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O LISTEN! to the Music of Uroš Krek & Else Marie Pade
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Martina Batič/
Danish National Vocal Ensemble
OUR RECORDINGS/8.226924




デンマークのプロフェッショナルな合唱団、デンマーク国立ヴォーカル・アンサンブルは、2007年に現在の形になったのだそうですが、そのアルバムはずっとこのデンマークのレーベルからリリースされています。それが、今回は9枚目になっています。前回のリゲティとコダーイのアルバムは、こちらで聴いていましたね。その時の首席指揮者はマーカス・クリードだったのですが、ここでは2023年8月に新たに首席指揮者に就任した、スロベニア出身のマルティナ・バティッチが指揮をしています。離婚はしていないようですが(それは「バツイチ」)。
彼女の名前は初めて聴きましたが(サブスクでは、このアルバムがデビュー)、彼女はあのエリック・エリクソンに師事していて、2006年にはその名を冠した合唱指揮者コンクールで優勝しています。そして、現在では、ノルウェー・ソリスト合唱団やバイエルン放送合唱団を始めとした多くのヨーロッパの有名な合唱団との共演も果たしています。さらに、彼女はこの合唱団の他にも、2024年からはポルトガルのグルベンキアン合唱団の首席指揮者も務めています。
このアルバムに登場するのは、彼女の故国スロベニアの作曲家、ウロシュ・クレークと、デンマークの作曲家、エルセ・マリー・パーゼという、初めて名前を知った2人です。アルバムタイトルが「クレークとバーゼの音楽を聴け!」というぶっ飛んだものなのが、楽しいですね。
前作のリゲティなどのアルバムでは、SACDで、録音はDXDという、最もハイグレードなフォーマットで録音されていたので、期待していたのですが、その音はそれほどのものではなかったので、ちょっとがっかりしていました。今回も、その時と同じフォーマット(さらにドルビー・アトモス対応)に、同じ録音スタッフ、そして録音会場まで同じということで、音に関しては全く期待していなかったのですが、やはりがっかりするような音でしたね。同じフォーマットで録音しているノルウェーの「2L」の足元にも及ばない、冴えない音でした。
でも、合唱団のスキルは極上でしたね。もちろん、すべて初めて聴く曲ばかりでしたが、それらに見事な生命を与えているな、と感じられました。
最初のクレーク(1922-2008)は、すべてア・カペラの曲です。全部で7曲歌われていますが、それぞれに魅力的で、実際に歌ってみたくなるものばかりでした。1曲目の「O Listen!」というタイトルが、アルバムのタイトルになっているんですね。最後の曲などは、カール・オルフを思わせられるような、開放的な感じでした。
パーゼ(1924-2016)の方は、もう少し込み入っています。前半は、やはりア・カペラで、本当に心地よい、まるでロマン派の合唱曲のようなシンプルなハーモニーや、さらにはもう少し前のグレゴリアン・チャント風な女声合唱の曲などで、和ませてくれました。
それが、後半には、一転して、何ともアヴァン・ギャルドな音楽に変わるのですよ。なんでも彼女は、デンマークで初めて「電子音楽」を手掛けた作曲家なんだそうですね。
ですから、その「マリア」という曲も、彼女自身が作った「電子音」のトラックをスピーカーで鳴らしながら、合唱団が歌う、という形で録音されていたようですね。この曲は1980年に作られていますが、このトラックは、1972年に、プリペアド・ピアノの音などを変調して作ってあったものなのだそうです。
それは、11の小さな曲に分かれているのですが、それぞれに「Venerari(崇拝される)」、「Amare(愛する)」、「Mirari(驚く)」、「Pati(傷つく)」、「Contristari(嘆く)」、「Desidare(願う)」、「Judicare(裁く)」、「Scire(知る)」、「Orare(祈る)」、「Sanctificare(神聖にする)」、「Vivere(愛する)」という、聖母マリアの挙動を示すラテン語のタイトルを、ソプラノ・ソロが電子音をバックにとても技巧的なメリスマで歌います。その後、ちょっとしたポーズがあって、今度はバリトンのソロが、ミサ曲の「クレド」の中のテキストの断片を朗々と歌い、その後に合唱が、ほとんどクラスターでそのテキストを語る、という構成になっているのです。ただ、7曲目の「Judicare」だけは、なぜかソプラノのバックには電子音は使われず、7本のトロンボーンがコラールを演奏しています。

