おやぢの部屋2
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カテゴリ:合唱( 644 )
Christmas
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Pentatonix
The Manhattan Transfer
RCA/88985 36282-2




ペンタトニックスは、相変わらずの大活躍ぶりを見せてくれています。ちょっと前には、Perfumeのカバーまでやってくれたのですから、驚きました。「ちょこれーと・でぃすこ」なんて日本語で歌っていうのがかわいいでぃすこ。そんな彼らの恒例のクリスマス・アルバムです。まずはジャケットを見てびっくり。なんと、ミッチが丸坊主になっているではありませんか。以前からモヒカンとかには挑戦していたようですが、まさかここまでやるとは。このジャケットのコンセプトは「金」のようですから、金色にピカピカ光る頭にしたのだ、とか。
昨年のクリスマス・アルバム同様、よく知られた昔からの讃美歌や、最近のアーティストによるクリスマス・チューン、そして彼らのオリジナルと、多彩な構成で迫るペンタトニックスです。ど頭は、まさに定番「神のみ子は今宵しも」に、ヴォイパを派手にフィーチャーしたというまさに彼らなりのアレンジで、ヘビーに始まります。
かと思うと、次の、やはり有名な「互いによろこび」では、いともクラシカルで爽やかなアレンジ、これなどはあのシンガーズ・アンリミテッドが歌っていてもおかしくないほどの、洗練されたコーラス・ワークが光ります。そう言えば、7曲目の「コヴェントリー・キャロル」は、そのシンガーズ・アンリミテッドのクリスマス・アルバムにも登場した讃美歌、やはり、彼らの中にも、このスーパー・コーラスに対するリスペクトがあったのかもしれませんね。ただ、アレンジは全くの別物で、こちらはまるでエンヤのようなぶっ飛んだサウンドに仕上がっています。
そして、3曲目、泣く子も黙る王道中の王道、アーヴィング・バーリンが作ってビング・クロスビーが歌った「ホワイト・クリスマス」では、なんとマンハッタン・トランスファーとの共演ですよ。マン・トラと言えば、おととし創設者でリーダーのティム・ハウザーが亡くなってしまって、グループも解散したのだと思っていたのですが、ちゃんとティムの後釜を迎えて、まだしっかり活動していたのですね。全然知りませんでした。ここでは、最初はペンタトニックスのいつものサウンドだという感じがしているのですが、途中でスウィングになったあたりからは、まさにマン・トラのテイスト満載のアレンジで楽しませてくれます。おなじみのジャジーなフレーズが、ジャニス・シーゲルによって軽やかに歌われているのですから、たまりません。それでも、全体としてはしっかりペンタトニックスの持ち味に支配されているのですから、すごいものです。というか、こんなすごい共演を通して、一回り大きくなってきたような彼らでした。
同じく、ビング・クロスビーが歌ってヒットした「I'll Be Home from Christmas」が続きますが、これはオリジナルの6/8のバラードを大切にしたシンプルなアレンジで、しっとり歌われます。このあたりが、彼らのもう一つのやり方。去年のクリスマス・アルバムに入っていた「Let It Go」のように、オリジナルの構成をほとんどそのまま踏襲してコーラス・アレンジを施すという手法が、このあとのカバー曲には使われています。レナード・コーエンの「Halleluyah」では、あくまでソロを中心に、まわりをコーラスで固めるという手堅さ、逆にカニエ・ウェストの「Coldest Winter」のようなエレクトリック系では、それこそダフト・パンクのカバーのようなアヴァン・ギャルドさが前面に出てきます。そして、イン・シンク(ジャスティン・ティンバレーク)の「Merry Christmas, Happy Holidays」では屈託のない明るさで迫ります。
今回のオリジナルは「The Christmas Sing Along」と「Good to Be Bad」の2曲、いずれもクリシェ・コードによるキャッチーな作品に仕上がっています。今年も、彼らのコーラスでハッピーになれました。メリー・クリスマス!(まだ早い?)

CD Artwork © RCA Records
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by jurassic_oyaji | 2016-11-05 20:48 | 合唱 | Comments(0)
Himmelslieder
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Marcus Creed/
SWR Vokalensemble Stuttgart
SWR/19015CD




