おやぢの部屋2
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Jurassic Awards 2013
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今年も第2回(笑)ジュラシック・アウォードの発表の時がやってきました。今年も、絶対に役に立たないランキングをご覧くださいね。
その前に、カテゴリーごとのエントリー数の昨年比を見てください。

  • 合唱(今年54/昨年52)→
  • オーケストラ(39/50)→
  • オペラ(24/13)↑2
  • フルート(16/17)↓1
  • 書籍(16/13)↑1
  • 現代音楽(11/14)↓2
  • ポップス(6/11)→

こんな感じで、今年はオペラの躍進には目覚ましいものがありました。やはり、VさんとWさん関係のリリースが格段に多かった影響なのでしょう。そんな風に、世の中の流れを敏感に反映している「おやぢの部屋」です。
■合唱部門
山田和樹指揮の東京混声合唱団による「武満徹全合唱曲集」は、全く期待していなかっただけに、その素晴らしさには衝撃を受けました。プロの合唱団も捨てたものではありません。次点として、数多くリリースされたブリテンの「戦争レクイエム」の中から、その原点ともい言うべき自演盤を。これは、BAで蘇った録音も見逃せません。
■オーケストラ部門
なぜか、新しい録音には「これぞ」というものがなく、最後に滑り込んだジェームズ・ジャッドのマーラーの「交響曲第1番」が大賞になってしまいました。初期のデジタル録音ですが、とてもCDとは思えない音には驚かされました。次点も、昔のアナログ録音によるクーベリックのマーラーの「交響曲第3番」。もちろん、SACD化が最大のメリットになっています。
■オペラ部門
これは文句なしに「コロンのリング」です。原曲を半分の長さにしたというアイディアとともに、演出の斬新さには完全にやられました。次点は、これも昔の映画をBD化した「ジーザス・クライスト・スーパースター」です。
■フルート部門
ペーター=ルーカス・グラーフの日本でのリサイタル盤には、様々な面で刺激を受けました。ここまで現役で活躍できるのは奇跡です。次点はゴールウェイの名盤のオリジナルジャケットによる復刻版です。彼にも、グラーフの年齢まで頑張ってほしいものです。
■書籍部門
記念年にちなんだ「ヴェルディ/オペラ変革者の素顔と作品」は、時宜を得た素晴らしいものでした。著者ご本人(たぶん)からのコメントが寄せられたのも、高ポイント。「嶋護の一枚」は、実は著者から直接本を贈っていただいたもの。いや、そんなことを差し引いても教えられることの多い本でした。
■現代音楽部門
そろそろ「現代音楽」というカテゴリーは、いらなくなるのかもしれません。そんな中で、ラベック姉妹がミニマル・ミュージックに挑戦した「Minimalist Dream House」は、今の「現代音楽」の姿を見せてくれていました。
■ポップス
PPMの初出音源による「Live in Japan, 1967」は本当に素晴らしいものでした。必ずしもベストではない機材でも、演奏が良ければ全く気になりません。また、CTIの「春の祭典」がハイレゾ音源で聴ける日が来るなんて、思ってもみませんでした。

ハイレゾに関しては、やっと環境が整ったのでいろいろ試している最中ですが、正直こんな不完全な形で広まってしまうのでは後々問題が出てくるのではないかという失望感を味わっています。なにしろ、「e-onkyo」では、ファイルの名前すらまともに付けられないのですからね(ソートをかけたら曲順が変わってしまいました)。基本的なところを押さえないままに走り出しては、本当に良いものの足を引っ張るだけです。中には、単にアップサンプリングしただけのものをハイレゾと偽って販売しているものもあったりしますからね。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-31 22:55 | Comments(0)
今年の演奏会
 いよいよ今年も終わりです。もうあとは何もないだろうということで、今年1年の演奏会などを振り返ってみることにしました。
 今年の公式行事はまずニューフィルの新年会で始まったのですが、最後の締めくくりもニューフィル関係での飲み会となりました。なんと、今日みたいな押し迫った日のお昼に木管を中心にした会食をやりませんか、というお誘いがあったので、午前中は大掃除のまねごとなどをしてから、駅前まで出かけてきました。元オーボエのメンバーで、今はドイツ在住のRちゃんが、このたびご結婚なさったということで、御主人と一緒にゲストで参加、結局木管だけではなく金管からも2人加わって、日本語、英語、ドイツ語が飛び交う楽しい会になりました。
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 一番奥にいるのがそのご主人、フルートを吹かれるそうです。まあ、飲み会の苦手な私にしては、マメに顔を出した1年だったのではないでしょうか。私は写っていませんが。
 演奏会については、こんな感じでした。

  • 3月3日:三善晃の合唱宇宙(青年文化センターコンサートホール)
  • 3月17日:多賀城「第9」(多賀城市文化センター)