CD Artwork © Naxos Global Logistics GmbH

# by jurassic_oyaji | 2025-02-18 23:05 | 合唱 | Comments(0)
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 ニューフィルの演奏会まであと2か月となりましたが、そのさらに半年後にも、演奏会は予定されています。そんな感じで、日々の活動が続いているのですね。ということで、その、今年の11月に予定されて演奏会での曲目が、どうやら全部決まったようですね。まあ、いつものように、ランダムに出てきた希望曲の中から取捨選択して、何曲かに絞って指揮者の意見を聞く、という作業を行うわけです。その際に、例えばハープなどが入る曲が短い曲1曲だけにしかない、なんてことになると、その曲は外されたりすることになります。
 ですから、そのために必要な、曲で使う楽器の編成はとても大切なデータになってきます。そんなリストを、私は毎回作っているのですね。ですから、たまに選曲の時にそれが間違っていたりすると、まさに針の筵ですね。
 ただ、私がまず参考にしたのが、昔からネットにある「管弦楽編成表」というサイトなのですが、それは結構間違いが多いようなので、ちょっと怪しいものは他のデータを参考にしたりしていましたね。
 今回の11月の演奏会の時の選曲会議では、メインはドヴォルジャークの7番にすんなり決まったのですが、それの前の曲については、あまりに希望曲が多すぎたので、どうしても演奏出来ない曲だけをのぞいて、それらを、ハープが入ったものと入らないものとに分けて、それぞれのグループから何曲か指揮者に選んでいただくことにしました。
 そして、その回答が何組か来たので、その中から技術委員の投票で、最終的には「ハープなし」の中の「モーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』序曲」と、「ファリャの三角帽子第1、第2組曲」に決定しました。
 ところが、そのあと、さる委員から「三角帽子にはハープが入っている」という指摘がありました。私のリストではハープはなかったのに、スコアを調べたら入っていた、というのですね。私も調べてみたら、確かにハープは入っていました。私のミスです。
 ただ、そこで先ほどの「管弦楽編成表」(→こちら)を見直してみたら、最初に出てくる全曲版のところで、ハープが記載されていませんでした。私は、これを見てハープなしにしていたのですね。ところが、その下には「第2組曲」があるのですが、そこにはちゃんとハープが入っているのですよ。私は、そこまでは見ていなかったようですね。というか、これを作った人は、全曲版を直そうとは思わなかったのでしょうかね。
 まあ、結局、ハープが入っても構わないということになったようですから、さっそくこの曲を聴いてみようと思いました。これはだいぶ前に演奏したことがあったのですよね。それは、ニューフィルのサイトを見ればすぐに分かります。2008年4月の第47回定期演奏会でしたね。そこから音源も聴けるのですが、とても素晴らしい演奏でしたね。というか、私も吹いていたはずなのに、全く記憶にありません。これも調べてみたら、私は3番フルート(ピッコロ持ち替え)を吹いていましたね。これは第2組曲にしかないパートだったので、ほとんど覚えていなかったのでしょう。
 手元には、その時のパート譜も全部あったので、早速吹いてみたら、意外と簡単でしたね。演奏を聴くととても難しそうでしたけど。そのパート譜は、その時には手書きのレンタルでしたね。それが、今では!MSLPで同じ物が簡単にダウンロードできます。もちろん、手書きの汚い楽譜ですけど。ただ、第2組曲だけですが、最近浄書されたような、とてもきれいなパート譜もアップされていました。しかも、それはレンタル譜で間違っていたところも直っていましたね。第1組曲も、だれか浄書してくれないでしょうかね。
 きのうは、先週の火曜日に渡された、今度の演奏会のチラシとポスターを、まとめて届けていました。いつもは近いところが4ヶ所ぐらいなのですが、今回はお休みしている人がいて、その人たちの分も引き受けていますから、全部で9ヶ所、しかも、場所が泉区から宮城野区まで、かなり広範囲に広がっていました。それで、しっかり、その経路を考えて、できるだけ最短距離で済ませられるように考えてみました。スタートは南吉成(①)、そこから泉中央の図書館(②)、さらに青葉区の水の森(③)と三本松(④)を経由して、宮城野区の幸町(⑤)から岩切を通って田子(⑥)と福室(⑦)、そして、引き返して市内の戦災復興記念館(⑧)と片平(⑨)、というルートですね。
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 市民センターにはみんな駐車場があるので大丈夫なのですが、久しぶりに行く泉図書館は、有料の駐車場だったので、ちょっとズルをして、その向かいにある電気屋の駐車場に入れてみました。そうしたら、かなりの人がお子様連れで、そこから図書館に行ってましたね。図書館では「近隣の駐車場には停めないでください」と言っているというのに。いや、私も同罪ですけどね。
 あとは、久しぶりに行った田子では、完全に道に迷ってしまいました。そんなロスがあったので、家を出てから帰るまで4時間もかかってしまいましたよ。
# by jurassic_oyaji | 2025-02-17 22:02 | 禁断 | Comments(0)
BACH/Messe in h-moll
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Teresa Stich-Randall(Sop)
Anna Reynolds(MS)
Ernst Haefliger(Ten)
John Shirley-Quirk(Bas)
Lorin Maazel/
RIAS Kammerchor
RIAS-Symphonie-Orchester
DECCA/00028948703210




