くそ暑い今日この頃ですが、3連休の後半はニューフィルの指揮者練習でした。10月の定期演奏会に向けての、初めての指揮者練習です。ニューフィルの場合、こんな感じで2日間それぞれ6時間フルに使って東京などから指揮者をお呼びして、集中的に練習を行います。だいたい、それを3セット行って本番を迎える、というパターンなのですが、今回お願いした新田さんは、4セット準備してくださいました。プログラムがかなり手強いニルセンの交響曲ですから、それをしっかり納得のいく仕上がりにするためには、そのぐらいの時間が必要だということだったのでしょう。その時点で、新田さんの熱意をしっかり受け止めなければいけないことを自覚したのでした。
今回の会場は一番町のエルパーク、おそらく冷房完備でしょうから暑さとは無縁の一日が過ごせることでしょう。ただ、こういう施設ではえてして冷房のかけ過ぎが起きているものですから、用心のためにTシャツの上にはおるリネンシャツも持っていくことにしました。
確かに、会場はかなり涼しくなっていました。暑い中をやってきたので、入ってすぐは快適でしたが、これが続けばやはり寒く感じるはずだと、すぐにシャツを着てしまいましたよ。それは大正解、というか、座り続けているともう足元からしんしんと冷えてくる、という、ものすごい冷風が頭上から吹き付けてくることが分かったのです。これはきつかったですね。吹いている間はけっこう体も熱くなるのでそれほどは気にならないのですが、長い休みの間などは寒さも手伝って眠気まで襲ってきますから大変です。

でも、新田さんはエネルギッシュにとてもたくさんの指示を出しつつ、リハーサルを進めていました。この前共演してからもう5年も経っていたのですが、そんな的確な指示はすぐに我々に伝わって、どんどんオケの音が変わっていくのは、すごいですね。ただ、やはりニルセンは大変で、それだけ指示をされてもなかなか満足のいくような結果が出ないために、「これは、夏休みの宿題ですね」と言われてしまうのが、ちょっと惜しかったですね。

新田さんは相変わらずチャーミング。5年の時を重ねて、その美しさに何か自然体のようなものが加わってきたような気がします。ただ、声がちょっと嗄れているようで、少し風邪気味なのでしょうか
実は、練習が始まる前に、この前発行したばかりの「かいほうげん」を指揮台に置いておきました。一応プログラムの中のクーラウの
「妖精の丘」のことをまとめたページがあったので、それを新田さんにも見ていただいて何か助言を頂ければな、と思ったのですね。休憩の後にこの曲を始める前に、新田さんはわざわざその「かいほうげん」を手にして、「とても詳しく紹介してくださいました」とおっしゃってくれましたね。

終わってからは、近くの国分町で「囲む会」です。お店の人にシャッターを押してもらって、恒例の集合写真を撮りました。偶然にも、私のTシャツの柄が、新田さんのとよく似ていましたね。
次の日には、こんなお姿でした。

2日間みっちりやっても、まだやり足りないところがたくさん残ってしまった、という感じでしたね。でも、時々「この部分を最初の練習でこれだけ弾けたのはここだけです」とか、「妖精の丘」では、「デンマークのオケよりもいいかも」みたいなお世辞も加わって、我々もやる気が出るようになるのでした。ほんと、新田さんのおっしゃっていたことをきちんと音にできるようになれば、きっと素晴らしいニルセンやクーラウが出来上がることは間違いないと確信しましたね。
新田さんの声はけっこうひどいようで、終わりごろには咳が止まらないようになっていましたね。ご自愛ください。