おやぢの部屋2
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ほとんどのCDでは、「未完成」はまだ「8番」になってます
 このところ毎週日曜日にやっているのが、「杜の都合奏団」です。5回のリハーサルで曲を仕上げ、コンサートを開くというコンセプトの室内オーケストラです。その演奏会が、考えてみたらもう再来週の日曜日が本番ということになっていました。いつの間にか、ですね。暗譜だなんだと言って忙しくしていたら、いつもの間にかこんなことになっていました。さあ大変、いや、演奏は別に大丈夫なんですが、それのプログラムに曲目解説を書かなければいけないんですよね。こればっかりは演奏会が終わってから書いたってシャレにもなりませんからね。でも、そろそろ書き始めていますから、関係者の方々はご安心ください。
 だいぶ前から、曲目解説のためのネタ探しということでいろいろリサーチしていたのですが、正直私は今回の曲目のシューベルトに関しては殆どシロート同然ですから、どうもありきたりのことしか思いつきませんでした。なにしろ、今度演奏する2曲の交響曲は超有名曲なのですが、その前にある序曲が全く聴いたこともない曲でしたからね。つまり、全部の交響曲を聴いているぐらいのレベルでは、やはりシロートなんですよね。
 でも、その序曲が、聴いたことがないはずなのになにか聴き覚えがあるんですよね。「デジャヴ」ってやつでしょうか。なんか前にも聴いたことがあるようなメロディが、特に序奏の部分で出てくるんですよ。でも、シューベルトですから、まあほかのリートとかピアノ曲はよく耳にするわけで、そのあたりで使われていたメロディがよく似ていたのかもしれませんけどね。でも、ちょっと資料を調べてみたら、この曲の「序奏と終結部は、後にオペラ『魔法の竪琴』」の序曲に転用された」などという記述が見つかりました。そんなマイナーなオペラなんて、もちろん聴いたことがありませんが、NMLにはあったのでさっそく聴いてみたら、これの序奏が確かにこの序曲と瓜二つでした。しかし、その序奏が終わって主部になると、途端に聴きなれた音楽が始まります。それは「ロザムンデ」の序曲でした。いや、「ロザムンデ」だったら大好きな曲で、その序曲も耳にタコができるほど聴いていたはずなのですが、それと同じものにこんなとこれでお目にかかれるなんて。さらに調べると、この序曲は実はさっきの「魔法の竪琴」の序曲をそのまま丸ごと流用していたことも分かりました。ということは、その序奏の部分もやはりミミタコだったはずなのに、そのモティーフをほとんど使った「イタリア風序曲」(実際は、こちらの方が先に作られています)の序奏を聴いても、それが「ロザムンデ」の序奏だとは気が付かなかったのですよ。やっぱりシロートです。
 非常に言い訳がましくなりますが、「ロザムンデ」序曲を聴いていた時には、序奏はとても退屈に感じられました。聴きたいのは主部だけだったのに、その前になんだかわけのわからないものが付いているなあ、早く終わらないかなあ、という気分で聴いていたのでしょうね。そういうものは記憶に残らないのでしょうね。改めてちゃんと聴きなおしてみると、もうそれは「イタリア風」そのものだと瞬時に分かってしまいますけどね。今さらながら、とても新鮮な体験でした。
 さらに、そのコーダも、こちらはそっくりというよりまるで同じものでしたね。これは「ロザムンデ」だけではなく、今度一緒にやる「交響曲第8番」にも転用されていて、そっちの方はすぐに気が付いたのですけどね。
 というような、なかなか緻密に計算されたプログラミングの演奏会は3月13日の日曜日に、宮城野区文化センターのパトナホールで開催されます。開演は午後2時です。お声をかけていただければ無料のチケットを用意しますので、ぜひ聴きに来てみてください。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-29 21:16 | 禁断 | Comments(0)
World of Percussion
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Thierry Miroglio(Perc)
NAXOS/8.573520




毎月膨大な数の新譜をリリースしているこのレーベルですが、そのほとんどのものが全く聴いたことのない作曲家の作品だ、というのは驚くべきことです。CDが売れなくなってきていると言われて久しい昨今ですが、このようにこれまで全く顧みられることがなかった作曲家の紹介を続けるうちには、きっととんでもないヒットを呼ぶ宝物を探し当てることができるかもしれませんね。ま、できないかもしれませんが。
この「パーカッションの世界」というCDに収められている6人の作曲家の、それぞれこれが世界初録音となる作品を聴いていくと、もしかしたら次第にそういうものでも聴いていて楽しい気持ちにさせられるものがあることに、気づくことがあるかもしれません。もしそうだとしたら、まずここで演奏されている曲の半分には打楽器だけではなく「エレクトロニクス」も加わっていることに、その要因があることを否定するわけにはいかないのではないでしょうか。実際には、ここでの表記は「electronics」だったり「chamber electronics」だったり、あるいはそっけなく「computer」というものですが、それらは全く同じ「コンピューターで作った電子音」のことです。ですから、このアルバムのタイトルからはちょっと「反則」気味のところがあるのですが、まあそれは我慢していただくしかありません。
