツメモリアル
「コール青葉」の本番で、東京オペラシティのコンサートホールへ行ってきました。今回は「禁断あばんちゅうる」からの番外編おやぢ写真集です。
楽屋口からエレベーターに乗って、降りたところが舞台裏、こんな、今までここを使った団体のステッカーがベタベタ貼ってあるロッカーがありました。

これが、舞台から見たコンサートホールの客席、これだけは、実際に舞台に立たない限り見られない光景です。

これは、思い起こすだに、凄い演奏会でした。演奏自体はさておいて、その多彩なゲストのことです。まずご紹介したいのは、録音関係の機材(って、ゲストですか?)。この写真、ミラーボールのように見えるのがメインマイクです。ショップスのKFM 6という、球形マイク、私は初めて目にしたマイクです。

そして、ステージの床の上にさりげなく置かれていたのが、この「BLM(バウンダリー・レイヤー・マイク)」。これは、写真だけでは知っていた半球状の指向性を持つ、やはりショップスのBLM 3gと言う特殊なマイク、もちろん実物を拝見するのは初めてです。

ステージ裏に置いてあったのが、なんと「DSD」のレコーダー、SACDのスペックで録音できるものではありませんか。

チェレスタで参加してくださったのが、「津和野の風」の作曲者、森ミドリさんです。もう一つの安野さんとの共作「津和野の子守歌」という女声合唱を、この楽器(ミュステル)で伴奏してくださいました。実はこの楽器ももはや製造はされていないというヴィンテージもの、機能本位の「ヤマハ」などとはひと味違う鄙びた音色を奏でてくれていましたね。

その「津和野」の安野さんも、打ち上げの時間には四国へ旅立つということで、ゲネプロのあとに御挨拶です。こんな間近で接したのも初めて、可愛らしいおじいちゃんという感じでした。本番の時もステージに呼び出されたのですが、客席からステージに登る階段がなかったので、森さんと指揮者が二人がかりで抱え上げてましたっけ。

ピアノの小原さんは、帽子がポイント。これはゲネプロの時の黒い帽子、本番ではそれをかぶらないで粋なヘアスタイルを披露、アンコールの時には白い帽子で登場して湧かせてくれました。彼の伴奏は毎回異なったバージョンになるのですが、本番のものはそのどれにも増してアイディア豊かなものでした。

そして、サプライズ・ゲストが、打ち上げで突然紹介された作曲家のMさん。もちろん、この日に演奏された男声合唱の古典ともいうべき名曲を作ったその人です。

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by jurassic_oyaji | 2006-03-13 20:37 | 禁断 | Comments(0)