  • 4月14日:仙台ニューフィル第56回定期演奏会(川内萩ホール)
  • 6月15日:東北大学交響楽団第160回定期演奏会(川内萩ホール)
  • 10月20日:仙台ニューフィル第57回定期演奏会(東京エレクトロンホール宮城)
  • 12月1日:角田「第9」(えずこホール)

 前にいた合唱団から、人が足らないのでぜひ出てくれということで、殆どゲネ本で乗った合唱の演奏会以外は、一応オーケストラの演奏会だけのように見えますが、6月の演奏会は合唱として参加したものです。おそらく、これに向けての練習や本番が、今年の中では最も印象深いものだったのではないでしょうか。合唱の練習は確か1月ごろから始まっていたはずですが、そんなことがあることを知ったのは、3月の合唱の演奏会の時でした。それから参加登録、なんとか遅れを取り戻そうと張り切って行ってみたら・・・。でも、ヴェルディの「レクイエム」はぜひ歌ってみたかったので、極力気にしないようにしてかなり大量の練習をこなしました。まあ、この曲の魅力の入口ぐらいまでは覗けたかな、ぐらいのところだったので、もし機会があればぜひリベンジしてみたいものですね。
 でも、全く予想外のことだったのですが、今までほとんど縁のなかった別の合唱団の人たちと、親しくなれてしまいました。「副産物」ってやつですね。
 実は、この他にもう1回、12月24日にも演奏の予定が入るかもしれない、という状況にありました。さる教会のクリスマス礼拝のときにヘンデルの「メサイア」の一部をやるのだけれど、オーボエの人が出られなくなったので代わりにフルートを吹いてもらえないか、というメールが、パート譜のPDFと一緒に送られてきました。正確な情報が知りたかったので「フルートは私一人ですか?」と聞いてみたら、もう一人の人がいて、2本でお願いしたいということでした。この日はちょっと別の用事もあったのですが、そういう事情だったら無理してみようかな、と、楽譜を見てみたら、オーボエは1番も2番も全く同じ、ユニゾンで吹くようになっていたのですよ。それだったら、別に私が行かなくても、一本だけで大丈夫なのでは、と言って、丁重にお断りしました。そこまで見てなかったみたいですね。でも、そのもう一人のフルートが急に風邪で出られなくなったと切羽詰まった様子で電話がかかって来た時には、もう私の予定は完全にふさがってしまっていましたとさ。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-30 21:04 | 禁断 | Comments(0)
MAHLER/Symphony N0.1
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James Jadd/
Florida Philharmonic Orchestra
HARMONIA MUNDI/HMA 1957118




先日ご紹介した「嶋護の一枚」という本の中で「マーラーの交響曲第1番のPCM録音の中ではベスト」と興奮気味に語られていたジェームズ・ジャッド指揮フロリダ・フィルのCDを入手しました。その記事の中では「入手困難」という状態だったものが、実は2011年にこんなバジェット・シリーズでリリースされていたのでした。
この「Musique d'abord」というシリーズは、なかなか気の利いたデザインで、一見デジパックのような感じはしても、素材はすべて紙、「地球にやさしい」ということでしょうか。そして、何より驚いたのが、この、よくあるLPに似せた印刷面を裏返すと、なんと、普通は銀色や金色に輝いている録音面が、真っ黒になっていることです。
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思わず、これはダミーかなんかが間違って紛れ込んだのではないか、と思ってしまいました。30年近くCDに接してきましたが、こんなのを見たのは初めてでしたからね。でも、恐る恐るCDプレーヤーに入れたら、ちゃんとトラックが表示されたので一安心です。もちろん、音もちゃんと出てきましたよ。いや、それは単に「出てきた」なんて次元のものではありませんでした。正直、CDでこれほどの音が聴けるなんて思いもしなかったような、それは今まで感じていたCDの限界などはるかに超えてしまうほどの、瑞々しく繊細な音だったのです。
それは、まるで録音の良否を試すために作られたような、この曲の出だしを数分聴くだけで分かります。冒頭の弦楽器のフラジオレット(ハーモニクス)の、まさに倍音の絶妙な混じり具合はどうでしょう。あるいは、それを生み出す弓の松脂と弦との摩擦音。そんな静寂の中で、ピッコロを含む木管楽器がユニゾンで奏でる四度下降の崇高な響き。クラリネット2本とバスクラリネットが奏でる深みの中にもまろやかさをたたえたアンサンブル。そして、絶妙な距離感をもって遠くから聞こえてくるトランペット。これらの音場が全く自然な広がりを見せているのは、別にこのCDがまっ黒だったせいではなく、まさにエンジニアのピーター・マッグラスの卓越した耳と、彼が用意したワンポイントマイク、SCHOEPSKFM-6Uとの賜物でしょう。