しかし、そうは言っても、1曲目のブルーノ・マントヴァーニの作品「Le Grand Jeu」は、聴いていてあまり気持ちがいいものではありませんでした。タイトルにある「Grand Jeu」というのは、フランスのオルガンのパイプ(ストップ)の名前で、リード管の一種、これをタイトルにして、そのストップで演奏することを指定している曲がバロック時代にはたくさんありました。しかし、これは「エレクトロニクス」の何とも刺激的な音色とフレーズがやかましすぎて、眼前にはゾンビや食虫植物のようなものがクローズアップで現れてきますから、気持ち悪いのなんのって。
しかし、2曲目のマルコ・ストロッパの「Auras」という曲は、うってかわって繊細な世界が広がるものでした。こちらはいたずらに「チェンバー・エレクトロニクス」に頼ることはなく、例えばヴィブラフォンの鍵盤を弓でこすったりして、まるでグラス・ハーモニカのような音を出すような、とてもしっとりとした味わいを楽しめます。この作曲家と、そしてそれを演奏しているティエリー・ミログリユは、打楽器には暴力的な面があると同時に、しっとりとした抒情性までも表現できるほどの幅広さもそなえているのだ、ということを身をもって知らしめているのかもしれません。
3曲目は、指揮者としても有名なハンガリーの作曲家、ペーテル・エトヴェシュの「Thunder」です。これは、ティンパニだけによって演奏されている作品です。この楽器はペダルを使うことによって連続的にピッチを変えることが出来ますから、そんな機能を縦横に使って、ただの「雷鳴」だけではない、もっと多彩な表現を追求しています。
4曲目は、今度はヴィブラフォンだけによる演奏でやはり往年の指揮者として有名だったこの中では最年長、もちろん物故者のルネ・レイボヴィッツの「3つのカプリース」です。1966年に作られた作品で、当時はクラシックとしてはとても珍しいこの楽器のソロのための曲でした。ここでは、「打楽器」というよりは、単に「鍵盤楽器」として、今では死に絶えた「12音」による無調の世界が堪能できます。
5曲目、フィリップ・エルサンの「3つの小さなエチュード」もティンパニのためのもの。なんでも、ゲーテの「ファウスト」を素材にしたベルリオーズとシューベルト、そしてグノーの3つの作品を「元ネタ」にしているというものです。グノーの「兵士の合唱」だけはとても平易な引用で、よく分かりました。
最後のジャン=クロード・リセの「Nature contre Nature」は、やはり「コンピューター」が加わっていますが、遊び心にあふれた機知に富む作品でした。

CD Artwork © Naxos Rights US, Inc.
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by jurassic_oyaji | 2016-02-28 22:43 | 現代音楽 | Comments(0)
頭蓋骨がさかずき!?
 今合唱で参加している「レリオ」は、基本的に隔週の木曜日が練習日なのですが、ここに来て男声の出来が悪いということでその間の木曜日にも「男声だけ」の特訓が入ることになっていました。おとといがその「男だけ」の集まり、指揮者も男ですから、本当に男だらけの練習でした。そこでは主にフランス語の発音などを徹底的にしごかれたのですが、最後の最後になって「テナーだけ残ってください」と指揮者が言い出しました。確かに、ベース系に比べるとテナーはまだまだ楽譜にかじりつきの人が多いので(私はもちろん、ほとんど楽譜を離して歌えましたよ)、「居残り」となってしまったんですね。
 と思っていたら、なんともびっくりぽんの展開で、ベース系がいたのではちょっとできないような特別なセッションが用意されていました。そこで、私たちはほぼ初見で歌わされることになり、その結果を踏まえてある決断が下されることになります。オーディションというか、やはり厳しい世界が待っていたのでした・・・なんてね。
 その時に、同じパートのFさんが、この前新田さんの「復活」を聴きに東京に行った時に中古屋で仕入れてきたものを含めて、なんと3種類もの「レリオ」のCDを持ってきて貸してくれました。私がいつも聴いていたのはムーティー盤ですが、彼はそれを持っていなかったので、バーターです。これはNMLにも入っていないものばかりですから、とても貴重なCDですよ。こうなったら、実はまだ聴いたことのなかったブーレーズ盤も入手しようと思って調べたら、オリジナルジャケットの国内盤がまだ市場にあったので、さっそくお買い上げです。
 実は、仙台フィル事務局のGさんは、そのブーレーズ盤のブックレットに載っていた対訳をコピーして、みんなに配ってくれていました。でも、なんせ1960年代のものを使いまわししているのでしょうから、その訳文がちょっと、という感じでしたね。ところが、今回貸してもらったデュトワの国内盤には、それとは全然違う新しい対訳が載っていました。こんな感じです。
(ブーレーズ)
そなたにもはや悲しき時はなし、
われらを会わせし偶然に栄光(さかえ)あれ、
よし、よし、共に酒を呑み合わん、
恋人の頭(こうべ)を杯に。

(デュトワ)
きみたちはもうかなしくはない
おれたちの出会いの偶然に栄光あれ
そうさ、こうやって、一緒に酒をのもうじゃないか
その恋人の頭蓋骨をさかずきに。
 ずっと謎だった「dans le crâne de vos amants」という旧訳だと「恋人の頭を杯に」となるシチュエーションが、新しい訳でやっとイメージできるようになりましたよ。ちょっとグロですが。せっかくなので、こちらの対訳もコピーしてみんなに配りましょうか?