こんな懐かしい「PHILIPS」のロゴが入ったジャケットを、サブスクの新譜案内で見ることが出来ました。この、かつては音楽業界でカセットテープ、そしてCD、さらにはSACDの誕生に大きな貢献を果たしていた電機メーカーの子会社として1950年に創設されたオランダのレーベルは、1999年にはDECCAに吸収されて、完全に消滅していたのですね。
今回のアルバムは、1965年に録音されたバッハの「ロ短調ミサ」です。指揮者がロリン・マゼールということで、ちょっと彼のレパートリーからは外れるような気がしますが、おそらくそれは現代のバッハ受容のシーンからの視点なのでしょう。おそらく、この頃はバッハはしっかり「クラシック」として、シンフォニー・オーケストラの指揮者にとっては欠かせない作曲家だったのでしょうね。
まずは、なんと言っても古いアナログ録音ですから、劣化はかなり激しいものがあり、特に合唱のクオリティは、かなりひどいことになっていました。それはもう仕方のないことですが、オーケストラではそれほど気にならず、なかなか楽しめます。
そして、これもその時代の録音技術を反映しているのでしょう、実用化されてそれほど年数が経っていないステレオ録音の効果を、可能な限り取り込もうという積極的な姿勢を感じることができます。具体的には、もちろんオーケストラや合唱の配置は左右いっぱいに広がっていますが、ソリストでも、デュエットになるとしっかり右と左に定位されていますからね。
そして、マゼールの指揮は、聴く前に想像していたものとは全く違っていました。彼の演奏は輪郭がきっちりしたハードなもの、という印象があったのですが、ここでは、まずテンポがかなり遅めでよく歌い、オーケストラもとてもふくよかでソフトなサウンドに仕上がっていたのです。これには、かなり驚かされました。
そして、それよりも驚いたのが、この時点で彼が「新全集」の楽譜を使っていたことでした。ご存知のように、バッハの作品はまず、19世紀半ばからその作品全集の編纂が始まり、その成果はブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版されました。それがいわゆる「旧全集」になるわけですが、20世紀半ばになって、もっと精密な研究の成果を反映させた「新全集」の編纂が始まり、それはベーレンライター社から出版されます。特に、この「ロ短調ミサ」は、1954年に全集として最初に出版されたという、記念碑的なものでした。
ただ、それが実際にコンサートやレコーディングの現場で使われるようになるまでには、しばらく時間が必要だったようで、例えば名盤の誉れ高いカール・リヒターの録音は1961年に行われたにもかかわらず、まだ旧全集を使っていたのですね。ジャケットだけは、現在ではこれすらも否定されている新全集のタイトルですが。
ですから、カラヤンのような大御所になると、1973年になっても依然として旧全集を使って大袈裟な演奏を繰り広げていたりします。そして、これまで知り得た範囲で最も早く新全集を使っていたの有名な指揮者は、1967年に録音を行ったクレンペラーだったのですが、マゼールはそれよりも2年前にすでに新全集による録音を行っていたことになります。
ご参考までに、そのチェックポイントをご紹介すると、はっきりした違いが2ヶ所あります。1ヵ所目は、「Gloria」の2曲目の「Et in terra pax」で、冒頭の合唱に続いてオーケストラだけの部分が続いた後のフーガのテーマです。