世の中はハロウィン商戦の真っただ中、市内の本屋さんでは、店員さんが全員とんがり帽子とマントといういでたちで、客を迎えていました。レジに立っているだけならわかりますが、そんなトンマな恰好で棚の整理なんかをされていると、いったいここはどこなのか、と思ってしまいます。でも、こんなのはまだおとなしい方、本番ともなればいい大人がコスプレに熱中して、口から血糊をたらしていたりするのですから、その姿は醜悪以外の何物でもありません。いったい、どこで間違って、こんな風習がはびこるようになってしまったのでしょうか。
同じく宗教行事のお祭りでも、クリスマスの場合はまだ節度が保たれたままこの国の風俗にもなじんでいるように見えます。少なくとも、音楽に関してはとても実り多いものをもたらしてくれたのではないでしょうか。ハロウィンには何か音楽的な貢献って、ありましたっけ?
ですから、この季節のCDも、玉石混交ながら数多くのクリスマス・アイテムが登場することになります。「天国の歌」という、このSWRヴォーカル・アンサンブルにしては珍しいクリスマス企画のアルバムも、そんな「玉」の一つです。その中身はとても格調の高いもの、厳かに、真にこの世の平安を願いながらこの行事を祝うという思いが込められています。
まず、この合唱団のすばらしい女声パートだけで歌われるのが、ブリテンの「キャロルの祭典」です。よく少女合唱や児童合唱で歌われることもありますが、そのような、まるで天使の歌声のようなピュアな響きが、この大人の女声から聴こえてきたのは、とても幸せなことでした。録音会場は教会ですが、その豊かな残響をとことん利用して、この作品の最初と最後にある「入堂」と「退堂」のための曲で、実際に歩きながら(わざわざ靴の音をたてています)その遠近感を表現してくれています。確かに、コンサートホールで演奏する時にも、客席から登場するような演出もありますからね。
ただ、声はそのような無垢なものでも、表現にはいい加減なところは全くないのが、すごいところです。たとえば、ハープのソロの前の曲「この赤子が」では、大概の演奏では口が回らないために雑な演奏になりがちなところが、そんな難所は軽々とクリアして、いとも流麗な音楽に仕上がっています。
続いて、中世の聖歌が、男声だけによって歌われます。これはそれまでの女声とは全くテイストを変えて、粗野ささえも見せるような時代感を漂わせています。1曲目の「There is no rose」は2声、2曲目の「Verbum Patris humanatur」3声で歌われています。
次にフルメンバーが揃ってペルトの「7つのマニフィカト・アンティフォナ」では、普通にペルトといわれて思い浮かべるようなノーテンキなところの全然ない、とても強い意志の力が感じられます。ど真ん中の曲「おお、ダヴィデの鍵よ」でのハイテンションな叫びで、それは最高潮を迎えます。
ハインリヒ・カミンスキというドイツの作曲家が編曲した3つのクリスマスの聖歌は、いわば「箸休め」、手は込んでいてもあくまで素朴なアレンジからは、クリスマスへの敬虔な思いが素直に伝わってきます。
その後には、プーランクの「クリスマスのための4つのモテット」です。これも、ちょっと今までの印象を変えてくれるような、重量感のある演奏です。あくまで強靭なドイツっぽいハーモニー感がプーランクで味わえるのが、ちょっと意外。
最後は、スウェーデンの人気作曲家、ヤン・サンドストレムが、有名なプレトリウスの「Es ist ein Ros entsprungen」を素材にして、まるでリゲティの「Lux aeterna」のようなクラスターで再構築した逸品、こんなものをサラッと歌ってしまうのですから、本当にこの合唱団は油断が出来ません。というか、こんなひねりのきいたラインナップでクリスマスを楽しめる人は、ある意味ヘンタイ。
 
CD Artwork © Naxos Deutschland Musik & Video Vertriebs-GmbH
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by jurassic_oyaji | 2016-10-29 19:35 | 合唱 | Comments(0)
POULENC/Complete A Capella Choral Works -Sacred music-
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harmonia ensemble
BRAIN/OSBR-33002




記憶が確かなら、harmonia ensemble(ハルモニア・アンサンブル)は2010年の合唱コンクールの全国大会で、初出場でいきなり金賞を取ってしまい、翌2011年にも連続して金賞を取ったあとは、すっぱりと参加をやめてしまったのではないでしょうか。そして、いつの間にか「プロフェッショナルの室内合唱団」になっていたことを、このアルバムのプロフィールを見て知りました。それで、合唱コンクールには出なくなったのも納得です。はるもにあ(去るものは)追わず。
もっとも、この、毎年日本合唱連盟が開催している「合唱コンクール」というのは、ちゃんとした「コンクール」とは似て非なるものなのではないでしょうかね。だって、学生ならいざ知らず、メンバーがずっと変わらない「一般」の合唱団だったら、1回金賞を取ってしまえば、あとはもう参加する必要なんかないはずなのに、毎年毎年出てくるんですからね。
このアルバムは、今年の3月に行われた定期演奏会に先だって、同じプログラムをスタジオで録音したものです。ここではプーランクの1937年の「ミサ」から、1959年の「聖アントニウスの賛歌」まで、無伴奏の混声、男声、女声合唱のために作られたすべての宗教曲が演奏されています。
一応、品番はBRAINからリリースされたCDのものになっていますが、録音を行った「Sound Inn」名義でハイレゾ音源も同時に配信されていましたから、そちらの音を聴いてみました。ただ、それを購入する時に配信サイトに行ってみると、そこには24bit/96kHz PCMと1bit/5.6MHz DSDの2種類の音源が用意されていました。業界では、24bit/96kHzPCMは1bit/2.8MHzDSDと同等だ、というような基準が一般的なようですから、これだとDSDの方が上位のフォーマットになっています。ただ、両者は同じ価格で販売されている、というのがちょっと気になります。良心的なサイトでは、上位のフォーマットではそれ相応の価格が設定されているはずですから、それが同じだということは、どちらかがアップサンプリングである可能性が強くなってきます。何とも判断に苦しむところですね。
それを決めるために、オリジナルの録音フォーマットを知りたいと思ったのですが、どこにもありません。そこで、BRAINの公式サイトのメールフォームと、harmonia ensembleのFacebookページに「教えてください」と投稿したら、しばらくしてほぼ同時に「32bit/96kHzのPCMです」という答えが返ってきました。BRAINなどは直接電話がかかってきましたよ。今まで他のレーベルではこういうことはほとんど無視されていたので、全く期待していなかったのですが、なんという素晴らしい対応なのでしょう。ということは、配信音源はDSDの方がより元のデータに近いものが得られるのでは、という感触ですから、それにしましょう。
DSDで購入したのは、やはり正解でした。参考までに、単売されていたうちの「クリスマスのための4つのモテット」だけPCMでも購入して聴き比べてみたのですが、いくらか音の輪郭がざらついて、輝きがなくなっていましたね。
この録音では、狭いスタジオの写真からは想像できないような豊かな残響が付いているのには驚きました。それでいて声はニュアンス豊かにしっかりと聴こえてきます。音の肌触りなど、ゾクゾクするほどのすばらしい録音です。
ただ、あまりにリアルな音であるために、全体のハーモニーがサウンドとしてあまり溶け合っていないような気がします。プーランク特有のテンション・コードの味が、あまり感じられないのですね。それと、「アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」のフランス語のディクションがちょっとフランス語には聴こえない、というあたりも少し物足りません。でも、以前のアルバムでのプーランクではなんだか借り物のようなところがありましたが、ここでは見事な流れが感じられるものに変わっています。
次回には、教会のような優れた音響の会場で、5.6MHzDSDの一発録りなどに挑戦されてみてはいかがでしょうか。絶対に買いますよ。