 でも、また「団員の社交辞令を真に受けてのさばり始めている。」なんてブログに書く奴がいたりしたらいやですから、やめておきましょうね。
 きのうの金曜日は、休みをとって税務署に行ってきました。確定申告です。去年ちょっとした小金が入ったので、その申告です。だいぶ昔、今のマンションを買った時に控除のためにやったことはあったのですが、もうすっかり忘れていましたから、とにかくいろいろ教えてもらいながら書類を作ろうと、9時前に車で行ってみました。その時点で何とか駐車場には入れられましたが、もうちょっと遅かったら路上で長いこと待たなければいけないほどでした。
 まるで、運転免許証の更新のように、とてもてきぱきと手続きが進むようになっていましたが、最終的にはPCを使って書類を作らされる、というのは初めて知りました。いや、ここに来るまでは、マンツーマンで向かい合って税務署の人に手伝ってもらいながら紙に書き込むというイメージが頭にあったのですが、全然そんなものではなく、PCが50台ぐらいずらりと並んだブースで、3人に1人ぐらいの担当者がついて指導はしてくれますが、結局自分でPCに打ち込まなければいけないんですよね。つまり、ここに来た人はもう強制的に「E-TAX」で申告しなければいけないのですよ。私は別に何の問題もなくできましたが、まわりを見渡すと途方に暮れているお年寄りなどもいましたね。いつの間にか、PCが使えないと税金を納めることも出来なくなっていたなんて。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-27 20:33 | 禁断 | Comments(0)
1615 Gabrieli in Venice
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His Majestys Sagbutts & Cornetts
Stephen Cleobury/
The Choir of King's College, Cambridge
CKC/KGS0012(hybrid SACD, BD-A)




ケンブジッジ・キングズ・カレッジ聖歌隊の自主レーベルは、スタート時はSACDでのリリースでしたが、最近ではノーマルCDのものも混ざるようになっていたので、やはりそれほどハイレゾにはこだわっていないのかな、と思っていたら、いきなりSACDとBD-Aのカップリングという、まるで2Lのようなことをやってくれました。そのBD-Aでは、おそらく史上初めてとなるのでしょうがこれまでの2チャンネルステレオ、5.1サラウンドに加えて、「ドルビーアトモス」のフォーマットも選択できるようになっています。「ドルビーアトモス」というのは映画館でのさらなる音響再生のために開発されたもので、なんでも音場を垂直方向に拡大したもののようですが、しかるべき再生装置を用いればそれがご家庭のお茶の間でも実現できるようになったのですね。どうでもいいことですが。
さらに、「mShuttle」によって、各種の音源ファイルをダウンロード出来るようにもなっています。その最上位フォーマットは、録音時に用いられた24bit/96kHz or 192kHzのFLACです。なぜ2種類のサンプリングレートなのかは、録音の時期によってフォーマットが変わっているからです。いまいち意味が分かりませんが、2015年の1月のセッションでは192kHzだったものが、同じ年の6月のセッションでは96kHzになっています。ただ、BD-Aでは全てのトラックが96kHzになっているようです。
そんな「大盤振る舞い」になったのは、このアルバムタイトルの「1615」に関係があるはずです。もちろんこれは年号ですが、なんでも録音時からちょうど500年さかのぼったこの年には、ここで演奏している聖歌隊のホームグラウンドであるキングズ・カレッジのチャペルが出来たのだそうです。そして、同じ年に、ヴェネツィアで大活躍した作曲家ジョヴァンニ・ガブリエリの楽譜が出版されたそうで、その楽譜の中に入っている作品がここで演奏されているのです。作曲家自身はその3年前に亡くなっていますから、この楽譜は死後に出版されています。
その楽譜は2種類ありました。一つは「シンフォニエ・サクレ」というタイトルの、宗教曲を集めたもの、もう一つは「カンツォーネとソナタ」という、器楽アンサンブルの曲集です。ガブリエリはその両方の分野で膨大な作品を残していたのでした。琴奨菊は、これで膨大な白星を重ねました(それは「がぶり寄り」)。
そのどちらの作品にも、ちょっとなじみのない名前の楽器が使われています。それは、コルネット、サックバット、そしてドゥルツィアンという楽器です。「コルネットなら知ってるぞ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、これは、その、トランペットをちょっとかわいくしたような形の楽器とは全くの別物で、マウスピースは金管楽器のものですが、胴体は多くの穴が開いた「縦笛」のような形をしている、この時代にしか使われなかった楽器のことです。そして、サックバットはトロンボーンの、ドゥルツィアンはファゴットのそれぞれ前身となる楽器です。
とても広々としたチャペルの中で行われた録音では、そんな珍しい楽器、特にコルネットの鄙びた音色と歌いまわしが手に取るように味わうことが出来ます。サックバットの重厚な和音も魅力的、ドゥルツィアンはたった2曲にしか登場しませんが、その独特の低音はすぐに分かります。
