おやぢの部屋2
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どちらもピッコロ、というのはありませんでした
 今ニューフィルで練習している「北欧音楽」、序曲はこの間までの「妖精の丘」ですが、それに続く協奏曲がグリーグの「ピアノ協奏曲」です。なんたって、あの序曲にメインがニルセンなので、今回の定期演奏会は知名度から言ったらいまいち訴求力がありませんから、バランスをとるために「名曲」と呼ばれているこの曲が選ばれていました。この曲は今までに2回演奏したことがありますから、ニューフィルとしても手慣れたものです。
 私は、1回目は2番を吹いたような記憶がありますが、2回目では降り番でしたので、練習ピアニストを買って出ました。・・・なんてわけはなくて、弾いたのは確かに団員ですが、私はもっぱら譜めくりを担当していましたね。
 今回は、私は2番を吹くことになっています。この2番のパートは、曲の最後近くにだけピッコロに持ち替えるところがあります。
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 ご覧のように、ここでのピッコロ(上から2段目)はその上のフルートと全く同じ音を出しています。ですから、何もわざわざピッコロで吹く必要はないように思えるのですが、次のページに高音の「C♯」が出てくるので、そこだけはフルートは1オクターブ低い音になっています。
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 グリーグの時代だと、フルートではここに出てくる「H」も決して楽に出せる音ではないので、もちろんC♯なんかは出せるわけがありませんでしたからね。
 でも、現代の楽器だったらその半音上の「D」まで出すことができます。もうちょっと高い音も出せます。つまり、マーラーなどはそれを知って盛んにその「ハイD」を使っていますから、その音が出せないとオーケストラのフルート奏者にはなれないのですよ。
 だから、今のオケで、そこをわざわざピッコロを重ねて補充する必要は全くないんですね。実際、2番奏者にしてみれば、このたった1フレーズだけのためにピッコロを用意するのは面倒くさいですし、その前のフルートからの持ち替えがたった2小節しかないのでかなり忙しいですからね。しかも、ここを吹き終わったら、また2小節しかないところでフルートに持ち替えなければいけません。
 実は、この曲はグリーグが最初に作ったものから、かなり大幅に自分で改訂した楽譜が、今では使われています。その最初の自筆稿が、さっきのスコアを引用したIMSLPで見ることが出来ます。それでこの箇所を見てみると、そもそも木管はこのメロディーを吹いてないんですね。もちろん、ピッコロも使われてはいません。それを、わざわざこんなフルート奏者にとってはややこしいことにしてしまったのは、困ったものです。
 ただ、この楽章で、この部分と同じメロディが最初に出てくる部分が、今ではフルート1本で朗々と歌い上げるという、これはフルート吹きにとってはとてもうれしいところがあるのですが、これは最初の自筆稿では、前半はクラリネット、後半はオーボエと一緒に吹くようになっていますけどね。
 いずれにしても、もしや、と思って、Youtubeでチェックしてみたら、案の定、ここでピッコロは吹かないで、そのまま2人ともフルートで吹いているという映像が複数見つかりました。誰でも考えることは同じなんですね。でも、中にはわざわざもう一人ピッコロだけを吹く人を座らせて、この部分は2番は休んでそのピッコロ奏者に任せる、なんて笑える映像もありました。こんなピッコロは、絶対にやりたくないですね。まあ、これと同じぐらい悲惨な「田園」のピッコロは、一応やりましたけどね。
 あ、私はこのグリーグは、律儀にピッコロを吹くつもりです。もちろん、新田さんが「フルートでもいいわよ」と言えば、その限りではありませんが。
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by jurassic_oyaji | 2018-06-06 22:06 | 禁断 | Comments(0)