おやぢの部屋2
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三善晃とエルガー
 きのうとおとといの指揮者練習の時には、東京では「遠い帆」の上演があったのですね。会場は新国立劇場、大ホールではなく中ホールですが、仙台発のオペラが数年前の「鳴砂」に続いて、この「オペラのメッカ」で上演されるというのは、ちょっとすごいことではないでしょうか。実は、この「遠い帆」の新しいプロダクションをまず仙台で上演した時には、こちらに書いたようにちょっと言葉が聴こえにくかったことが気になっていました。そこで、その中で「ぜひ字幕を付けてください」という提言を行っていたのですね。それは、合唱指揮者の一部の方には伝わっていたようなので、東京ではどうなったのか、気になっていました。それこそ指揮練がなければ東京まで行って実際にその模様を見てみたいぐらいでしたから。
 その東京公演が無事終了し、それに対する記事やコメントがネットに現れるようになると、この「字幕」に関しても情報が得られました。どうやら、東京ではしっかり字幕を使っていたようなのですね。まあ、私の書いたことが、その実現になにがしかの影響があったと思うことにしましょう。まあ、ネットでは「日本語のオペラに字幕が付いて悲しくなった」などという、それこそ「悲しくなる」ような書き込みもあったようですが、これはオペラというものを知らない人の言い分ですから無視しても構いません。この作品のメッセージをきちんと伝えるための方策を講じてくれた東京公演のスタッフには、「よくやった!」と言ってあげたいと思います。というか、字幕付きの「遠い帆」を、ぜひ体験してみたかったものです。
 そういえば、 同じ時に仙台で行われていた橘さんの練習会場には、こんなものがいつの間にか壁にくっついていましたが、これってもしや「字幕機」?
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 その指揮者練習、2日目にもエネルギッシュに進められました。まず、ラフマニノフから始まったのですが、今回はちゃんとピアノ・パートを弾く方が用意されていました。なんでも、団員の知り合いの娘さんが音大でこの曲を勉強しているところだったということで、お願いしてあったのですね。いやあ、とても素敵なピアノでした。こんな難しい曲を大学生が軽々と弾きこなせるような時代なんですね。そういえば、私の知り合いだけでも何人かお子さんを外国に留学させている人がいるぐらいですから、今の若い人の音楽的なレベルはとんでもないことになっているのでしょうね。
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 ですから、バックのオケはそのピアノを聴きながら、とても納得のいく練習ができました。本来はこういうものなのですから、カラオケだけを汗水たらしてやるのはなんか辛いものがありますが、まあこれは「月に一度の贅沢」ということで、この感じを思い起こしながらひたすらモゾモゾという練習を繰り返さなければいけません。
 実は、前の日にエルガーの練習が始まった時には、橘さんは開口一番「よくぞ、これを選んでくれました」と、「エニグマ」のスコアを捧げ持っていました。本当に好きなんですね。ですから、もう本当に愛情あふれる練習ぶり、とても中身の濃いものになっていました。そして、その夜の歓迎会では、しっかり「今度共演する時には、エルガーの『交響曲第1番』」ということになっていました。それが「伏線」となって、次の日の練習での「エニグマ」では、「こういう部分が交響曲第1番に出てきますから、(次回のために)きちんと練習しておいてくださいね」ということになります。歓迎会に出ていない人たちは、いったいなんのことだろうと思ったでしょうね。このフレーズが、その後いったい何度繰り返されたことでしょう(笑)
by jurassic_oyaji | 2014-08-25 20:50 | 禁断 | Comments(0)