おやぢの部屋2
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冷え切った体育館では、ピッコロにすぐ水が溜まりました
 風邪が流行っているようですね。きのうも、ニューフィルのフルートパートでは今回の「第9」の1番担当が風邪をひいてお休みだという連絡が朝のうちにあったので、私はとっても緊張してその日を過ごし、いつもより早く練習会場に着いてしまうぐらいでした。私が2番目でしたね。別に早く行ったとしても、逆に椅子並べなどの雑用が入ってくるので、それだけ練習ができるというわけではないのですが、やはり余裕を持って練習に臨みたいじゃないですか。つまり、私はその日は「第9」の全楽章の1番フルートのパートと、ピッコロのパートを全部吹かなければいけないのですからね。
 なんたって、「第9」は大変な曲です、私はもう20回は本番で吹いていますし、その大部分は1番のパートですから、今さら、というかもしれませんが、やればやるほどその大変さが身に染みてくるようになるんですね。ですから、この曲の1番を吹く時にはまず気合いをちゃんと入れておかないととても乗り切ることはできません。なんせ今回は1番のアシとピッコロですから、もう最初から楽勝モードに入っていましたから、それをいまさら本気モードの切り替えるなんて、なかなかできませんよ。せめて、早めに来て1番の席になじむ、ぐらいのことしかできませんね。
 でも、吹き始めるともう体が覚えているのか、それほど苦労せずに演奏できるようになっていることに気づきました。今まで何回やっても引っかかっていたところが、いともすんなりと出来てしまうんですね。やはり、このところエルガーやらマーラーといったややこしい楽譜と格闘してきて鍛えられた成果なのでしょうか。3楽章なんか、前は最後にはコントロールできないほど消耗してしまうものが、けっこう楽に終われましたからね。
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 あとは、自分で言うのもなんですが、ピッコロがこのところ格段の進化を遂げていることが実感できるのも、楽に吹けた要因でしょうね。本当に、試奏で吹いてみた第一印象があまりに素晴らしかったので衝動買いしてしまったパウエルのシグネチャー、それもウェーブタイプの頭部管のモデルは、今まで味わってきた苦労は何だったのかと思わせられるほどの馴染みを見せています。前の楽器だと、たまにポイントが定まらなくて、いろいろ考えないとうまく行かないことが多々あったのですが、この楽器はそんなことは全くありません。ちょっと具合が悪いな、という時でも、なんか楽器の方で正しいポイントに導いてくれるようなところがあって、それに従っているとどんどん楽に吹けるようになっていくのですね。これは、フルートのシグネチャーの時にも感じたことでした。
 ですから、ピッコロにとっては最大の難所、4楽章の最後のプレストなども、面白いように音が出て、吹いていて楽しくなってくるほどです。ただ、これに関しては、一つだけ、この楽器でも出しにくい音がありました。それは高音のFisなのですが、これだけはちょっと苦手、というか、うっかりしていると外してしまうことが多かったりしていました。そこで、この音を出すときには右手の薬指を押さえるのが正しい運指なのですが、それを中指に変えてみました。昔、なにかで読んだことがあったんですよね。そうしたら、今まで苦労していたFisが、とても簡単に出るようになりました。ピッチも別に問題はありません。そうすると、エンディング近くの「A-Fis」と下がる音型を16回繰り返すときでも、今までは殆ど出なかった下のFisが、とても明瞭に出るようになっていました。たった1つの音が出るか出ないかで、全く吹く時のイメージが変わってしまいましたよ。ただ、これは私の楽器だけの特性なのかもしれないので、マネはしないでくださいね。
 当然、そのピッコロは1番の席で吹いたのですが、終わってから打楽器の人に「ピッコロ、真ん中だったんですね」ととても珍しいものを見たように言われました。確かにこれはなかなか珍しい光景でしょうが、私がニューフィルに入って2回目の定期演奏会が「第9」だったもので、やはりピッコロ担当だった私は、よくこの位置で休んだ本吹きの代わりに1番とピッコロを吹いていたものでした。なんせ、その本吹きはGPの時にも休んでいたのですからね。その時も、合唱団の知り合いに「ピッコロ、そこで吹くんですか?」と言われたことを、思い出しました。
by jurassic_oyaji | 2017-11-08 22:09 | 禁断 | Comments(0)