年末の最終週、スーパーあたりでは、数々のおせちのパックがのさばっています。
とは言ってもまだ連休には突入していないところもたくさんあるので、いわゆる「平日にはランチをご用意しています」というお店ではギリギリランチが食べられるはず、と思って、なかなか平日には稲荷小路までは出てくることがないで、そこにある「おでんの三吉」に行ってみました。このお店は勤務先の知り合いで、マスターはそちらの関係ではよく存じ上げているのですが、まだ実際にお店に伺ったことがありませんから、一度は客として行ってみたかったんですよね。最近ではこのお店はタウン誌などでやたらと露出がありますし、そんなところに載っているおでんの写真が、とてもおいしそうですから。
一応、ランチをやっているかどうか確かめようと、早めにお店の前に行ってみると、なんだかすでに従業員が中にいるような雰囲気、表に貼ってある案内にも別に特別のことは書いてなかったので、安心して他の用事を済ませてから、また来てみることにしました。まだ開店にはかなり時間がありましたから。
その用事のために青葉通りの方まで歩いていくと、その途中のお店にこんな垂れ幕がありました。
一番町と中央通が交差するというとても重要なところにお店を構える老舗の女性洋品店が、ついに閉店するというのですね。なんでも、ここは江戸時代から続いている由緒ある商店だったそうで、今でもその向かいにある「藤崎」とともに仙台の商店街のランドマークとなっているお店ではありませんか。これはよくあるように、改装のために一時閉店するのではなく、完全な「廃業」なのだそうです。そのようなお店の代表格であった「森天祐堂」もだいぶ前になくなってしまって、今は高級ブランド店にとって替わられてしまっていますが、ここもそんな風に「中央」のお店に変わってしまうのでしょうか。ちょっとさびしいですね。でも、私にとってはそれだけの感慨しかありませんからね。このお店で主に扱っているような商品には、何の関心もありませんから。念のため。
そういえば、そんな風に時代の流れでいつの間にか消えてしまったものの中に「ポコちゃん」というのがありますね。もしかしたらまだ残っているのかもしれませんが、「ペコちゃん」とともに洋菓子メーカーのマスコットキャラクターだったこの男の子は、もはや商品のパッケージなどには登場してはいないのではないでしょうか。初期の主力商品である「ミルキー」も、かつては箱の表はペコちゃん、裏はポコちゃんだったような記憶があるのですが。そして、目の部分が透明のプラスティックスで出来ていて、その中に「黒目」が入っているんですよね。箱を動かすと、その目が動いて楽しめるという、何ともイージーな仕掛けでした。
最近、そのお菓子屋さんのケースの中に、こんな名前のケーキが入っているのを目にしました。
これはもちろん、「資本主義」の「資本」を、「シフォンケーキ」の「シフォン」と置き換えたものですよね。こんなベタなネーミング、とっくの昔に誰かがやっていると思ったのですが、誰も「パクリだ」とか騒がないところを見ると、これが初めての試みだったのでしょうか。とても意外です。
用事を済ませて「おでん三吉」に戻ってみると、新しい張り紙があって、そこには「本年のランチは終了しました。再開は1月6日です」という非情な文字が並んでいましたよ。残念、私がここのランチにありつけるのは、来年以降になってしまいました。