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そんな繊細さの極みとは対極の、エネルギッシュな爽快感を味わいたければ第4楽章の頭などはいかがでしょう。シンバルの一撃に続くバスドラムの超低音に、まず度肝を抜かれます。そして、金管の咆哮のまろやかさ、そこにはきっちりと奏者の姿まで分かるほどのリアリティが感じられます。さらに、その間隙を縫って湧きあがってくる弦楽器の、これもまさに60人の弦楽器奏者の集まりであることが如実に分かるテクスチャーが、見事に表現されています。なにしろ、この実際にたくさんの人が演奏しないことには出て来ない滑らかな質感は、CDのスペックでは絶対に出すことはできないと思っていましたから、これは驚き以外のなにものでもありません。
指揮者のジャッドは、日本のオーケストラとも共演していてそれなりの知名度はあるものの、決して広く知られた人ではありません。しかし、このマーラーを聴くと、オーケストラを自由自在に操って、なんとも優雅な音楽を作り上げています。第2楽章の絶妙の「タメ」は、とてもアメリカのオーケストラとは思えないほどの粋な味、もっとも、第3楽章はちょっと調子に乗り過ぎ、という感もなくはありませんがね。彼は、ここで演奏しているフロリダ・フィルの音楽監督を1987年から2001年までの長期にわたって務めていましたが、この時期がこのオーケストラにとって最も輝いていたものだったことがよく分かる、信頼関係が見て取れる演奏です。
しかし、このオーケストラは、ジャッドが去った2年後には破産してしまい、この世から姿を消してしまったのです。「しまった」と思った時には時すでに遅し、今のアメリカにはミネソタ管弦楽団など、そんな火種を抱えているオーケストラはまだまだあるようです。

CD Artwork © harmonia mundi s.a.
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by jurassic_oyaji | 2013-12-29 21:30 | オーケストラ | Comments(0)
七声会
 前回の「禁断」は、例によってブログにコピー、それをFacebookでシェアをしたら、それをさらにシェアしてくれた方がいたものですから、ブログに貼りつけた「いいね!」ボタンのカウントが、史上3位ぐらいの数に跳ね上がっていました。もちろん、それは小田和正の番組に出演した東北大混声のネタがらみで、混声OB、OG諸氏のアクセスがあったからなのでしょう。
 でも、その番組関連のことを書いたのは後半だけ、前半には全く個人的なことを書いていたので、私のことを知らない人が見たらなんのこと、と思われたと思うと、ちょっと複雑な気分です。まあ、それがネットというものなのでしょうけど。
 ところで、あの番組の途中では、小田さんの学生時代の写真なんかも紹介されていましたね。そもそもあのコーナーの頭では「青葉もゆる」が、おそらく男声合唱で歌われていましたから、そこで時代が何十年か前にスリップしてしまいました。プロジェクターでそれこそ「白い教室」が映し出されたりすると、小田さんとは確実に同じ空気を吸っていたことを実感できました。ただ、あの写真にあった教室は二階建てでしたが、私は主に平屋の教室で講義を受けていたような気がします。今のキャンパスからは想像もできませんが、当時はそこにあった進駐軍の施設をそのまま使って教室にしていましたから、講義のたびに一旦外に出て、別の建物に行く、ということを繰り返していたはずです。確か、教室の場所を示した地図のようなものを渡されたのですが、それがなければとてもたどり着けないほどに、あちこちに散らばっていたはずです。ですから、今でも、次の講義に行こうとするのに、いくら歩いてもたどり着かないという不条理な夢を見ることがありますね。
 学年は私は小田さんの3年下だったので、確実に同じキャンパスにいたはず(混声合唱団の練習場は川内にありました)ですが、小田さんは混声、私は男声でしたから、当然直接の接点などはありませんでした。ただ、その頃は「七声会(しちせいかい)」という市内の大学合唱団の連合体があって、毎年春に合同の演奏会を行っていました。最後にはみんな一緒にステージに乗っていたので、私が1年生の時には間違いなく小田さんもそのステージにいたはずなのですね。
 番組では、その頃の小田さんの写真が何枚か出てきたので、それを頼りにまだ家にあったその1968年の6月8日に行われた演奏会の集合写真を見てみることにしました。
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 ご覧のように、当時の大学生の(少なくとも仙台では)男子は、例外なく詰襟の学生服を着ていましたから、ここで真っ黒く見える部分が男子学生の塊です。顔を見てみると、前の方にいる集団が男声合唱団の人たちでした。この頃は60人以上いたんですね。うん、みんな分かります。ということは、後の一群が混声合唱団の男声と、学院グリーということになりますね(宮教大もいたかな?)。おそらく、こんな小さな写真では本人でない限り分かりっこないのは承知の上で、思いきり拡大して見てみたら、なんだか面影がある人が見つかりました。白丸の中がきっと小田さんに違いありません。というか、そういうことで私の中では納得です。拡大すると。
