おやぢの部屋2
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今度は「ジークフリート」かな?
 結構、生のオペラって観たことがありました。ベルリン国立歌劇場とかバイエルン国立歌劇場、そしてメトロポリタン歌劇場とか。バイエルンなどはクライバーの指揮でしたから。ただし、私はパートナーと一緒に外国に行ってオペラを観るなどという羨ましいというか、憎らしい機会などありませんでしたから(愚妻は飛行機が苦手)、それらは全て日本にやってきたオペラハウスでのことでした。まだ独身の頃、そんな一流のオペラハウスでもリーズナブルな価格で行くことが出来た時代の話です。ただし、そのころはまだ「字幕」などは付いていませんから、そのオペラのあらすじなどは前もってきちんと頭に入れておく必要がありました。まあ、私にとってはそれは何の障害にもなりませんでしたけどね。
 しかし、当時は日本にはオペラ専用の劇場はありませんでしたから、上演されるのは東京文化会館(上野)かNHKホール(渋谷)という、ばかでかいホールでした。不思議なことに、今ではちゃんとしたオペラ劇場があるというのに、外国から来るオペラは未だにそういう普通のコンサートホールで上演を行っているのですね。まあ、それはたくさんの客を入れなければギャラが払えないという事情からなのでしょう。当然入場料もとんでもないことになっていますから、そんなところに行きたいとは全く思いません。文化会館はまだましですが、NHKホールは最悪でしたね。
 そんな、ちゃんとしたオペラ劇場は、出来てからもう20年も経ったというのに、私はまだ行ったことはありませんでした。まあ、30年前に作られたサントリーホールにやっとこの間行ってこれたぐらいですからね。でも、やはりこの「新国立劇場」には一度は行っておかなければ、まずこれから外国に行くこともないでしょうから、ホールまで含めた「本物の」オペラを観る機会がなくなってしまうのでは、と思って、おととい行ってきました。
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 夢にまで見た「新国」の入り口ですが、いったいこれがオペラハウス?というぐらい無機的な外観には、ちょっとがっかりですね。これから楽しいことが起こりそう、という気持ちが全く湧いてきませんね。なんか、やたら高圧的な建物、という気がしませんか。
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 中に入ってすぐのところも、なんとも殺風景、まあ、まだ開場には時間があったので、人が少ないせいもあるのでしょうが、サントリーホールでは確かにあった「華やかさ」は全く感じられませんね。
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 もう少し行ったところが他のホールへの連絡の場所なのですが、ここもなんと言う重苦しい空間なのでしょう。そして、オペラ劇場の前に行ってみたら、結構たくさんの人が待っていましたが、その先にシャッターが下りているんですね。一瞬、場所を間違えたのか、と思ってしまいました。そうしたら、開場時間になったらそのシャッターが上がり始めたではありませんか。もう、目を疑いましたね。銀行なんかが、開店する時にシャッターをあげるというあの風景が、オペラハウスの前で繰り広げられているんですよ。あんまり驚いたので、写真を撮ることも忘れてしまいましたよ。今まで数多くのコンサートホールに行ってきましたが、その前にシャッターが下りているホールなんて、1回も行ったことはありません。もしかしたら、どこかにはあるのかもしれませんが、私の中ではもうこれだけでここはオペラハウスとしては終わっているな、と思ってしまいましたね。
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 でも、それとは全く別の世界が、ホールの中にはちゃんと広がっていたので、一安心です。なによりも、この恐ろしく高いプロセニアムを見たら、「こうでなくっちゃ!」と思ってしまいましたね。コンサートホールでは絶対この高さは出せませんし、逆に間口が広すぎて装置が間抜けになってしまいます。
 オケピットを覗いてみたら、弦は14型でした。地方オケ(東京の一部のオケも含む)の定期演奏会の標準サイズですよね。座ったのは2階席ですが、オケも歌手もとてもよく聴こえてきました。でも、一番素晴らしかったのは、合唱です。正直、オペラを観てこれだけすごい合唱を聴いたのは初めてです。
 とても気持ち良い体験が出来たのに、終わってからクロークに行ったら、またまた目を疑うような光景に出くわしてしまいましたよ。クロークそのものはかなり広いのに、係員が少ないので恐ろしく手際が悪く、待っているお客さんの列は伸びるばかり、そこでは「割り込みするな!」という、およそオペラを観た後の客とは思えないような罵声が飛び交っていましたからね。20年もやっていて、まだこんなことも解決できていないのでしょうか。この次にも来ることがあれば、コートは絶対預けないで客席に持っていこう、と、固く誓うのでした。ここが、そこまで含めた「本物」のオペラハウスではなかったことが、とても残念です。
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 ここに来る前に、お隣のオペラシティのチケットオフィスに寄って、今度のニューフィルのポスターを貼らせてもらいました。このホールでのコンサート以外は受け付けてくれないとか、そもそもポスターの印刷はまだ終わっていないのだとか、そんな細かいことはいいじゃないですか。
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 赤丸の中、これはきちんとここで3月19日に行われる、私も乗ったことのある合唱団のチラシが置いてありました。旅立ってしまうんですね。
by jurassic_oyaji | 2017-01-30 22:13 | 禁断 | Comments(0)