CD Artwork © Brain Music
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by jurassic_oyaji | 2016-10-11 21:00 | 合唱 | Comments(0)
AS DREAMS
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Grete Pedersen/
Oslo Symfonietta
The Norwegian Soloists' Choir
BIS/SACD-2139(hybrid SACD)




ペーデシェンとノルウェー・ソリスト合唱団からの毎年の贈り物が届きました。今回のテーマは「夢」でしょうか。タイトルは、シェークスピアからの引用だそうで、元は「We are such stuff as dreams are made on, and our little life is rounded with a sleep.(私たちは夢と同じもので作られている。そして私たちの短い人生は眠りで包まれている)」という、「テンペスト」からのセリフです(そんなものを翻訳する時にも「おやぢ」の性が)。まあ、なんとも含蓄のある言葉ですね。一つ言えるのは、ここで「夢」と言われているものは、「夢がかなう」という風に使われるかなりハッピーなものとは違ったものなのではないか、ということです。例えば「悪夢」にも通じるようなネガティヴな意味の方が強いのではないか、というような感触ですね。
ということで、今回のアルバムには、決して口当たりが良いとは言えないような曲が並ぶことになりました。いわゆる「前衛的」と呼ばれる、普通の西洋音楽のイディオムには全くとらわれない作品のオンパレードです。そんなこととは知らずに、まずはペア・ネアゴーという、スウェーデンの本来は「前衛的」なスタイルを持っているはずの作曲家の「Dream Songs」という、いともまったりとした曲で、一旦は和んでしまうはずです。これは、まさに北欧民謡そのもののノスタルジックなチューンを、美しいハーモニーに乗せて歌うという、とてもハッピーな口当たりですが、そこに打楽器が加わって何とも不安定なポリリズムを繰り出した後には、さっきの美しいメロディにはとても気持ち悪い、ほとんど「悪夢」ともいえるようなハーモニーが付けられるという、その後のこのアルバムの進行を予告するような役割を持っていました。
案の定、続くヘルムート・ラッヘンマン(なんだか懐かしい名前)が、世界中がそんな「前衛音楽」の波にもまれていた頃の1968年に作った「Consolation II」は、まさに「そんな」音楽でした。「声」によるあらゆる表現方法を駆使した、当時としては合唱の新しい可能性に向けての先鞭を切っていたという思いで作られたものなのでしょうが、今となってはなんとも空回りしている面しか感じられません。しかし、この素晴らしい合唱団が、とてもしっかりとその「当時の思い」を再現しているのには、感服させられます。
次の、アルフレード・ヤンソンというノルウェーの作曲家は初めてその作品を聴きましたが、ラッヘンマンの曲と同じころに作られた、ニーチェの「ツァラトゥストラ」をテキストにした「Nocturne」では、そのような「前衛的」な手法は、すでにある種の効果を演出する場合のみに有効に活用するという、今の時代にもそのまま通用するような作風が見られます。
次に、フィンランドの作曲家、サーリアホのとても短い「Überzeugung(確信)」という、3人の女声とヴァイオリン、チェロにサンバル・アンティークという薄い編成の、不思議な雰囲気が漂う静かな曲が挟まります。その後には、冒頭のノアゴーが、ここでは本領を発揮して、シューベルトの曲の断片を取り入れたりしつつ、ある意味中途半端な「前衛」を展開しています。
そして、クセナキスの「Nuits(夜)」です。これまで聴いてきた、チマチマとした技法を超越したところにあるのがこの作品、まさか、この曲をこの合唱団で聴けるとは思っていなかったので、感激もひとしおです。彼らは、普段は見られないような「汚れた」歌い方まで駆使して、ひたむきにこの作品に奉仕しているように思えます。これは名演です。
最後に、サーリアホの作品をもう1曲聴くことが出来ます。「Nuits, adieux」という、まるでクセナキスの作品を挑発するかのようなタイトルですが、「前衛的」な手法も結局は美しいハーモニーに集約せざるを得なかったところで、「現代」における「現代音楽」の宿命を感じざるを得ません。「夢」が終わるとともに、「現代音楽」も死に絶えるのでしょう。