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 私は、もちろん今と全然変わってませんから、すぐ分かるでしょ?でも、このフレームの中の人で、すでに2人が故人となっていましたね。
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 実はこの1週間後、6月15日には、東北大学交響楽団の「第9」の演奏会に、やはり男声合唱団と混声合唱団、そしていまはもうない女声合唱団が出演していました。その写真もアルバムの隣に貼ってあったのですが、さすがにそれは小さすぎて、私自身の顔すらも分かりませんでした。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-28 22:00 | 禁断 | Comments(4)
ウィーン楽友協会二〇〇年の輝き
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Otto Biba, Ingrid Fuchs共著
小宮正安訳
集英社刊(集英社新書ヴィジュアル版 031V)
ISBN978-4-08-720718-7




「ウィーン楽友協会の現在の資料館館長と副館長による、日本のクラシック愛好家のための書き下ろし」というフレーズが帯に踊っています。最後に「びっくりマーク(!)」が付いているぐらいですから、それは本当にびっくりするようなことなのでしょう。もちろん、このお二人はドイツ語で執筆なさったのでしょうから、オリジナルのタイトルも併記されています。それは「Die Geschichte der Gesellschaft der Musikfreunde in Wien」というものですから、そのまま訳すと「ウィーン楽友協会の歴史」という素っ気ないものでした。それを、上のように「歴史」を「二〇〇年の輝き」と直した(「改竄した」ともいう)のは、訳者なのか、編集担当者なのかは分かりませんが、このあたりで、「日本人」が抱いている「ウィーン」のイメージを端的に表現しているのは、さすがです。ただ、横書きで「二〇〇年」という書き方には、いくらなんでも馴染めません。
もう1点、日本語の「楽友」に相当する単語はここでは「Musikfreunde」のはずですが、我々日本人には「ムジークフェライン」、つまり「Musikverein」という言い方の方が馴染みがあるのではないでしょうか。そのあたりの違いについて、当事者たちの見解はどうなのかということをぜひとも知りたいと思ったのですが、それはこの本の中にはどこにも見つけることはできませんでした。
まあ、そんな厳密なところまでの議論を求めるというのが、もしかしたらこの本のスタンスからしたら筋違いのことだったのかもしれません。なんせ、全部で4つの章に分かれているうちの「歴史」に関して述べた「第1章」と、「演奏会」について述べた「第2章」とでは8割程度の部分で全く同じ記述が重なっているのですからね。おそらく、2人の著者の間での調整が取れなかったのと、それをきちんと校正しなかった結果なのでしょうが、その程度の、1冊の本としてはかなりみっともない仕上がりでもかまわないだろうというおおらかさの前には、細かい指摘など何の意味もありません。
ウィーン楽友協会について、「演奏会」と「音楽院」と「資料館」という3つの側面から詳細に語ったこの本は、特に「音楽院」と「資料館」について、今までほとんど知られることがなかったような知識を与えてくれています。「楽友協会」というのは、今の「ウィーン国立音楽大学」の前身だったんですね。さらに、この本が日本人向けに書かれたということもあって、その音楽院と日本との関係について語られているのもうれしいことです。そこの学生で、アントン・ブルックナーに師事したルドルフ・ディットリヒという音楽家は、明治政府からの要請で東京音楽学校の教師として招かれ、まさに日本のクラシック音楽の基礎をなす人材を育てたのですからね。もっとも、そこで、「楽友協会あっての日本の音楽教育」と自慢げに語る著者の筆致には、ちょっと引いてしまいますが。
このディットリヒという人は、在任中に妻を亡くした後、日本人の女性と親しくなって子どもまでもうけますが、やがて二人を残して帰国、ドイツで別の女性と再婚するという、まるでピンカートンを地で行ったような男なのですね。たまたま手元には、ディットリヒなどの「お雇い外国人」が作った曲を集めた2001年のCDがありました(KING/KKCC 3001)。そのライナーを執筆していたのが、ディットリヒの「孫」にあたる根上淳(ペギー葉山の夫)でした。
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「資料館」に関しては、さすが「ヴィジュアル版」だけあって、所蔵されている珍しい楽譜や楽器の写真が満載です。その中で一番受けたのは、「Harmoniumflügel」あるいは「Orgelklavier」と呼ばれる、ピアノとリードオルガンが合体した楽器です。
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訳文は非常にこなれていて(です・ます体)、とてもスラスラと読めてしまえました。まるで最初から日本語で書いたのでは、とすら思えるほどの素晴らしさです。

Book Artwork © Shueisha Inc.