自筆稿では赤枠の中は「付点八分音符+十六分音符」ですが、

旧全種では「八分音符+八分音符」になっています。

新全集では、それは直されて自筆稿の通りになっています。

そして、もう1ヶ所は、テノールのアリア「Benedictus」のオブリガートの楽器が、旧全集ではヴァイオリン・ソロ、新全集ではフルート・ソロ、という点です。これは、自筆稿にはそもそも楽器の指定がありませんでした。
その「Benedictus」ですが、何を勘違いしたのか、イントロはとんでもなく速いテンポで始めていましたね。ソロが入ってくると、ゆっくりしたテンポになるのですが。これを歌っていたヘフリガーはさすがでした。シュティッヒ=ランダルのソプラノも良かったですね。

Album Artwork © The Decca Record Company Limited

# by jurassic_oyaji | 2025-02-16 20:56 | 合唱 | Comments(0)
櫻家を超えたロースかつ
 今日のお昼ご飯は、愛妻と外食です。だいぶ前から、「南吉成の環状線沿いにあるとんかつ屋さんがおいしいというので、食べてみたい」と言っていたので、そこに行くことにしました。ただ、私はかなり前ですが、そのお店で食べたことがあったのですが、なんかパッとしない味だったような記憶しかありません。それでも、最近よく行っている「かつ丸」という、ちょっと単価の高いお店も、何度か行ってみたのですが、なんか物足りなかったので、まあそれほど期待せずにそのお店に行ってみることにしました。
 そうしたら、まず、お店の名前が変わっていました。以前は、確か「かつ兵衛」だったような気がするのですが。
 そして、中に入って驚いたのが、こういうチェーン店では当たり前のタブレットがない、ということでした。そして、テーブルには呼び出し用のブザーが付いています。確かに、まず、冷たい麦茶を持ってきたお姉さんは、「ご注文はボタンで」と言ってましたね。
 メニューを見ると、おすすめのメニューでは、かなり値段が高かったですね。グランドメニューだとかなり安くなるようですが、ここは奮発して、そのちょっと高い「特選ロースカツ」を注文しました。どうやら、ここもかつ丸のように、ご飯とキャベツは食べ放題のようですが、ここではちゃんとコーナーがあって、そこに行って自分で好きなだけ取ってこれるようになっているみたいでした。
 そして、ロースカツが出来てきました。定食は、みそ汁の他に漬物(キュウリと大根)が付いてきましたね。まずは一口かじってみると、とてもジューシーな感じで、脂身の甘さが心地よく感じられました。これは、私がこれまでに一番おいしいと思っていた、あの「櫻家」の味を思い出させてくれるような、おいしさでした。とにかく、火加減が絶妙なんですよね。もちろん、これだったらもうかつ丸との差は歴然としています。あそこは、いつ行っても、揚げ方にムラがありますからね。いやあ、うれしいですね。こんなところで「櫻家」並みのロースカツに出会えるなんて。
 いや、「櫻家」の場合、お皿の上で油に沁みたコロモがはがれてしまうことがあったのですが、ここではちゃんと網の上に置いてあるので、そんなことはありませんでしたし。
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 もちろん、キャベツはしっかりお代わりしましたよ。次に来たときには、グランドメニューにある、このちょっと安い肉を試してみましょうかね。おそらく、それほど遜色はないような予感がしますから。
# by jurassic_oyaji | 2025-02-15 22:25 | 禁断 | Comments(0)
Bach meets Mozart
Bach meets Mozart_c0039487_19481245.jpg









Irena Grafenauer(Fl)
Frances Lucey(Sop)
Simon Dent/
Südwestdeutsches Kammerorchester Pforzheim
AMATI/AMI 9905