SACD Artwork © BIS Records AB
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by jurassic_oyaji | 2016-10-04 22:58 | 合唱 | Comments(0)
A CAPELLA I, II, Four of Us
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Singers Unlimited
MPS/HRA 234500(88.2/24FLAC)




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Singers Unlimited
MPS/HRA 234536(88.2/24FLAC)




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Singers Unlimited
MPS/HRA 124885(88.2/24FLAC)




シンガーズ・アンリミテッドの「A Capella」については、以前こちらで取り上げていましたね。このレーベルは、日本では最初は日本コロムビアから発売されていたので、LPも当然コロムビアがプレスしていました。それが、すぐに提携先がテイチクに変わってしまったので、それ以降のアルバムはテイチクでプレスされるようになったのですが、その音が全然違っていました。コロムビア盤はカッティング・レベルも高く、とても生きのいい音だったのに、テイチク盤はなんともおとなしく地味な音だったんですね。ということで、全てのアルバムをLPが出た時点で買っていたのですが、音に関しては何か満足できないでいました。一応全タイトルがCDにはなりましたが、アルバムごとにすべてがCD化されることはありませんでしたし、そもそも、このグループの音はCDに収まりきるようなものではありませんでした。ですから、さっきのレビューの中でも、「全15枚のアルバムがSACD化される日を、首を長くして待ちたいところです」と書いてましたね。さらに前回も「残りの13枚のアルバムが、すべてハイレゾで聴くことができるようになれば、本当にうれしいのですが」と。
ところが、そんな日はすでに2年前に訪れていたのですよ。前回「Christmas」の新しいLPを入手したのを機にハイレゾ配信サイトを調べてみたら、国内では2タイトルしか出ていなかったものが、ドイツの「HIGHRESAUDIO(ハイレゾオーディオ)」というサイトには、なんと13タイトルものハイレゾ音源が用意されていたではありませんか。「Christmas」と、1974年の「Sentimental Journey」が抜けていますが、それは大した問題ではありません。
おそらく、最近までMPSレーベルを管理していたUniversalは、彼らのアルバムにはそれほど関心がなかったのかもしれません。それが、Edelに移ってリリースに対する環境が変わったのでしょう。これらの音源は、すべてその時期、2014年にリリースされています。長年の夢は、とっくの昔にほとんど叶ってしまっていたのですね。
ただ、いずれは全部入手するにしても、まずはお試しできちんと聴いておかなければいけません。そこで、とりあえず、最も気に入っていた順にこの3枚のアルバムをダウンロードしてみました。
「A CAPELLA I」の音は、まさにCDとは別物の緻密で存在感にあふれるものでした。たぶん、最初に聴いたコロムビア盤のLPがこんな音だったのではないか、という気がしましたね。「A CAPELLA II」では、1曲目の「Clair」のイントロで出てくる口笛の音が、テイチク盤のLPでさえものすごいインパクトがあったのですが、それはCDでは何とも情けない音になっていました。それが、今回のハイレゾではそのLPさえも超えるほどの芯のある音で聴こえてきましたよ。
「A CAPELLA I」を、手元にある何種類かのCDと聴き比べている時に、とんでもないことに気づいてしまいました。リマスターによって、実際の演奏時間が違っているものがあったのです。それはB面の1曲目、CDではトラック6の「The Fool on the Hill」。ハイレゾ音源と単品の2種類のCDでは全て4分31秒なのに、かつてのMPSのプロデューサーで、すべてのアルバムのプロデュースとレコーディングを行ったハンス・ゲオルク・ブリュナー=シュヴェアによって1997年にリマスタリングが行われたボックス・セット「Magic Voices」に収録されているトラックだけ4分12秒だったのですよ。こんなに短くなっているのは、エンディングの「♪spinning round~」という部分のループが途中でカットされて本来14回あったものが9回に減っているからです。ここは、同じ音型を何度も繰り返しながら他の声部が入ってきてとてつもないクレッシェンドを演出した後にフェイド・アウトする、というカッコいいところなのですが、「Magic Voices」盤ではその盛り上がりがとてもしょぼくなっているのですよね。これだけのことで、このボックス全体に対する信頼感が、もろくも崩れ去ってしまいましたね。どこかの工事現場みたい(それは「とよす」)。

FLAC Artwork © HIGHRESAUDIO UG
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by jurassic_oyaji | 2016-09-27 23:29 | 合唱 | Comments(0)
Christmas
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Gene Puering/
The Singers Unlimited
MPS/0209875MSW(LP)