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by jurassic_oyaji | 2013-12-27 21:36 | 書籍 | Comments(0)
緑の丘
 今年の年末と来年の年始は、なんと9連休にもなってしまうのですね。特に何の操作もしなくても、自動的に普通のサラリーマンのお休みが見事に隙間なく並んでしまった結果なんだそうです。一応私も土日祝日は人並みに休むという生活をしているものですから、この「恩恵」にあずかることが出来ます。
 ただ、これだとちょっと困ったことも起きてきます。このサイトに隔日で毎回確実にアップしている「おやぢの部屋」のためのネタは、実は職場でないと集めることが出来ないのですよね。自宅にもそこそこのオーディオ・システムはありますが、のんびりスピーカーの前に座っていることなど許されません。しかも、細かい音の違いなどを聴きとるためには、やはり使いなれた、よくチューニングのされた職場のシステムでないと、なかなか「本当の」音が聴こえて来ないことも分かっています。まあ、私の場合、ほとんどがデスクワーク、時には、単純作業の繰り返しなどもありますから、そんな時には「ネタ」を聴くと仕事もはかどります。年末の顧客メールの封筒づめをやった時には、ワーグナーの「オランダ人」がBGMでしたし。
 それに、聴いていてちょっと気になることがあった時に、職場だと資料や楽譜がすぐ手元にあるので、簡単に調べることもできますからね。一体どんな職場だとお思いでしょうが、ここは仕事部屋兼練習室兼CD収納兼書庫兼リスニングルームなんですよ。
 そこに9日間も行かないとなると、その間のアップに耐えるだけの「在庫」を作っておかなければなりません。いわゆる「年末進行」ですね。それが、きのうあたりで一息ついて、やっと少し時間に余裕が出来たので、12月に行われたニューフィルの行事、角田の「第9」とヴィオラパートの忘年会の写真をまとめたページを作ってみました。いや、写真を撮った人からわざわざデータが送られてきたものですから、これはちゃんと仕上げないといけないな、というプレッシャーを与えられたからなのですがね。例によって、画像を選んでサイズを縮め、ソースを書き換えるだけで簡単に出来てしまいました。公式サイト→演奏会→団員用写真集から入って(パスワードが必要)、ドラマを感じてみてください。
 プレッシャーと言えば、この間ヴェルディを歌ったら大学の混声合唱団のOBに知り合いが出来て、今度現役の混声がテレビに出るので見てくれ、というような圧力が、Facebook経由で伝わってきました。前に書いた、混声の大先輩の小田和正が大学のイメージソングを作った関係で、彼のライブ番組にその歌を歌いに行ってきた、ということらしいのですね。その放送が夕べあったので、話の種に録画しておいて、さっき見終わったばかりです。
 いやあ、その混声のパートだけ見ようと、前の部分は飛ばそうと構えていたら、いきなり吉田拓郎なんかが出てきたのには驚きましたね。その二人が歌い始めると、もうすっかり引き付けられてしまいましたよ。まず、小田さんのコーラスが、本当にすごいです。こんな素晴らしいものを聴けて本当に幸せでした。そのあとのコーナーでも、スキマやいきものやスタレビに小田さんが加わったコーラスは絶品でしたね。ただ、そのあとのミスチルは、飛ばさなかったのを後悔しましたがね。この二人が達郎をカバーするのは、ちょっと違うような気がします。
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 そして、さっきのイメージソング「緑の丘」のコーナーでは、東北大の総長から来た手紙を小田さんが読むところから始まって(もちろんヤラセでしょうが)、混声合唱団が直々に指導されるところまで紹介して、バスで東京(舞浜)までやって来たという団員の歌が始まりました。さすが混声、素晴らしいハーモニーでしたね。でも、彼らのルックスは、いかにも地方の大学生という感じ(「イカトン」という言い方は、まだあるのでしょうか)で、とても素朴なものを感じました。いや、それは、彼らと一緒にヴェルディを歌った時にも感じたことだったんですけどね。やはり、仙台の大学には、東京などにはないものが確実に残されています。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-26 22:50 | 禁断 | Comments(2)
MOZART, VERDI/Requiem Experience
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Soloists
Nikolaus Harnoncourt/
Arnold Schoenberg Chor
Concentus Musicus Wien
Wiener Philharmoniker
SONY/88843010499(BA)




BAってなんだ?」とおっしゃるかもしれませんね。ブルーレイ・ディスク(BD)に映像データではなくハイレゾのPCMなどの音声データのみを収録した音楽メディアの呼称に関しては、どうやら「ブルーレイ・ディスク・オーディオ」ではなく、単に「ブルーレイ・オーディオ」と言おう、という動きに一本化したのではないかと思われる昨今なので、今まで「BDオーディオ」と表記していたものを「BA」に改めようということなのです。単に「BD」という時には映像ソフト、「BA」は音声ソフトのことだと思ってください。分かりやすいでしょ?
