Bläser der Berliner Philharmoniker
James Galway(Fl), Lothar Koch(Ob)
Karl Leister(Cl), Günter Piesk(Fg)
Gerd Seifert(Hr)
TOWER RECORDS/PROC-1293
タワーレコードでは、だいぶ前からリスナーの要望にこたえて今では入手が出来ないようなアイテムの復刻を精力的に行っています。かつてはジャケットのデザインはタワー独自のもので、その中にオリジナルのジャケットが小さく配置されているというものでしたが、最近ではジャケットもフルサイズで「完全復刻」となっているようですから、ますます魅力が増してきているのではないでしょうか。
その流れで、今回ゴールウェイがベルリン・フィルに在籍中に録音されたこんな珍しいものが、しっかり、初出時のジャケットを使ってリリースされました。
LP時代のゴールウェイのアルバムは殆ど持っていましたが、これに関してはその後に出た廉価盤しか手に入らず、このジャケットの国内盤
LPを持っていた友人に画像だけを送ってもらって眺めていた、という切ない思い出があります。なんたってヒゲのないゴールウェイのカラー写真なんて、極めつけの「お宝」ですからね。
オリジナルの
LPがリリースされたのは
1970年ごろですから、
40年以上も経って、ちょっと小さくなりましたが初めてそのジャケットを手にしたことになります。うれしいことに、このブックレットにはライナー(ジャケットの裏側)まで完全復刻されています。さらに、今回の
CD化ではなぜか全く別のアーティストの録音がカップリングされていますが、そちらのジャケットまでもやはり表裏ともに復刻されているのですから、ちょっと感激してしまいます。
実は、この
LPに収録されていたダンツィとライヒャ(レイハ)の木管五重奏曲と、シュターミッツの木管四重奏曲は、以前にも
CD化されていました。それは
こちらでもご紹介していましたが、もちろんジャケットはこのシリーズの統一デザインで、全くの別物、こちらにはツェラーの録音がカップリングされていました。さらに、「
Ambient Surround Imaging」とかいう、人工的に音場感を付加したとされる処置が施されていて、音そのものはちょっと甘い仕上がりになっていました。しかし、今回は、「オリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(
24bit/192kHz)化したマスターを使用」などと、額面通りに受け取ればとてつもないスペックの音源が使われているというので、前の
CDよりはまともな音が聴けるのでは、という期待もありました。
実際に聴き比べてみると、確かに音は見違えるほど素直なものに変わっていました。前の
CDではちょっとぼやけてしまっていた楽器一つ一つの輪郭がとてもくっきりしていて、ゴールウェイの存在感もより立体的に伝わってくるようになっています。ただ、
LPでは、その上にさらにえもいわれぬ香りが加わって聴こえてきますから、やはり
CDの限界を感じないわけにはいきません。これだけのハイレゾ・データを使っているのですから、いっそ
SACDにすればいいのに、と思うのですが。
ここには
CD化にあたってのクレジットは、先ほどのマスターに関する情報が唯一のもので、マスタリング・エンジニアの名前などは一切ありません。マスターにしても、これだけではどの段階のアナログ・マスターなのかは分かりませんし(国内盤用のサブマスターかもしれません)、デジタル・トランスファーがどこで行われたのかも不明ですから、これは情報としてはとてもいい加減なものです。
さらに、ジャケットの黄色い枠の中にあるロゴが「3行
(DGG)」なのもちょっと不思議。
1970年頃にはこれは「2行
(DG)」になっていたはずですし、現に
1971年9月にリリースされた国内盤のジャケットでは「
DG」なのですからね。
「
Product manager」としてクレジットされている、ユニバーサル・ミュージックの「
Kaoru Abe」さんは、以前はタワーレコードの店員さんだったはず。この方なら、そんな疑問も洗い流してくれるかも(それは「
シャワーレコード」)。さらに、どうでもいいことですが、ブックレットの2ページにはこんなミスプリントもありました。
CD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH