おやぢの部屋2
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FACING WEST, TIMELESS
FACING WEST
Choral Music of Conrad Susa and David Conte
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Ragnar Bohlin/
Capella SF
DELOS/DE 3524


TIMELESS
Ten Centuries of Music
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Ragnar Bohlin/
Capella SF
DELOS/DE 3553


音が良いというイメージがあるDELOSレーベルから、聞いたこともない名前の合唱団のアルバムが2枚同時に発売になっていましたので、とりあえず聴いてみようと思いました。もちろん、ラグナル・ブーリーンというその指揮者の名前も全然知りませんが、インフォによると、なんでも「グラミー賞を受賞」しているそうですから、ただ者ではないのでしょう。
調べてみたら、テイラー・スウィフトの「フィアレス」が「Album of the Year」を獲得した2010年の第52回グラミー賞の、「クラシカル」部門での「Best Classical Album」と「Best Choral Performance」というカテゴリーの中に、確かにこの方の名前がありました。ただ、これはマイケル・ティルソン・トーマスの指揮でサンフランシスコ交響楽団が録音したマーラーの「交響曲第8番」のSACDに対しての賞ですから、そこにはこれに関わったすべての演奏家の名前が列挙されています。ブーリーンさんはサンフランシスコ交響楽団の合唱指揮者として名前が挙げられているだけなのですね。ここでは全部で4つの合唱団が演奏に参加していますから、それぞれの合唱指揮者が4人挙げられている、その中の一人だったんですよ。
ということで、この2枚のアルバムで演奏している「カペラSF」という合唱団は、ブーリーンが2013年にサンフランシスコ交響楽団の合唱団のメンバーを中心に設立した30人弱のプロの合唱団なのです。上のアルバムが2014年に録音されて2016年にリリースされたもの、下のアルバムが2017年に録音された最新アルバムです。日本では、この2枚が同時にリリースされています。これ以外にもクリスマス・アルバムが1枚あって、それは2015年に日本でも発売されています。
素直に白状すると、1枚目には「Susa」という作曲家の名前があったので、これはあのマーチ王のスーザに違いない、合唱曲も作っていたんだ、と思ってしまったんですね。買ってからそっちは「Sousa」だったことに気が付いて「しまった」と思っても後の祭りでした。
まあ、それでも新しいレパートリーの開拓の一環として聴いてみたのですが、なんかそれほどのインパクトはありません。確かに録音はなかなかのもので、これだけ合唱のテクスチャーをきっちりと伝えるものにはなかなかお目にかかれないのですが、その合唱自体がなんともユルいんですよ。ソリストとして立派な人たちが集まったという感じで、合唱団としての感覚に乏しいのです。「スサ」さんの曲もなんということのない平凡なものでしたし。
こんなのを2枚も買ってしまって、と、新しい方を聴いてみたら、なんと、全然音が違います。まず、録音会場が、前回はホールだったものがここでは教会が使われていました。これで、豊かな響きが乗った、まるであの「2L」のようなゴージャスがコーラスが聴こえてきます。さらに、メンバーがほとんど別の人に替わっていたのですよ。男声などは、一人ずつしか残っていません。
そんな、「新生」カペラSF(念のため、「SF」は「サイエンス・フィクション」ではなく「サン・フランシスコ」)が、ここでは11世紀に生まれたヒルデガルト・フォン・ビンゲンから21世紀にブレイクしているオラ・イェイロまで、まさに「10世紀」に渡るスパンの作曲家の作品を歌っているのですから、すごいものです。
その「すごさ」は、そんな時代のそれぞれの様式などすっ飛ばしたところで、どの曲にもこの合唱団ならではの色彩感とエンタテインメントを与えているところに顕著に表れています。シュッツがこれほど肉感的に聴こえてきたのは初めてですし、ラインベルガーのメロディがこれほどキャッチーだと思ったこともありませんでした。ブリテンの曲でさえ、たまらなくおしゃれに感じられますし。
イザークの曲とされている「インスブルックよさようなら」が、プレトリウスト、さらにはバッハに受け継がれて変貌するさまを1曲の中で見せてくれたのも、なかなかのアイディア。

CD Artwork © Delos Pruduktions, Inc.,

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by jurassic_oyaji | 2018-08-15 20:05 | 合唱 | Comments(0)