ハイレゾの音声データの配信に呼応するように、最初は割とマイナーなレーベルから始まったBAのリリースですが、UNIVERSALというメジャーの一角が積極的にBAを手掛けるようになったと思っていたら、ついにSONYがおそらく最初のBAとして、こんなものをリリースしました。ちょっと特徴的なのは、今までのものが素直にCDで出ていたタイトルをそのまま同じジャケットでBAに置き換えるというものだったのが、こちらの場合はしっかりBAに特定したアートワークで迫っていることです。
まず、アルバム・タイトルが「Requiem Experience」という意味不明なものになっています。これは、「BAによって、レクイエムを音楽、オーディオの両面からハイレゾで味わうというめったにない体験をしてみたら?」ということなのでしょう。ジャケットも、そんなコンセプトに沿った、いかにもキラキラな音が聴こえてきそうな感じに仕上がっていますね。
収録されているのは、SONYというよりはかつてのBMGのアーティストだったアーノンクールが演奏したモーツァルトとヴェルディの「レクイエム」です。モーツァルトの方は2003年に録音されて2004年にDHMからリリース、ヴェルディ2004年に録音されて2005年にRCAからリリースされたものです。この頃になると、すでにBMGSONYと「合併」はしていましたが、まだ「買収」まではされてはいませんでした。
不思議なことに、このジャケットには、トラックリストや演奏メンバーなどはきちんと表記されているものの、録音時のクレジットがどこにもありません。いや、よく見てみるとヴェルディでのソプラノ・ソロの名前が見事に抜けていました。これだけしか持ってない人にとっては、この、ちょっと頼りないソプラノが誰なのかは全く分からないことでしょう。そんな、ただ単にBAのすばらしさを「体験」してもらうためだけに作られたアルバムであることが、こんな扱いで端的にわかってしまいます。というか、これが買収されたレーベルの「末路」というやつなのでしょうか。
そもそものアルバムは、SACDでリリースされていました。しかし今回は、よりBAのすばらしさが分かるようにあえてノーマルCDが一緒に梱包されています。案の定、このBAを聴いてしまえば、いかにCDの音がおとっているかが如実に分かってしまうというという、これは見事な比較の対象となっています。うまい具合に、1枚目のモーツァルトの最後にヴェルディの1曲目を入れてしまえば、この2つの大作が2枚のCDに収まってしまいますし。
でも、そんな最初から結果が分かっているものではなく、SACDBAではどうなのか、というあたりを知りたいじゃないですか。そこで、せっかくなので、手元のSACDと聴き比べてみました。その結果、軍配が上がったのは予想通りBAの方でした。予想の根拠は、BAのスペックが24bit/48kHzだということ。おそらくこれがマスターのスペックなのでしょうが、これをDSDに変換するというのは、ショルティの「指環」と同じケース、まさにあの時と同じ結果になりました。
具体的には、モーツァルトの出だしの弦楽器のしなやかさが違いますし、続くバセットホルンの音色も、SACDではちょっと不自然。ヴェルディの「Dies irae」では、ピッコロの音がBAではきちんと分離して聴こえるのに、SACDでは埋もれてしまっています。

BA Artwork © Sony Music Entertainment
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by jurassic_oyaji | 2013-12-25 21:26 | 合唱 | Comments(0)
○の花→初代○五郎
 クリスマス・イブとは言っても、今年の我が家は頭数がすくなく、特になんということもなく過ぎようとしています。クリスマスケーキを買うこともなく、普通の日と同じように晩ご飯を食べようとはしましたが、やはりあまりにもわびしいので、セブン・イレブンで一番安いブッシュ・ド・ノエルを買ってきて、食べてみることにしました。
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 いかにもなスイーツなので、全然期待はしていなかったのですが、これがとてもおいしいのですね。作っているのは山崎のようですが、最近のこの業種は競争も厳しいようで品質も上がっているのでしょう。とんだところで、幸せな気持ちになれました。ほんと、そこそこ有名なお店で手を抜いて作られたのよりもはるかにおいしいかもしれません。
 名声、というか、人気にあぐらをかいていると、つい基本的なところがおろそかになるというのはよくあること、きのうもそんな残念な体験をしたばかりです。以前街中のビルの中にあったさる料理店が、最近大野田あたりに一軒家のお店を構えたという話を聞いて、愚妻はぜひ行ってみたいと言っていました。なんでも、開店前から駐車場で待っている人がいて、なかなか大変そうなほど人気があるそうなのですね。そこで、出来るだけ早く目的地に着くように、早目に家を出ました。場所はネットで大体の見当を付けて行ったら、すぐ分かるところでした。ただ、駐車場の入口が交差点を曲がった先にあるのに気付かないで、Uターンをしてしまったので、もう1回戻ってさらにUターンをしなければいけませんでしたけれどね。その時には、駐車場にはそんなに車はいませんでした。
