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PTX PRESENTS: TOP POP, VOL. 1
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PENTATONIX
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5人組のア・カペラ・グループ「ペンタトニックス」から、ベース担当のメンバー、アヴィ・キャプランが脱退したのは去年の5月のことだったいね(仙台弁)。その後にリリースされたクリスマス・アルバムでは、残りの4人だけで録音したものや、ベースのサポートに新たなメンバーを入れて録音したものなどが含まれていましたが、その時には今後このグループはどうなってしまうのだろうという危惧を抱いてしまったものです。
しかし、彼らは、その時のサポート・メンバーだったマット・サリーを新たなメンバーに迎えて、再出発を図っていたようでした。そして、その新しい顔ぶれによるこのアルバムを、今年の4月にリリースしたのです。
まあ、これだけビッグになってしまったグループですから、それはある意味当然の成り行きだったのでしょう。おそらく、彼らはレーベルとの契約によって将来にわたってアルバムを作る義務を課されていたはずですから、なんとしても新しいメンバーを加入させて、今まで通りのレコーディングを行っていくしかなかったのでしょうからね。その辺のシビアさは、おそらく日本では想像できないほどのものがあるのではないでしょうか。巨大ビジネスとなってしまったポップ・ミュージックの世界では、「権利」という名のもとに膨大なマネーが飛び交っているのでしょう。
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これが、現在の彼らのポートレートです。右端にいるのが、新加入のマットくん、他の4人とのファッションのセンスが、まるで違っているのがすぐわかりますね。彼らもデビューした頃はもっと素朴ないでたちだったのでしょうが、「成功」してしまうとこんなにもセレブ感が漂うようになってしまうのですね。
ただ、音楽的には、このメンバー・チェンジは成功しているようです。マットくんのベースは明らかに前任者よりもパワフルで、格段の存在感があります。差別と取られるのは心外ですが、それはマットくんの肌の色に由来するもののような気が、強くします。これで、リズムボックスのケヴィンとの相性もよくなり、全体としてサウンドがワンランクアップしたような気がします。なんでも、メンバーのインタビューでは人間的な相性も抜群なのだそうですから、これからの活躍が楽しみになってきました。
今回のアルバムでは、すべてヒット曲のカバー、あるいはマッシュアップとなっています。これは、彼らがデビュー当時の原点にこだわった結果なのだそうです。毎回、彼らのオリジナルでは素晴らしいものが聴けたのですが、そんな楽しみは次回以降に取っておけ、ということなのでしょう。
ただ、「ヒット曲」とは言っても、最近はこういう「洋楽」を積極的に聴くことはなくなっていますから、ここで取り上げられている曲のオリジナルは、1曲もなじみがありませんでした。それはそれで、純粋に彼らのア・カペラを楽しめばいいことなのでしょうが、ちょっとさびしい気がします。いつから「洋楽」はこんなに近づきがたいものなってしまったのでしょう。もはや「カーペンターズ」のレコードがどんな家にも1枚はあったという時代は終わったのですね。
それでも、やはり、ヒットする曲には確かになにか訴えかけるものがあるのでしょう。そんな中で、ケシャのヒット曲「Praying」では、冒頭のスコット(たぶん)のソロからして、ただならぬものを感じてしまいました。そのオリジナルを聴いたり、その背景を調べたりすると、これがどれほどの重さを持った曲であったかが分かります。それは、今の巨大な音楽業界の恥部を、赤裸々に告発するという極めて勇気ある行動の結果としての曲だったのです。ソロはスコットからミッチ、カースティンと替わり、最後にはこの3人のリードが揃ってクライマックスを迎えます。そこから生まれるメッセージには圧倒されるばかり、オリジナルともども、まだまだすばらしい曲が作られていることに、ちょっと安心したのでした。

CD Artwork © RCA Records

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by jurassic_oyaji | 2018-07-26 21:21 | 合唱 | Comments(0)