シンガーズ・アンリミテッドの「クリスマス」というアルバムは、もちろん最初はLPで買ったのですが何か音が歪っぽかったので、CDが出たのと同時に手放してしまっていました。そのCDも、誰かに貸したのに返してもらえていないのか、いくら探しても見当たりません。そんな時に、このアルバムがLPで新しくプレスされているということを知りました。なんでも、2014年に180gの重量盤でリリースされていたのだとか、そこで、コレクションを完成させておくために、せっかくなのでCDよりはLPを購入してみようと思いました。こちらにまとめたように、他のアルバムはすべてリマスター盤のCDが揃っていましたから。
手元に届いたLPの現物は、ずっしりとした重さがありました。プレスの状態もとても良好、特に縁の部分が垂直にカットされていて、厚みが感じられるのがいいですね。カッティングのレベルも高く取ってありますから、サーフェス・ノイズもほとんど聴こえません。もちろん、スクラッチ・ノイズも全くありません。
ジャケットの裏面には、オリジナルのライナーノーツがそのまま印刷されている上に小さなシールが貼ってあって、そこにはこういう表記がありました。

ここには、重要な意味が2つ含まれています。まず「A|A|A」というのは、録音とミキシング、そしてカッティングを全てアナログで行っている、という意味です。つまり、このLPのマスターには、最近では主流となったデジタルマスタリングが施されたものではなく、オリジナルのアナログ・マスターテープがそのまま使われている、ということです。そして、もう1点は、もはやこのMPSというレーベルは、この「Edel」という、クラシックでもおなじみのドイツの会社が保有するようになっていた、ということです。
MPS(Musik Produktion Schwarzwald)というのは、1968年にレコーディング・エンジニアのハンス・ゲオルク・ブリュナー=シュヴェアが、それまで属していたSABAレーベルがなくなったために新たに創ったドイツのレーベルでした。オスカー・ピーターソンなど多くのジャズ・ミュージシャンを抱えたレーベルとして、多くの名盤を世に送り出しますが、1983年にブリュナー=シュヴェアはその権利をPHILIPSに売って、別のスタジオを作ります。ですから、シンガーズ・アンリミテッドの音源もPHILIPS、さらにはUNIVERSALへと移ります。1998年にはブリュナー=シュヴェアの手になる先ほどのリマスターCDボックス「MAGIC VOICES」がUNIVERSALからリリースされています。
しかし、2012年になって、Universalはこのレーベルを手放してしまいます。それに対して、2014年にEdelが権利を獲得、新たにリリースを始めます。その際には、CDだけではなく、この「Christmas」のようにLPだったり、さらには「In Tune」と「A Capella」のデビュー・アルバムは88.2/24のハイレゾ音源のような形でリリースされているようです。さらに、なんと38cm/secのオープンリール・テープまで。
今回のLPは、まさに期待通りの音でした。特に外周部分ではCDでは決して味わえないしっとりとしたヴォーカルが再現されています。残念なことに、LPの弱点である内周での歪に対してはないしゅう(なす)すべもなく、CD並みかそれ以下の音でしかありません。このアルバムを含めた残りの13枚のアルバムが、すべてハイレゾで聴くことができるようになれば、本当にうれしいのですが。
このLPで、初めて本来のクレジットを見ることが出来ましたが、アルバムのプロデュースにはブリュナー=シュヴェアはまだ関わっていなかったのですね。つまり、MPSからのリリースは「3番目」ということになっていますが、録音されたのはMPSと契約する前だったことになります。それは先ほどのボックス・セットのブックレットにしっかり書かれてありました。なぜ、ボックスにこれだけが収録されていなかったのか、やっとわかりました。
さらに、アレンジも、ここではジーン・ピュアリング以外の人も行っていたことにも気づきました。キャロルなどは昔からあるグラディス・ピッチャーの編曲、そんな聴きやすさも、このアルバムの人気につながっていたのでしょう。

LP Artwork © Edel Germany GmbH
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by jurassic_oyaji | 2016-09-24 20:43 | 合唱 | Comments(0)
BARTÓK/Choral Works(1)
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Kristián Kocsis(Pf)
Zoltán Kocsis/
Hungarian National Choir(by Mátyás Antal)
Slovak Philharmonic Choir(by Jozef Chabroň)
HUNGAROTON/HSACD 32522(hybrid SACD)




