おやぢの部屋2
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カンブルランは新国に来てました
 最近、仙台のFM局が音楽づいていますね。タワーレコードとのコラボで「No Music No Date FM!」などという、恥ずかしすぎるコピーまで作って、盛り上がっているようです。そこで、色んな番組でゲストがやってきた時にも、パーソナリティが音楽がらみの質問などを交えてトークが進む、というような場面をよく耳にするようになってきます。そんな時にゲストに「あなたのルーツミュージックは何ですか」聞くと、「荒井由美でしたね」とか答える、なんてことが起こります。彼の根っこ(ルーツ)となっている音楽(ミュージック)、という意味で使ったのでしょうが、普通はこういう時に「ルーツミュージック」という言葉を使うのは明らかな誤用です。この言葉は、音楽用語としてきっちり定義されているもので、歴史的にポピュラー音楽の元になった音楽、という意味が与えられています。具体的にはゴスペルとかディキシーランド・ジャズ、ブルーグラスといったジャンルの音楽ですね。そのようなものが進化、あるいは変化して、今の音楽になったと考えられるものです。そう考えれば、「あなたのルーツミュージック」というような言い方は出来ないことは容易に分かります。もちろん、「荒井由美がルーツミュージック」などということは、絶対にありえません。
 クラシックの場合は、「ルーツミュージック」に相当するものは何になるのでしょうか。まあ、中世やルネサンスあたりの音楽なのでしょうか。それらは、脈々とその後の音楽の底辺を支え、現代の音楽にまでしっかりその影響を残しています。
 20世紀を代表する作曲家、オリヴィエ・メシアンも、そんな「ルーツ」を大切にしていた人なのではないでしょうか。決して頭でっかちにならずに、どんな時代でも通用するような感覚にあふれた彼の音楽は、多くの人を魅了してきました。シェーンベルクの後期の音楽はもうしばらくしたら完全に忘れ去られることでしょうが、メシアンの作品はこれからも愛され続けるはずです。
 そんなメシアンの唯一のオペラ、「アッシジの聖フランチェスコ」は、今まで国内では全曲が演奏されることはありませんでしたが、今年11月に、コンサート形式で全曲の日本初演が行われることになりました。東京では19日と26日にサントリーホール、そして、23日には滋賀県のびわこホールと、全部で3回のコンサート、シルヴィア・カンブルラン指揮の読売日本交響楽団です。このニュースを聴いたときには、絶対に聴きに行きたい、と思いました。これも、この間の「ジークフリート」と同じぐらいの時間がかかるオペラですけどね。
 何を隠そう、私はメシアンと、この作品の大ファン、今まで出ていた録音と映像は全て(と言ってもCDが2種類とDVDが1種類だけですが)持っています。DVDはオーケストラがステージの上で演奏する限りなくコンサート形式に近いものでしたが、それでも十分に楽しめましたから、この読響のステージも期待が出来ます。これはもう、発売初日には「ぴあ」で買ってやろうと、虎視眈々とその日を待ちました。
 発売日が発表されたのは、それからしばらくしてのこと、その日はお昼から「杜の都合」の練習がありましたが、発売は10時からなので間に合うでしょう。ところが、時間になってぴあに行ったら、まずはネットがつながりません。アクセス過多でパンクしていたんですね。それでも5分ぐらいでつながりましたが、なんと座席指定が出来るのは11時からなんですって。そんなこと、きいてませんよ。というか、ぴあの場合劇団四季のように最初から座席指定はできないようですね。そして、もちろんその時点で、数日前から始まっていた先行予約のため、BC席はすべて売り切れていました。
 ここは、焦る気持ちを抑えて11時まで待つしかありません。私にとって、座席指定はマスト、できれば2階席のBブロックで聴きたかったので、そこがなければ買わなくてもいいかな、ぐらいに思ってました。ところが、やっと座席指定のところまで行ってみると、なんと2階席はどのブロックもすべてなくなっていたではありませんか。もちろん、東京の両方の日をチェックしましたが、どちらも同じでした。日本のオーケストラでこんなことがあるなんて、信じられませんでした。それでも、やっぱり聴きに行きたいので、まだ残っていた1階席を買いましたけどね。
 それをニューフィルの友人に話したら、彼(彼女?)も行きたがってチケットを買おうと思ったのだそうですが、サイトでその日のうちに完売したことを知って、がっかりしていましたね。
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by jurassic_oyaji | 2017-06-07 22:13 | 禁断 | Comments(0)