サブスクの新譜に、こんなアルバムがありました。イレーナ・グラフェナウアーがバッハの組曲第2番とモーツァルトのフルート協奏曲ト長調(第1番)を演奏しているというので、その懐かしい名前に惹かれて聴いてみることにしました。
グラフェナウアーというのは、1957年にスロベニアに生まれたフルーティストで、カールハインツ・ツェラーとオーレル・ニコレという、その時代を代表するフルーティストに師事、1977年には、その若さで名門、バイエルン放送交響楽団の首席奏者に就任した方です。そして、その2年後には、ミュンヘンで行われた、おそらく世界で最も権威のあるフルートコンクールに最上位で入賞してしまったのですね。その時には、彼女の同僚がバックで演奏していました。
彼女の演奏は、そのオーケストラのメンバーとして、まず聴くことが出来ました。例えば、ラファエル・クーベリックが指揮をしたモーツァルトの後期交響曲集(SONY)では、その時のもう一人の首席奏者、アンドラーシュ・アドリアンと分担して録音していましたので、比較が出来たのですが、彼女のフルートはその音色と存在感、そしてファンタジーで、「先輩」をはるかに超えていましたね。
さらに、PHILIPSレーベルにも何枚かのソロ・アルバムを残していますが、それらはまさに至宝のような素晴らしい演奏ばかりでした。こんな風に吹けたらいいなあ、と、いつも思っていましたね。
ただ、しばらくして彼女はモーツァルテウム音楽院の教授に就任して、後進の指導にあたるようになったのですが、その頃からばったりレコーディングなどは行わなくなっていたようでした。
そんな彼女が参加した、おそらく2000年に行われたコンサートでのライブ録音が、このアルバムです。その直後にCDでリリースされていたようですが、国内では入手できなかったようですね。それが、こんな形で聴けるようになったのは、うれしい限りです。
そのコンサートは、「イッフェンドルフ・マイスター・コンツェルト」という、ミュンヘンの南東にある町で1990年から行われているものです。その、「10周年」を記念してのコンサートのようですね。タイトル通り、そこではバッハとモーツァルトの作品が演奏されていました。いっぺんは行ってみたいですね。
グラフェナウアーが出演したのは、冒頭に紹介した2曲ですが、その間にバッハのカンタータ202番(結婚カンタータ)、最後にはモーツァルトのディヴェルティメントK251が演奏されていました。カンタータは、ソプラノのソロとオーケストラという編成で、アイルランド出身のフランシス・ルーシーという人が歌っています。おそらく、それを全部収録したらCD1枚には収まらなかったのでしょう。モーツァルトの協奏曲以外は、いくつかの楽章がカットされています。そして、曲の終わりには、熱狂的な拍手も入っていました。
このコンサートは、毎回ラジオで放送されていたといいますから、これもおそらくはラジオ局による録音だったのでしょう。いかにも放送局らしい、基本的に全体の音を収録するという姿勢が見られるサウンドでした。そんな中で、やはりグラフェナウアーのフルートは、オーケストラに埋もれることは決してなく、セッション録音のような明晰さで聴こえてきました。
バッハの組曲は、2曲目の「ロンド」と3曲目の「サラバンド」がカットされていましたが、それは別に気になりません。序曲のソロの部分などは、適宜装飾も加えて、もう軽々と吹いていましたね。最後にゆっくりした部分になる直前に、誰かが弓でも落としたのでしょうか、「バタン」という大きな音が聴こえて来たのは、ライブならでは、そして、その影響でしょうか、そのあと彼女が一瞬音を飛ばしたところがあったのも、ご愛敬ですね。
協奏曲の方は、同じト長調を1988年に録音していましたから、それとも比較できますが、彼女の伸びやかな音色と、暖かいビブラートは全く変わってはいませんでしたね。でも、カデンツァは、1楽章は全く別物、2楽章も後半は別のものに変わっていました。今回も彼女自身が作っていたのでしょう。

CD Artwork © RBM Musikproduktion GmbH

# by jurassic_oyaji | 2025-02-14 19:50 | フルート | Comments(0)