2007年頃からリリースが始まった、HUNGAROTONレーベルの「バルトーク・ニュー・シリーズ」という、バルトークの作品全集は、おそらく全部で30枚ほどのSACD(一部はノーマルCD)で完結される予定で、現在進行中のプロジェクトです。そこでメインとなっているアーティストが、かつてはピアニスト、現在は指揮者として活躍しているゾルターン・コチシュです。チゲには欠かせません(それは「コチジャン」)。
彼は、音楽監督を務めているハンガリー国立フィルと管弦楽曲や協奏曲などの録音を行うだけでなく、室内楽でもピアノ・パートに参加するなどと、ほとんど全ての作品に関与しているというほどの入れ込みようです。ただ、オーケストラ作品で最も有名な「管弦楽のための協奏曲」だけは、同じメンバーでこの企画が始まる前の2002年に録音してしまっているので、まだこのシリーズでの録音はありません。
ただ、ピアノ・ソロのための作品は、新たに録音したのではなく、コチシュがかつて、まだSACDが出来ていなかった頃にPHILIPSに録音していたものを、そのまま使っています。したがって、その分の何枚かだけは普通のCDでのリリースです。
今回は、「合唱作品」の「第1集」というものがリリースされました。それをやはりコチシュが指揮をしている、というのが面白いところです。実は、合唱曲に関しては「2集」の方がすでに2009年にリリースされていました。そちらは児童合唱のための作品を集めたもので、指揮はデーネシュ・サボーでした。
そんな、たった2枚のCDですべてが収まってしまうのが、バルトークの合唱作品です。同じ時代のハンガリーの作曲家コダーイに比べるとそれは何とも物足りない気がします。そもそも、バルトーク自身は合唱の経験はほとんど持っていない人でした。ですから、初期の作品は外部の団体からの依頼によって作られた、というケースがほとんどでした。それは、ハンガリー周辺諸国の民謡を素材にしたものでした。
しかし、「第2集」に入っている児童合唱のための「27の合唱曲」や、このアルバムの男声合唱曲「過ぎ去った時より」などの後期の作品はそのような依頼ではなく、コダーイの勧めに従ってテキストも自分で編集して自発的に作ったものです。
ここでは、2つの合唱団が登場しています。「4つのスロヴァキア民謡」と、「5つのスロヴァキア民謡」はスロヴァキア・フィルハーモニー合唱団、残りの曲はハンガリー国立合唱団が歌っています。混声合唱で歌われる「4つのスロヴァキア民謡」だけにはピアノ伴奏が付きますが、それはクリスティアーン・コチシュという人が弾いています。あいにく、この人は指揮のコチシュとは何の関係もない人のようです。なんでも、同じピアニストの日本人の奥さんと一緒に、仙台市に住んでいるのだとか。
そのピアノの前奏に続いて聴こえてきたスロヴァキアの合唱団は、しばらくぶりに味わう素朴なテイストを持っていました。とても上手、なにしろ、最初のソプラノのチューンは丸ごと終わるまでに完全にカンニング・ブレスで歌いきっていたのですからね。その上で、やはり北欧やイギリスとは全く異なる「泥臭さ」が満載なのですよ。それは、バルトークには絶対に欠かせないファクターでしょう。というか、この「ニュー・シリーズ」全体が、ことさらバルトークの「泥臭さ」を強調しているような演奏で統一されているのでは、と思えて仕方がありません。
他の曲を歌っているハンガリーの合唱団は、もう少し洗練された味がありますが、基本的な「泥臭さ」はやはり健在でした。特に、ハンガリーの音楽に特有な「タ・ター」というリズムは、やはりとても自然に歌われています。
男声合唱のための「4つの古いハンガリー民謡」は、そもそも1910年に作られ、それを1926年に改訂して出版したものですが、ここにはその両方が収録されています。その違いは、なかなか興味深いものがあります。

SACD Artwork © Fotexnet Kft
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by jurassic_oyaji | 2016-09-17 20:45 | 合唱 | Comments(0)
RUTTER/Psalmfest
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Elizabeth Cragg(Sop), Pascal Charbonneau(Ten)
Mike Allen(Tp), Tom Winpenny(Org)
Andrew Lucas/
St Albans Cathedral Choir and Abbey Girls Choir
Royal Philharmonic Orchestra
NAXOS/8.573394




