おやぢの部屋2
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REICH/Drumming
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Colin Currie Group
Synagy Vocals
COLIN CURIE RECORDS/CCR0001


スティーヴ・ライヒのごく初期、1971年に作られた「ドラミング」の最新録音です。足の長い鳥ではありません(それは「フラミンゴ」)。この曲は、1974年にライヒ自身も加わったアンサンブルによって録音されていましたね。
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もちろん、まだCDは出来ていなかった頃ですから、これは、他の2作品とカップリングされて、LP3枚組のボックスとしてリリースされていました。レーベルが、そのような「現代音楽」とは無縁のように思われていたドイツ・グラモフォンだったのがとても意外だった思い出があります。
これはその後同じ曲目で2枚組のCDとしてリイシューされましたが、その時もこの「ドラミング」は1枚には収まらず、4つのパートの中の最後の1つが2枚目のCDに入っていました。しかし、今回は全曲が1枚のCDに収まっていました。かつては1時間半かかっていたものが今回は1時間弱にまで短くなっていたのです。
それは、この曲の演奏のされ方を考えれば納得できます。これがこの曲の基本的なリズムパターンです。
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ご存知のように、これは「ミニマル・ミュージック」の黎明期のもの。全ての演奏者が、このリズム全体、あるいは一部をそれぞれの楽器に応じたピッチや音色で演奏するだけなのですが、その際にほんの少しずつ他の人とはズレて演奏することによって、音の間に新たな音が生まれます。その結果、一人一人は全く同じリズムで叩いたり歌ったりしているだけなのに、時間とともにとても多彩で複雑なリズムパターンが現れることになります。そして、その時の「ズレ」のタイミングは演奏者に任されていますから、かなり自由度が高くなり、その結果演奏時間も大幅に変わってしまうことになるのです。
「ドラミング」というタイトル通り、ここでは最初に「調律されたドラム」が登場します。実際には「ボンゴ」と呼ばれる2つの小さな太鼓がペアになった楽器ですが、それがきちんと「gis-h」と「ais-cis」とに「調律」されたものが2組ずつ使われています。ただ、それだけが使われるのは、4つのパートに分かれているこの曲の最初のパートだけです。ここでは、4人の打楽器奏者が全部で8個の「ドラム」を叩きます。
「パート2」になると、「ドラム」はなくなって9人の打楽器奏者が演奏する3台のマリンバと2人のヴォーカルが登場します。「パート3」では3人の打楽器奏者による3台のグロッケンシュピールと2人のヴォーカリストによる口笛、そこにピッコロが加わります。「パート4」ではすべての楽器が12人の演奏者によって演奏されます。
これらの「パート」は、続けて演奏されるので、その変わり目は前の楽器に次の楽器が重なってきて、いつの間にか変わっている、という状態になります。そのような「いつの間にか」という感覚が、この曲の場合は重要になってくるのですが、これが最初にLPでリリースされた時には、2枚のそれぞれA面とB面に1パートずつ収録されていたために、その切れ目では一旦演奏を止めて盤を交換しなければいけませんでした(その変わり目はフェイド・アウトとフェイド・インになっていました)。これでは、せっかくのライヒの目論見が台無しですね。
それがCDになった時も、その演奏では1枚には収まらなかったので、「パート3」と「パート4」 の間で止めなければいけませんでした。それがやっと、中断なしに全曲を聴くことが出来るようになったのですね。それが今回のCDの最大の利点です。
もちろん、それだけではなく、40年以上の時間が経って世の中が全く変わってしまえば、演奏自体が大きく変わってしまうのは当然のことです。かつて、ひたすらパルスを生み出すことに専念していたストイックさはここでは姿をひそめ、内から湧き出るエクスプレッションに満ちていると感じられるのは、そんな一例です。「ミニマル」は、コリン・カリーによって確かな「変貌」を遂げていました。
第4部の途中で「食べてなかった」と聴こえるのが面白いですね。

CD Artwork © Colin Curie

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by jurassic_oyaji | 2018-04-19 21:35 | 現代音楽 | Comments(0)