それに対して合唱は、録音が良すぎるせいか、かなりアラが目立ちます。特にソリストたちの声が全然統一されていないのがとても聴きづらいものですというのも、多くの曲でバリトンのソロを担当している人が全然周りに溶け込まないダミ声なんですね。ビブラートも強烈ですし。なんでこんな人がソロを、と思ってしまいます。これを聴いて思い出したのが、同じ聖歌隊出身でキングズ・シンガーズのメンバーでもあったボブ・チルコットでした。彼の声もグループの中ではこんな感じ、こういうのもキングズ・カレッジの「伝統」なのでしょうか。

BD-A Artwork © The Choir of King's College, Cambridge
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by jurassic_oyaji | 2016-02-26 20:37 | 合唱 | Comments(0)
プログラム・ノーツを書かないと・・・
 「かいほうげん」の発行が終わったので、やっと一息つけます。とは言っても、まだまだ片づけなければいけない仕事が山積みなので、一つ一つ終わらせていかないと。まずは、マスコミやフリーペーパー向けの「企画書」作りです。これは「りらく」などの月刊誌に案内を掲載してもらうためには、開催日の2ヶ月前までには送っておかないといけないのですが、まあ来週頭ぐらいに発送すれば大丈夫でしょう。一応私としては、1回は指揮者練習が入った時点で作りはじめようと思っているものですから。やはり、実際に指揮者が来てみると、その紹介記事の中身が結構変わったりしますからね。今度も、やはり篠崎さんを「生」で見てみないと、確かな印象は書けませんでしたね。
 ですから、やっときのうから作り始めて、今日には何とか出来上がったので、チェックのために団長に送ったら、「曜日と時間が違ってます」とさっそくダメを押されてしまいましたよ。一番大事なところで間違えて、どうするんでしょう。というか、これは前に作ってあった企画書をそのまま日付だけ直して使いまわししているものですから、ついうっかり書き換えを忘れていたんですね。
 それともう1点、プレイガイドが一つ少なくなっているという連絡もありました。もうチラシやポスターが出来上がった段階で、いつものように業者さんがチケットを置きに行ったら、先方から「一方的に断られた」というのですね。まあ、そこは実際はほとんど売れていませんでしたから、別にそこがチラシに載っていたからと言ってそんなに影響はないだろうという判断で印刷のやり直しなんかは考えなかったようですが、一応、「エスパル」ではもうチケットは扱っていないということを、もし何かの機会があれば他の人に伝えておいてくださいね。
 そもそも、あそこだけは他のプレイガイドと違って、手続きはやらら面倒くさかったんですよね。確か「誓約書」みたいなものまで書かされたような。ですから、あちらから断ってきたのは、こっちにとっては都合がよかったのかもしれません。
 もう一つ、手を付けたのが、「森の都合」関係の仕事です。去年2回開催した演奏会の録音が、まだ編集してなかったので、それをきちんとCDに入れるためのインデックス付けを頼まれていたのですよ。ただ、私が使っている編集ソフトだと、インデックスを付けるとその部分に空白が出来てしまうことがあるので、ちょっとそれは使いたくないのですね。というのも、夏の演奏会ではメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏したのですが、その曲は楽章の切れ目がありません。そこに下手にインデックスを打つと、せっかく続けて演奏しているものがブッツリと切れてしまいますからね。ですから、私の場合はかなり原始的に、きっちり楽章ごとに切れ目が合うように分割してファイルを作り、それをメディア・プレーヤーで単純にCD-Rにコピーしています。それで、見事に楽章間はつながっていました。1楽章と2楽章の間には、ファゴットとフルートのソロがロングトーンを吹いてつなげているのですが、そのフルート(私が吹いています)の音が、なんだか自分でもびっくりするほど立派な音だったので、ちょっとうれしくなりましたね。でも、メインの「イタリア」では、4楽章の頭の大事故がもろに分かってしまってがっかりです。いつもはピッタリ合っていた2本のフルートが、もう音符半分ぐらいずれているんですから、これはある意味とても貴重な記録になりました。杜の都合の仕事はもう一つあるのですが、それは来週にならないと本腰を入れられませんね。
 他の人の仕事では、今日になってFacebook用のカバー画像が出来上がってきました。それを公開するや否や、もうあちこちから「いいね」の山です。このサイズになっても、やっぱりOさんのデザインはかっこいいですね。
 これは、こちらにフルサイズの画像がありますから、使いたい方はご自由に使ってください。Facebookの「顔」が立派になって、宣伝にもなるんですから、なによりです。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-25 23:56 | 禁断 | Comments(0)
VERDI/Missa da Requiem
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Margaret Price(Sop), Jessye Norman(MS)
José Carreras(Ten), Ruggero Raimondi(Bas)
Claudio Abbado/