 並んでいる人なんか誰もいなかったので、そのまま入口に向かいます。入口には日替わりメニューみたいなものの大きな看板が出ています。入ったところからは客席は全然見えないのですが、そこで待っているような人もいません。ただ、普通こういうお店だと、入ったとたんに愛想のいい「いらっしゃいませ!」みたいな声がかかるものですが、なんだか静か、カウンターにいた店員さんが、なんだか下を向いて仕事をしています。一応、「○人で来たんですが」と言っても、何の反応もありません。客商売でこんな愛想の悪い対応なんて、ちょっと考えられませんよ。
 と、しばらくの間があって、奥から女将風の人が現れ、「たった今満席になってしまったので、もうご案内できないんですよ~」と、こちらはうって変わって不自然なほどの愛想笑いをふりまいて、そんなことを言い始めました。言葉こそていねいですが、そこには明らかに、「予約もしないでノコノコやってくるなんて、いったい何を考えているのでしょう」というような、まるで西門和枝のような卑しい心根が見て取れました。
 受付の店員の冷たい対応といい、この女将のわざとらしい態度といい、ご飯を食べに来てこんな不快な思いをしたのは初めてです。いかに人気のあるお店だと言っても、こんな思いにさせるようなところにはもう二度と来る気にはなりません。
 気を取り直して、もう一つの愚妻のリクエストで、今度は鈎取のお蕎麦屋さんに行ってみました。ここにはとても気持ちの良い、まさにあるべき姿の対応がありました。ただ、評判のお店だとは言っても、肝心のお蕎麦はいまいちだったというのが、難しいところです。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-24 22:26 | 禁断 | Comments(0)
SCHUBERT/Winterreise
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Dietrich Fischer-Dieskau(Bar)
Maurizio Pollini(Pf)
ORFEO/C884 131B




各方面で話題になっている1978年のザルツブルク音楽祭でのフィッシャー・ディースカウの歌う「冬の旅」のライブ録音です。ピアノ伴奏が、当時36歳だったマウリツィオ・ポリーニだったというところで、異常ともいえる騒ぎ方になっているみたいですね。「これを聴かずして『冬の旅』は語れない」とまで言われれば、聴いてみないわけにはいかないじゃないですか。
もちろん、この音源はこの音楽祭の演目を逐一放送しているORF(オーストリア放送協会)によって録音されたものです。それが日本でもNHK-FMで放送されて評判を呼んだそうなのですが、やっと公式のCDになってリリースされました。最近でこそ、放送音源と言ってもクオリティは商品であるCDと変わらないほどの良質な環境で録音されているようですが、この頃はまだ、単に「コンサートを記録したもの」という程度のもので、ちょっとアマチュアっぽい仕上がりでも充分に使い物にはなっていたのでしょうね。これを今のきちんと仕上げられたバランスの良い普通のCDと比べてしまうと、ちょっと辛いかな、というところが、音に関してはあるのではないでしょうか。
それは、歌手にもピアノにも言えることで、生の声が何の反響も伴わないで直接マイクに届けられたフィッシャー・ディースカウの声からは、CDでは確かに聴けたはずの端正さは全く消え去っていますし、ポリーニの弾くピアノの音からも潤いのある音色が届くことはありません。しかし、その分きれいにまとめられた「商品」では決して聴くことのできないストレートな思いまでもが伝わってくるというのが、得も言えぬ魅力にもなっているのでしょう。正直、この声とピアノで無防備なところに迫られるのはかなりのダメージを与えられることを覚悟しなければいけません。しかし、それに耐えてこその感動があることも、まぎれもない事実です。
それにしても、この演奏の密度の高さはハンパではありません。そこには、まさに全身全霊をかけての「真剣勝負」といった趣さえ漂うようなすさまじいものがあります。何しろ、作品に対する徹底した洞察力を持つ二人ですから、それぞれの思いをぶつけたいところなのでしょうが、そこはまずアンサンブルとしてのバランスを取らなければいけません。そんな、いつ破裂してもおかしくないような状態でのバランスですから、それはスリリングなものがありますよ。