ジョン・ラッターが1993年に作った「Psalmfest」という曲集を2014年に世界初録音したCDです。イギリス合唱界の重鎮作曲家として、多方面からの作曲の委嘱が殺到しているラッターですから、今までに「詩編(Psalm)」をテキストにした合唱作品も数多く作っています。そんな、ほとんど20年もの間に渡って紙片に書きためたそれぞれ独立した「詩編」から8曲を選び、さらに1曲新しいものを加えて、教会での礼拝ではなく、コンサートの場で演奏されるように50分ほどの長さにまとめたものが、この曲集です。
その9曲は、元々キャッチーなラッターの作品の魅力を最大限に発揮させるために、まず真ん中(5曲目)には無伴奏で歌われる曲をおいて、その前後には華麗な編曲のオーケストラの伴奏に乗ったアップテンポの曲とバラードっぽいものとを交互に配置するという曲順がとられています。その効果は絶大なもの、とてもリズミカルで心躍るような曲のあとに、しっとりと歌い上げる曲が来る、という絶妙の配置で、そこには一気に最後まで聴けてしまうような楽しさが潜んでいます。
ですから、タイトルはこのレーベルでは「祝祭詩編」と訳されていますが、そんな堅苦しいものではなく(正直、このタイトルを見たら、どんだけつまらない曲が並んでいるんだ、と、引いてしまいましたよ)、素直に「詩編祭り」あたりにした方が、この作品全体の雰囲気と、ラッター自身の意図がよりよく伝わってくるはずです。
ここで演奏しているのは、セント・オールバンズ大聖堂付属の合唱団です。ここには少年と成人男声による合唱団と、少女だけの合唱団があって、今回はその2つが合同で録音に参加しています。1曲目の「詩編100(O be joyful in the Lord)」で、とても賑やかなオーケストラの前奏に続いて聴こえてきたトレブルの声が、あまりに情けなかったのでどうなることかと思ってしまったのですが、それ以降は何の問題もない素晴らしい声に変わったのはなぜでしょう。いずれにしても、ア・カペラの「詩編96(Cantate Domino)」では、とても力強い歌声を聴くことが出来ます。この曲の後半には、プレーン・チャントの「Veni Creator Spiritus」が引用されているという、ラッターにしては珍しい作り方になっています。
「詩編祭り」ならではの配慮なのでしょう、オリジナルは合唱だけのために作られたものが、ここではソプラノとテノールのソロに置き換わっている部分があります。そのうちの1曲、「詩編23(The Lord is my shepherd)」は、1985年に作られた彼の「レクイエム」のための曲です。この2つのバージョンを比べてみると、ソロが入ったことによってまるでミュージカルの中のナンバーのような味わいが出てきます(実際、テノールのソリストはミュージカル・シンガー)。この曲はオーボエのオブリガートがとても素敵ですが、それもさらに甘く響きます。
この曲集のために新しく作られた最後から2番目の「詩編84(O how amiable are thy dwellings)」は、最初から2人のソリストしか歌いません。それはまるで「West Side Story」の中の「Tonight」のように聴こえます。そして、それが静かに終わった後に聴こえてくる終曲「詩編148(O praise the Lord of heaven)」には、同じミュージカルの「America」のリズムがてんこ盛り。
そのほかに、2011年のウィリアム王子の結婚式の時に歌われて全世界の人が聴いた「This is the day」など、華やかな式典のための曲が3つ収められています。
録音エンジニアはサイモン・イードン。1970年にDECCAに入社、数々の名録音を世に送りますが、1997年にDECCAの録音部門が閉鎖されたために、かつての同僚たちと独立して「Abbas Records」という録音プロダクションを設立し、フリーランスのエンジニアとして活躍している人です。ここでは、合唱やオーケストラの質感が圧倒的に感じられる、まさに「DECCAサウンド」そのものを聴くことが出来ます。そのあまりのすばらしさに、やはり彼の手になるジンマンの「復活」を改めて聴きなおしてしまいましたよ。

CD Artwork © Naxos Rights US, Inc.
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by jurassic_oyaji | 2016-09-15 20:58 | 合唱 | Comments(0)
DURUFLÉ/Complete Music for Choir and Organ
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Benjamin Sanders, Daniel Justin, Adriana Falcioni(Org)
Thomas Leech/
The Choir of Leeds Cathedral
Skipton Building Society Camerata
BRILLIANT/9264




今年、2016年は、モーリス・デュリュフレが亡くなって30年という記念の年です。それにしては世の中ではそれに関したイベントやコンサートが大々的に行われるような情報は伝わってこないような気がしますが、どうなのでしょう。レコーディングの方では、新しい、ピリオド・オーケストラによる録音がリリースされているそうなので、それはいずれご紹介できることでしょう。今回は、かなり前に録音された、彼の合唱曲とオルガン曲を「全て」収めた2枚組のアルバムですが、つい最近目についたものですからこれも聴いてみることにしました。
ご存知のように、デュリュフレが残した作品は非常に少なく、作品番号が付けられて出版されたものは14点しかありません。その中の10曲までが合唱とオルガンのための作品です。その内訳は合唱曲が4曲、オルガン曲が6曲です。今回のアルバムでは、遺作となった「Méditation」と、未出版の「Hommage à Jean Gallon」という、作品番号の付いていないオルガン曲も2曲演奏されています。この「8曲」入りのオルガン全集は、今までには2006年のフェアーズ盤や2012年のクロウセー盤などがありましたね。
ところで、この2つのジャンル以外の作品は4曲ありますが、そのうちの「作品3」が「前奏曲・レシタティーヴォと変奏」というフルートとヴィオラとピアノのための作品です。これは、ピアノをハープに替えればドビュッシーのソナタと同じ編成になりますが、まさにドビュッシー風の前奏曲に、フルートとヴィオラによるレシタティーヴォを挟んで、グレゴリオ聖歌風のテーマによる技巧的な変奏が続くという、なかなか魅力的な曲です。
このアルバムは、2012年の3月に、たった4日間のセッションで録音されたものです。なんたって、目玉は「レクイエム」でしょうね。こんなセッションですからてっきりオルガン版(第2稿)だと思って聴きはじめたら、小編成のオーケストラが入った第3稿による演奏でした。なんと贅沢な。やはり、金管楽器やティンパニがしっかり入っていた方がこの曲の味がきちんと出てきます。
その代わり、というわけでもないのでしょうが、ソリストのパートは合唱団員の担当です。「Pie Jesu」のメゾ・ソプラノはソロですが、「Domine, Jesu Christe」と「Libera me」のバリトンはパート全員で歌っています。
1曲目のテーマがテナーで出てきた時、普通の合唱の声ではなく、まるでオリジナルのグレゴリア聖歌のようなダミ声が聴こえてきたので、もしかしたらそのようなアプローチの演奏なのかな、と思ってしまいました。そんな演奏が一つぐらいあってもいいですよね。しかし、それは単に合唱団の声が揃っていないだけなのだということが、しばらくすると分かります。一応、トレブルは少年少女、男声パートは「セミプロ」が集まっているのだそうですが、どうも合唱としての訓練はあまり行われてはいないような気がします。トレブルはまあこんなものでしょうが、男声はおそらく個人的には良い声の持ち主なのでしょうが、それが全体の中に溶け合わないのが困ったところです。
それでも、デュリュフレの場合は結構聴けてしまうのが不思議です。確かに、フル・ヴォイスで歌うところでは破綻していますが、軽めの声で歌っている分には、ハーモニーもきれい、いや、ひょっとしたらされるような部分があるかもしれません。ですから、「4つのモテット」などはなかなかいい感じ、でも、さすがに男声合唱の「Cum jubilo」はこの男声には荷が重くなっています。ソロはとても立派ですが。
オルガン作品でのソロは、アドリアーノ・ファルチオーニというイタリアの方、アランにも師事していたそうですが、録音がちょっとおとなしいために、デュリュフレの魅力があまり伝わっては来ません。