Edinburgh Festival Chorus(by John Currie)
London Symphony Orchestra
ARTHAUS/109178(BD)




前にも聴いたARTHAUSの「ハイレゾ・オーディオBD」は、そのパッケージもちょっとユニークな仕上がりです。どうです、この重厚な、まるでハードカバーのような装丁は。しかも、あたかも古書であるかのような汚し方が、なかなか素敵ですね。これで背クロスが本物の布だったら感激ものなのですが、あいにく印刷ぬのでした。

これは、ディスクの収納の仕方も変わっています。このようにボール紙を重ねて隙間を作り、その間にBDをスライドして入れるようになっています。

ですから、信号を読み取る面を直接滑らせる、ということになるので、そこで傷が付いたりしないか、神経質な人だと気になるかもしれませんね。でも、安心してください。その、ディスクに直接接触する面は、紙の上にポリエチレンがコーティングされているのです。そうなると表面は平滑ですし、ポリエチレン自体は柔らかい樹脂ですから、傷がつくことは決してありません。試しに何回も出し入れしてみましたが、全然傷なんかつきませんでしたよ。このパッケージは薄いので、プラスティックスのものより収納スペースが少なくて済みます。この形が標準になってくれるとうれしいのですが。
今回のアイテムは、1982年に収録されたヴェルディの「レクイエム」です。前回のモーツァルトのレクイエムは音がいまいちでせっかくのハイレゾでもあまりメリットは感じられなかったのですが、これはどうなのでしょう。一応映像ディレクターが、あのバーンスタインの多くの映像を手掛けたハンフリー・バートンなのですから、期待はできます。もっとも、一番期待をしていたのは、メゾソプラノのジェシー・ノーマンですけどね。彼女がこの曲を歌っているのを聴くのは、これが初めてです。
オープニングでステージの全景が映った時には、その合唱の人数の多さに驚かされます。会場は1914年に完成したという由緒ある「アッシャー・ホール」というところですが、客席は2,900人収容という巨大な建物で、ステージにも大きなオルガンが設置されています。その前の階段状の客席を埋め尽くしたのは総勢300人はいるのではないかという合唱団です。オーケストラのサイズは16型、管楽器も楽譜通りで特に補強はされてはいません。
その合唱が、大人数にありがちな大味のところは全くなく、とても繊細で表情が豊かです。ですから、冒頭の「Requiem」というソット・ヴォーチェには鳥肌が立つほどの緊張感が漂っていました。もちろん、「Dies irae」のような大音量のところはもう怒涛の迫力、そのダイナミック・レンジの広さには驚かされます。さすがに「Sacntus」あたりではアンサンブルが乱れてしまいましたが、それは仕方がないでしょう。「Libera me」のフーガなどは、見事に立ち直っていましたからね。一応楽譜は持っていますが、しっかり指揮者は見ているようでした。その楽譜が、使い古してボロボロになっている人もいて、さすがに歌いこんでいるのでしょう。
ソリストでは、やはりジェシー・ノーマンは圧倒的な素晴らしさでした。そして彼女とともに素晴らしかったのが、ソプラノのマーガレット・プライスです。この二人の掛け合いで始まる「Recordare」では、一人ずつで歌う時にはお互いが全く異なる方向性を見せて、まるで二人が牽制し合っているようなスリリングなことになっているのですが、一緒に歌っている時には本当に見事な、まるで奇跡のようなアンサンブルが実現していました。この曲のソリストはそれぞれ声を張り上げてばかりだと常々思っていたのに、こんなこともできるんですね。もちろん、「Agnus Dei」のオクターブ・ユニゾンは完璧です。余談ですが、プライスという人はマツコそっくりですね。

録音は、これだけの大人数の合唱がほとんど歪みもなく聴こえるというかなりのクオリティでした。ただ、オーケストラに関してはちょっと雑な音になっていましたね。

BD Artwork © Arthaus Musik GmbH
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by jurassic_oyaji | 2016-02-24 21:59 | 合唱 | Comments(0)
まだ、もう2曲残ってます
 「かいほうげん」のコンテンツは、予想通りきのうのうちに全部出来上がりました。しかし、そこで帰宅時間になってしまったので、残りは自宅に持って帰って作業を行うことにしました。つまり、今回の分のかいほうげんのデータが1つのフォルダーに入っているので、それを丸ごと持って帰ったのですね。
 そして、自宅で印刷用の集合ファイルを作ることにしました。大体1ページとか2ページで一つのトピックスを作っていたので、それらを全部つなげて16ページのものにする作業です。これはWORDで作っていますが、こういうのをするときには「挿入」の「オブジェクトを挿入」から「テキスト」を選んで挿入すれば2つのファイルがつながります。これを、何回も繰り返すんですね。これはもう何回となくやっている作業なのですが、だいぶ前にも書いたように、これには完全に同じものはコピーされない、という欠陥があるのですよ。段落内の文字数が、半字分だけ少なくなってしまうんですね。ですから、コピーされたものは下手をすると大幅にレイアウトが狂っていたりします。そのために、すべての段落を半字分だけ広げてやらなければいけないのですよ。これは、新しいバージョンになっても一向に改良されることはありません。困ったもんです。