1曲目の「Gute Nacht おやすみ」では、まずは様子見、といった感じでしょうか。しかし、ポリーニのイントロにぴったり寄り添うようなフィッシャー・ディースカウは、そこでまず「大人」であることを見せつけます。ここはまず、相手のやり方にとことん付いて行ってやろうというスタンスなのでしょう。そして、4番の前の間奏で曲が短調から長調に変わる瞬間のポリーニの絶妙のppに乗って出てきた歌の、なんという味わいでしょう。ただでさえ表現の幅の大きいフィッシャー・ディースカウの渾身のpp、いや、ppppには、背筋が寒くなるほどです。
こんな風に、二人はお互いを聴きあいながら、時には牽制し、時には服従するといったことを繰り広げていきます。9曲目の「Irrlicht 鬼火」では、ピアノのイントロがあまりに淡白すぎるのを、ポリーニが歌を聴いている間に察知、途中からガラッと進路を変更している様子が手に取るようにわかります。逆に、18曲目の「Der stürmische Morgen 嵐の朝」では、ポリーニのテンションがあまりに高すぎて、ついミスタッチをしてしまいます。そんなありえないミスに、ポリーニのテンションは高まるばかり、フィッシャー・ディースカウは何とかそれを食い止めようとしますが、結局そのままの勢いでゴールインという危ないものも有りますし。
あまりの緊張のせいでしょうか、曲間のお客さんがもたらす何かホッとしたようなざわめきが、とても印象的でした。そんなホットな瞬間を、味わってみては。

CD Artwork © ORFEO International Music GmbH
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by jurassic_oyaji | 2013-12-23 20:07 | 歌曲 | Comments(0)
年賀状
 いよいよ、今年も最終日(大みそかとも言う)を目指してのラストスパートが始まっています。そんなあわただしい中をクリスマス・イブの日に入籍したいなどというカップルがいたりして、それに必要な書類に記入するために一席設けたいなどと言い出せば、出かけていくしかありません。和食のフルコースはフグ料理のオンパレード、お刺身から鍋など、食べきれないメニューが次々に出てきます。それだけではなく、黒毛和牛のステーキなどという「洋皿」まで付いてます。
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 そこで取り出されたのは、半分ぐらいは記入済みの「婚姻届」という、市役所に提出する書類です。私もずいぶん昔に書いたような気がしますが、こんな薄っぺらな紙だったような記憶はありません。なんか、もっとしっかりした用紙で、あちこちに金色の装飾が施されているような気がするのですが、きっとそれはただの記憶違い、もしかしたら「賞状」と勘違いしていたのかもしれません。
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 もちろん、毛筆で書いたりする必要もなく、私が記入する「証人」の欄には、ごく普通のボールペンで書いても構いませでした。ただ、そこでしばらく使ったことのない「本籍地」なんかを聞かれているので、一瞬分からなくなってしまいましたよ。私が最後に本籍地をどこかに書いたのは、いったいいつのことだったのでしょう。
 きのうはそんなことで半日つぶれてしまったので、この連休中に予定していた今年最後のミッションである「年賀状作り」には暗雲が立ち込めてきました。この機会を逃すと、もう来年にならないとそんなヒマはなくなってしまうかもしれません。それで、とにかくデザインだけでもなんとかしようと思って素材を探してみたら、意外と簡単にうってつけのものが見つかりました。図柄はともかく、シンプルなイラストなので抽出して加工しやすい、というのがポイントです。適当にパーツを作って組み合わせたら、まあそれらしいものが出来たので、一応愚妻に見せて承認を取ります。ある意味、この作業が例年最も難航するところなのですね。やはり、大幅な手直しを要求され、結局、こんなところに落ち着きました(部分)。
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 今日はもうどこへも出かけないことにしていたので、朝からそのあとの作業にかかりきりです。午前中にはレイアウトもきっちりと固まり、あて名印刷も半分は終わりました。そのあとは、私はそんなに手をかけないのですっかり出来上がってしまいましたよ。まあ、愚妻の方は、これからがいつも大変なので、今日中には終わらないだろうと思っていたら、いつの間にか全部作り上げていましたよ。ですから、今までは私の分だけ先に出していたものを、まとめて全部出せてしまいました。こんなに早く出来上がってしまったのは、おそらく史上初めてなのではないでしょうか。環境が変わると、こんなことも起こってしまいます。
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by jurassic_oyaji | 2013-12-22 20:27 | 禁断 | Comments(0)