おやぢの部屋2
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Pentatonix/On My Way Home
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Pentatonix
RCA/88875-19804-9(DVD)



かなり前から発売予告があったのに、実際のリリースは延期に延期を重ねて、やっとこのほど入手することが出来ました。しかも、届いたものがDVDだったのには、ちょっと驚きました。いや、たぶん最初からそのような告知だったのでしょうが、日本ではBDで出るのが当たり前ですから。アメリカでは、まだDVDの方が主流なのでしょうね。ハイレゾにしてもそうですが、日本の方が意外と進んでいる面もありますね。
しかし、確かにこれはDVDなのに、黙って見せられたらBDとほとんど変わらない画質だったことにも驚かされました。最後に流れるほんとうに小さなエンドロールの文字も、DVDでこんなにはっきり見ることができるなんて、まだまだ捨てたものではないと気づかされます。それこそ4Kだ、8Kだと煽り立てているのも、そんなに意味のないことのように思えてしまいます。
映像は、別にコンサートのライブではなく、昨年行われた彼らの北米ツアーのメイキングです。ただ、最初にそれぞれのメンバーの幼少のころに撮影されたホームビデオのようなものが流されることで、このDVD全体のテーマがくっきりと提示されています。そのツアーの最終地が、そんな彼らのルーツである彼らの故郷アーリントンだということで、こんなタイトルが付けられています。さらに、チャプターの構成も「Homeまであと〇日」という感じで、徐々にそこに近づいていくことを意味づけています。
そんな、ツアーの日々の彼らに密着して、最後は故郷での両親たちによる祝福、というありきたりの結末が描かれるのですから、このドキュメンタリー自身は特に魅力もない、陳腐なものでした。ま、下手に見え透いた感動を与えようという下心がない分、とても自然な感じは伝わってきますが、正直退屈な映像でした。
ただ、これを見ることによって、このメンバーのそれぞれのキャラクターがはっきり分かったというあたりは、一つの収穫です。やはり、CDだけを聴いていたのでは分からないことが、特にこのようなある種スタイリッシュな売り方をされているアーティストについては、かなり多いことがよく分かります。
まず、ボイパ担当で、なんとなくこの中では浮いていた存在のケヴィンが、かなりアカデミックな教育を受けていた、というのが意外でした。紹介されている昔のホームビデオではチェロを弾いていたりするんですからね。いや、それだけではなく、現在も「チェリスト」としてコンサートではしっかりソロのコーナーまで与えられているというのですから、これはかなりすごいことです。
それと、やはりこれまではあまり目立っていたという印象のなかったベース担当のアヴィが、グループの中ではかなりの発言権を持っているように見えたのも意外でしたね。
逆に、おそらくリーダー的な存在だと思っていたミッチが、それほど主導権は発揮していないな、と感じられたのも意外でした。というか、あのヘアスタイルは絶対に似合ってませんって。
その点、まとめ役的なスコットと、はしゃぎキャラのカースティンは予想通り、みんなそれぞれに個性を発揮しているのですね。
そして、もう一人の重要な人物であるベン・ブラムの姿を見ることが出来たのも、大収穫でした。デビューからプロデューサーとして彼らとともに音楽を作ってきた人ですが、この中ではメンバーと一緒にア・カペラを歌っているシーンも紹介されています。
ミッチ、スコット、カースティンの3人で始まったこのグループが、ベンと出会い、アヴィとケヴィンを加えてグラミー・ウィナーとなるまでの軌跡もこの「6人」によって語られています。しかし、そのあたりの細かい情報を字幕なしの映像から得ることは、かなり困難でした。日本語は無理だとしても、せめて英語の字幕でもあれば、もう少し助かったものを。最近は、日本語の映像でさえ、字幕がないと言葉が分からなくなっているぐらいですから、つい卑屈に(それは「自虐」)。

DVD Artwork © RCA Records
by jurassic_oyaji | 2016-04-12 22:58 | 合唱 | Comments(0)