 そんなWORDの欠陥を挙げればきりがないのですが、一番間抜けだと思うのは、文書の中に挿入したいものを同じフォルダーに入れておいても、最初は決してそのフォルダーが開かれないということです。どうでもいいようなことに親切なふりをしていろんな機能を与えているというのに、こんな簡単なことがいつまでたっても出来ていないんですからね。開発者たちは、実際にこのアプリを使ったことがないのではないか、と思えてしまいますよ。
 そんな不自由さを乗り越えて、作業は終盤に取り掛かり、例の末廣さんの原稿のページを挿入するときになったら、なぜかフォルダーの中にそのファイルがありません。それこそ、一番楽に仕事ができるように、すべてのものをフォルダーに入れていたはずなのに。ですから、それだけ別のフォルダーに入ってしまっているのでしょう。それは職場のPCにしかありえませんから、もうそれ以上の作業は出来ませんね。仕方がありません。残りは今日に持ち越しです。
 今日になって職場で調べてみると、それは確かにありました。つまり、前に作った同じ書式のファイルをそのまま名前を変えて保存したはずなのに、その元のファイルにそのまま上書きしてしまったのでした。いつかはやるのでは、と思っていたことが実際に起こってしまっていたのでした。しかし、それよりもっとひどいことに、せっかく作ったファイルを、自宅に忘れてきてしまったんですよね。また、最初からやり直しです。まあ、今回は書式のズレも予測できますから、それを見越してやったのでいくらかストレスは少なかったのですが、無駄なことをしてしまいました。
 やっと出来上がったものを印刷して、最後のチェックです。まあ、そこでもいろいろ手を入れたいことが出てきますから、適当なところで終わらせないと、いつまで経ってもできあがりませんね。とにかく、最後の最後まで最善を尽くしましょう。でも結果的には、そんなことをやったためにひとつミスがでてしまって、それに最後まで気づかずに全部印刷してしまったんですけどね。この中に、そんなミスがありますから、探してみてください。
 今回印刷や製本をしている時には、単純作業の繰り返しなのでついでに暗譜をしてみようと思いました。もう曲の最初から最後まできちんと頭の中には入っているはずなので、それを何も見なくてもすぐ出てくるような訓練です。これは、まだ楽譜を見ないと歌詞が出てこない段階では製本作業に支障が出てしまいますが、今だったら大丈夫でしょう。確かにいちいち確認しなくてもきちんと最後まで歌えるようになっていましたね。つっかえつっかえですけど。ですから、紙を折ったりホチキスでとめたりということをやりながら、それが滑らかに出てくるまで、何回も繰り返していました。ちょうどいい段階で、こういう作業が入ったのですから、なんかお互いに得をしたような気になりますね。とても有効に時間を使った、というか、これできのうの無駄な仕事の元を取ったのではないでしょうか。まあ、暗譜の成果は、もう少し経たないとわかりませんが。
 そういえば、この歌の最後の歌詞は「à la montagne!」というのですが、これは日本語だと「山へ!」ということになりますね。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-24 00:03 | 禁断 | Comments(0)
上野耕路/NHK土曜ドラマ「逃げる女」オリジナルサウンドトラック
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大井浩明(Pf, OM, Keyboards)
NHK/NGCS-1063




上野耕路さんという作曲家の名前は、映画やドラマの音楽でよく目にしていました。最近では「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」とか「マエストロ!」の音楽を担当されていましたね。
そんな上野さんが担当したテレビドラマの音楽に、ピアニストの大井浩明さんが参加しているという情報を、ご本人からの情報メールによって知ることが出来ました。大井さんと言えば、かつてクセナキスの難曲「シナファイ」を見事に弾ききったピアニストとしてほとんどアイドル的な存在でしたが、最近では例えば一柳彗のピアノ曲全曲演奏とか、やはり精力的に「秘曲」の発掘など精力的な活動をなさっているようです。
その大井さんのメールによれば、そのドラマの音楽ではオンド・マルトノも弾いていたというのですね。かつてN響でデュトワがメシアンの「神の降臨のための3つの小典礼」を演奏した時にオンド・マルトノを演奏されていたので、こんな楽器まで演奏しているんだ、と思ったものです。
ですから、大井さんの最近の演奏、中でもオンド・マルトノによるものを聴いてみたかったので、そのドラマのサントラ盤を入手してみました。まずクレジットをチェックして驚いたのが、そのオンド・マルトノが日本で作られていたということです。それは、「浅草電子楽器製作所」という、まるで「下町ロケット」にでも登場するような社名の会社でした。モーリス・マルトノが作ったこの楽器は、彼のアトリエでずっと作られ続けていたのですが、最近はもはや新しい楽器を作ることが出来なくなっていたということで、そんな日本の会社に背中を借りるようになっていたのでしょうか(それは、「オンブ・マルトノ」)。