CD Artwork © Brilliant Classics
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by jurassic_oyaji | 2016-09-13 21:12 | 合唱 | Comments(0)
Christmas Songbook
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The King's Singers
SIGNUM/SIGCD459




まだまだ暑い日が続きますが、すでに「クリスマス商戦」は始まっていて、こんなクリスマスアルバムがリリースされました。その前から録音はされていて、それは今年の1月から始まっていたようです。ということは、クリスマスが終わったと思ったら、もう次の年のクリスマスの準備にかかっているということになりますね。でも、これはどんなお祭りでも見られることで、例えば仙台の七夕なども、8月にお祭りが終わると、次の年の飾り物のデザインなどを考え始めるのだそうです。青森の「ねぶた」なんかもそうですよね。
最近、この「キングズ・シンガーズ」は、急速にメンバーチェンジが進んでいるようです。本当につい最近、今年の9月初めには、26年間このグループに在籍して、これまでにアラステア・ヒューム(カウンターテナー)とサイモン・カーリントン(バリトン)が持っていた25年という記録を破ったカウンターテナーのデイヴィッド・ハーレイが、ついに引退したというニュースが伝わってきたばかりですが、これでメンバーはすべて21世紀になってから加入した人ばかりになってしまいました。しかも、2014年にはイギリス人と日本人のハーフであるジュリアン・グレゴリーがテナーのパートに新加入するという、基本的に純血主義を貫いてきたこのグループを見てきた人にとっては、うれしい反面ショッキングなメンバー交代があったばかりです。
しかし、今回引退したハーレイの後任者は、生粋のキングズカレッジ出身者、それこそ「キングズカレッジ合唱団」の最近のアルバムにも参加していたPatrick Dunachie(パトリック・ダナシー、でしょうか)というカウンターテナーなのですから、まだまだ伝統は生きていたということなのでしょう。
ということで、おそらくハーレイにとっては最後のアルバムとなったこのアルバムを楽しむことにしましょうか。グレゴリーくんのテナーがどんなものか、こういうレパートリーではソロの場面もたくさんありそうですから、きっちり聴き取ることが出来そうですし。
6人のメンバーは、左から順にカウンターテナー、テナー、バリトン、ベースと1列に並んでいるという音場でした。まず聴こえてきたとてもやわらかい声のソロは、一瞬テナーかと思うほどの明るさでしたが、やや右寄りに定位、どうやらこれはバリトンのソロのようでしたね。もう一人のバリトンの声もやはりソロで出てきますが、この二人はかなり音色が違うようです。テナーのソロは、きっちり左寄りのところから聴こえてきました。ちょっと想像していたのとは違っていて、なんとなくハスキーでそれほど張りのある声ではありません。個人的には2代目のビル・アイヴスが一番好きなのですが、ちょっとそこまでのレベルには達していない感じです。でも、まだ入りたてですから、そんなに出しゃばらないようにしているのかもしれませんね。実際、3代目のボブ・チルコットのような「邪魔になる」声ではなかったのには、一安心です。
カウンターテナーも、やはり二人の声はここでソロを並べて聴くとずいぶん違っています。しかし、どちらの人もとても立派な声なので、まだまだ引退するには惜しいような気がします。次のアルバムではダナシーくんの声が聴けるはず、どんな感じなのでしょうね。キンキンとした早口だったりして(それは「ふなっしー」)。
曲目は、それこそ「きよしこの夜」とか「ホワイト・クリスマス」さらには「サンタが街にやってくる」といったベタな曲が、何ともハイブロウな編曲で歌われているのが素敵です。さらには、「雪だるまのフロスティ」と「赤鼻のトナカイ」をマッシュアップした「リブート」などというしゃれたアレンジもありますよ。ホルストが作ったという「In the Bleak Midwinter」というのも、初めて聴きましたがいい曲ですね。
ブックレットのクレジットで「そりすべり」の作曲者がミッチェル・パリッシュというのは間違いでしょう。彼は作詞家、作曲はルロイ・アンダーソンです。

CD Artwork © Signum Records
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by jurassic_oyaji | 2016-09-06 23:23 | 合唱 | Comments(0)