サントラを作っている上野さんというのは、かつては「ゲルニカ」というバンドをやっていたそうです。戸川純という、今だと椎名林檎みたいな悪趣味なヴォーカルが参加してましたね。歌は大っ嫌いでしたが、音楽そのものは適度に尖がっていてなんか気になるバンドでした。その上野さんが、今では映画音楽になくてはならない人となっているようで、こんな形でその音楽を面と向かって聴くのはとても楽しみでした。
演奏しているメンバーは、木管五重奏プラス弦楽五重奏という、基本クラシックのユニットと、ドラムスやパーカッションのリズム隊、そこに、大井さんのピアノやキーボードがほとんどの曲で加わるという編成です。想像していた通り、サティとかメシアンを思わせるようなテイストがプンプン感じられるような音楽が、まずベースになっているような気がします。メイン・テーマとかエンディング・テーマのような、はっきりとしたコンセプトを示す必要のある曲では、そういう感じのメロディアスな作り方がされているようでしたね。そのエンディング・テーマで登場するのが、オンド・マルトノです。6/8の拍子に乗って、美しいのだけれどどこか醒めたところのあるメロディが、最初にオンド・マルトノのソロで歌われます
その他にも、それとは全くテイストの異なる曲も用意されているというのは、ドラマのシーンによってさまざまに使われるような「需要」を満たすものなのでしょう。中には、ゴングやスティールパンなどのパーカッションだけで演奏されているものもあって、音だけで聴くとそれがほとんどメシアンのように聴こえるのが面白いところです。
実は、このドラマは見てはいなかったのですが、これを聴いてあわててまだ放送されていた最終回だけを見てみました。そうなると、音楽が見事に主張をかくしてドラマに奉仕し始めているのがよく分かります。これはなかなかのセンスではないでしょうか。ただ、これはある意味サービス精神の表れなのでしょうが、トラック13の「絶望」というタイトルの曲は、あまりにいかにもな甘ったるさで、ちょっとがっかりさせられます。

CD Artwork © NHK Publishing Inc.
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by jurassic_oyaji | 2016-02-22 21:57 | 現代音楽 | Comments(0)
駐車場は10時に閉められます
 2日連続の、オケ三昧でした。昨日と今日はニューフィルでの篠崎さんとの練習、それが終わって今日の夜には杜の都合の練習です。
 きのうは、私が篠崎さんをお出迎えする役を仰せつかっていました。2時からの練習に間に合うように、会場までお連れする、という役目です。最初は駅まで迎えに行くつもりだったのですが、打ち合わせをしている中で篠崎さんは駅から歩いて東口のホテルまで来るので、そこで待ち合わせ、ということになっていました。そのホテルは、大きな通りに面していて、割と自由に路上駐車が出来るようになっています。それで、新幹線が到着する時間は分かっていたので、降りてからそこに着くまでの時間を見計らって、それに間に合うようにその道路で待っていました。そうしたら、予想通り駅の方からスーツケースを転がしてマスクをした篠崎さんが歩いてきましたよ。
 車から降りて手を振ると、すぐに分かったようで、路上で再会の握手です。チェックインと着替えを済ませたら、私の車に乗せて旭ヶ丘に向かいます。ちょっと時間がタイトだったので渋滞のないはずの裏道をいったら、ほんの15分ぐらいで着いてしまいましたよ。会場のそばに来ると、篠崎さんは昔このあたりに来たことを思い出したようですね。うん、確かに、あの時も同じ旭ヶ丘の市民センターで初練習でした。今回はお隣のホールですけど。
 篠崎さんがニューフィルの指揮台に立つのは16年ぶり、その間には世界中で重要なポストを獲得して、キャリアを積んでこられましたからその頃とはもはやランクがぜんぜん違ってきています。ですから、練習のやり方などもだいぶ変わっているのでは、と思っていたのですが、実際にリハーサルが始まると、あの時のまんまのとても丁寧な指導ぶりでした。いや、「指導」というのではなく、あくまで最良の指針を与えてくれて、一緒に「よい音楽」を作っていこうというやり方です。その結果、もう最初の音からして、今まで練習してきたときには聴くことのできなかったようなすごい音が出ているんですからね。
 時間をいっぱいに使うのも、昔と同じでした。2日目などは、昼食の時間を返上して、休みなしで弦と管の分奏までやってくれましたからね。本当に、与えられた時間をフルに使って、「よい音楽」を作るために情熱をかけていただいて、とても充実した時間を過ごすことが出来ました。
 1日目の練習後には、歓迎会が開かれました。すぐそばにあるイタリアン・レストランが会場です。今まで他の指揮者がいらっしゃった時にもよくここで歓迎会を開いていましたが、その時は丸テーブルに収まるぐらいの人数しか参加してなかったものが、今回は違います。
 これだけの人が参加したので、別のテーブルも用意してもらいましたね。そちらは最初は篠崎さんの話の輪に入れなかったのですが、もう最後の方は入り乱れて篠崎さんのまわりを取り囲んでいましたね。
 世界中のオーケストラを振ってきた篠崎さんですが、そんな昔に指揮をした一介のアマオケのニューフィルとのことをとてもよく覚えていたのには驚かされましたね。とてもいい演奏が出来たので、ぜひもう一度共演したいと、本心から思っていたそうなのです。それだけでもうれしくなってしまいます。今回はまだエキストラも全員揃っていなくて、やはりちょっとしょぼい編成でしたが、これから人数も増えてくるとさらに充実した演奏に確実に変わっていく予感です。結局、歓迎会は11時近くまで続きました。
 2日目の今日は、朝の10時から、それがきっちり午後4時まで続き、そのあとは私は5時半から同じ館内の別の会場での杜の都合でさらに練習です。こちらは、弦楽器がこの前より増えていて、さらに充実した音になってきました。ただ、途中でフルートのAちゃんが用事があって帰ってしまったので、私一人で全部の曲をやらなければならなくなったのは、予定外でした。「未完成」のトップは大過なくこなせましたが、序曲はもう私が吹くつもりは全然なく、任せてあったので、いきなりものすごいソロを吹かされて、あえなく撃沈です。それから楽器運びなども手伝って、終わったのは午後の10時でした。いやあ、さすがに疲れました。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-22 00:09 | 禁断 | Comments(0)
SIBELIUS/Swanwhite
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Riko Eklundh(Narr)
Leif Segerstam/
Turku Philharmonic Orchestra
NAXOS/8.873341




セーゲルスタムのシベリウス劇音楽全集、今回は「白鳥姫」を中心としたアルバムです。
これはスウェーデンの作家アウグスト・ストリンドベリが1901年に、30歳年下の婚約者、女優のハリエット・ボッセのために作ったおとぎ話風の戯曲です。なかなか粋なことをするな、と思うかもしれませんが実はこれがストリンドベリの3度目の結婚で、それも3年後には破局を迎えるのですから、複雑です。もっとも、ボッセの方もそれからさらに2度他の男と結婚するのですから、まあいいんじゃないですか。
しかし、そんな彼女がこのシベリウスの劇音楽を産むきっかけとなっていたのですから、面白いものです。ボッセは、1905年にシベリウスが音楽を担当して上演されたメーテルランクの「ペレアスとメリザンド」で、メリザンドを演じていたのです。彼女は公演の間中、「メリザンドの死」の場面で流れる音楽の素晴らしさに、ベッドに横たわって涙にくれていたといいます。そこで彼女は、もう別れていたストリンドベリに、先ほどの、まだ実際にステージで上演されたことのない「白鳥姫」でもシベリウスに音楽を付けてもらったらいいんじゃない?と進言しました。
それはすんなり実現することはありませんでしたが、最終的にスウェーデン劇場の委嘱という形で、1908年の4月に上演が行われます。その後、1909年には、演奏会用の組曲もシベリウス自身の手で作られます。
劇の主人公「白鳥姫」は、侯爵の娘ですが、母親は実は白鳥だったという、不思議な設定、その侯爵の後妻は3人の連れ子がいるというのは、なんだか「シンデレラ」に似ていますね。姫は遠くの若い国王との婚約が決まっているものの、その国王がよこした家庭教師である王子と恋に落ちます。そこに待っていたのは悲しい結末、しかし、愛の力ですべては救われるというお話です。
このCDで聴けるのは、組曲版ではなく、最初の劇場音楽のバージョンです。この頃の演劇の「劇伴」は、もちろん今のように録音したものを使うわけではなく、「生」のオーケストラが演奏していたのですが(指揮はシベリウス自身)、オペラではないのですからそんなに大編成のオーケストラを使うわけにはいかないでしょうね。これを聴いてみても、弦楽器はかなり少ない人数のような気がしますし、それ以外の楽器もフルートとクラリネットとホルンが1本ずつ、それにティンパニという、非常にシンプルな編成です。「ハープを弾きましょう」というタイトルのナンバーでも、そこで実際に演奏されているのは「ハープ」ではなく、ハープを模倣した弦楽器のピチカートだったりします。
音楽は、そのような「おとぎ話」にふさわしい、とても親しみやすいもので、何かグリーグのようなテイストも見られます。例えば第2幕の「継母:花嫁はどこに行ったの?」というナンバーなどは、「ソルベーグの歌」を思わせるようなメロディとエンディングの味付けです。デミグラスソースで(それは「ハンバーグ」)。そして、第3幕の終わりに演奏される大団円の音楽は、弦楽器の朗々たるコラールが愛の力を高らかに歌い上げる壮大な音楽です。
ところで、第3幕の初めに演奏される「白鳥姫」というナンバーは、弦楽器のピチカートとフルートのスタッカートが印象的ですが、これはのちに交響曲第5番の第2楽章(現行版)に転用されることになります。
これをコンサート用の組曲版に直した時には、シベリウスはオーケストラを普通の2管編成に拡大し、打楽器もカスタネットやトライアングルを加えました。それによってオーケストレーションは全く別のものに変わりましたが、それ以上に曲の構成自体が大幅に変更されています。このジャケットの写真は孔雀ですが、それは7曲から成る組曲版の最初の曲のタイトルの「孔雀」に由来しているのでしょう。しかし、こちらのタイトルは「鳩」、それはフルートとクラリネットのユニゾンで執拗に繰り返されている「E」の音で表現されているのでしょう。組曲版では、姫のペットの孔雀がついばむ音が弦楽器のピチカートとともにカスタネットで描写されていますが、劇音楽版ではもちろんカスタネットはありませんし。
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by jurassic_oyaji | 2016-02-21 00:08 | オーケストラ | Comments(0)