おやぢの部屋2
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BRAHMS/The Symphonies
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Daniel Barenboim/
Staatskapelle Berlin
DG/483 5251


各方面で活躍しているバレンボイムが、いつの間にか新しいブラームスの交響曲全集を録音していました。実際のセッションは2017年の10月ということですから、1993年のシカゴ交響楽団との録音から、もう24年も経っていたのですね。ついこの間だと思っていたのに、月日の経つのは早いものです。
そのDGのCDは、国内盤では今月の12日にすでに発売になっています。輸入盤も14日発売予定でした。普通はこの全集だとCD2枚か3枚に収まりそうなものですが、ここではそれぞれ1曲ずつの4枚組でした。そうしないと、曲の途中でCDを交換しなければいけなくなるのでしょう。ただ、お値段はCD2枚分相当というのは、良心的?
ところが、そんなCDの発売より前に、なんとNMLでの配信が始まっていましたよ。月に2000円ほど払えば聴き放題というこのストリーミング・サービスでは、こんなメジャーはレーベルまで扱っていたんですね。今までは、かなり前に発売されたものしかなかったような気がしていたのですが、こんな「出来立てほやほや」のアイテムまで聴けるなんて、すごすぎませんか?
そこで、せっかくですので聴いてみることにしました。まず、その演奏時間を見て、確かに4枚組にしたことに納得です。たとえばこの間聴いたヴェンツァーゴの全集だと「3番」と「4番」がまるまる1枚に収まっていたのに、バレンボイムの場合はどのように組み合わせても普通のCDの容量を超えてしまうのですからね。しかも、「1番」と「2番」では第1楽章の提示部の繰り返しを行っていないにもかかわらず、ですから。
つまり、ここでの彼のテンポはかなりゆったりしている、ということになります。確かに「1番」などは、とても遅いテンポでした。しかし、それは別に、いわゆる「巨匠」が重みを付けて遅く演奏するのとはちょっと状況が違っていました。バレンボイムは、それぞれのフレーズを納得のいくまで磨き上げていて、その結果テンポが遅くなっていただけなのです。ですから、そこからは手をかけられたことによってより情報が豊かになった音楽が伝わってきます。というか、これくらい丁寧に歌い上げないことには、本当のブラームスの姿は見えてはこないのだな、と実感できるのですね。
その上で、バレンボイムは、必要とあらばどんどんテンポを動かして、時には荒々しいほど切迫した場面を作ったりもしています。それも、ベースがこの遅いテンポだったからこそ、より際立った効果があげられたのでしょう。もちろん、いわゆる「巨匠」が多用する無意味は「タメ」は、この演奏には全くありません。
それに気が付くと、他の交響曲ではどうなのかが知りたくて、いつの間にか全曲を聴き通していました。時には、そんな予想できない動きについていけないメンバーもいるようで、管楽器と弦楽器が激しくずれていたりもしましたが、それもしっかり「味」となっていますしね。
弦楽器の配置は、ヴァイオリンが左右に分かれて、コントラバスが左手に来るという対向型、「第4番」のフィナーレでのヴァイオリンの掛け合いが楽しめます。殴り合いではありません(それは「対抗型」)。
このオーケストラにはフルートの首席奏者が2人いますが、1、4番と2、3番を吹いている人は別の人だとはっきり分かります。突き抜けるような存在感を示している人が、ソロが多い1番と4番を吹いているのは納得です。4番のソロなどは、わざわざサブマイクの入力を上げていますし。
それと、ティンパニの迫力はすごいですね。録音会場(ピエール・ブーレーズ・ザール)の音響特性も加わって、圧倒されます。
ただ、そんな素晴らしい演奏を楽しみつつも、やはりAACの音には不満が募ります。いや、最初のうちはなかなかやるじゃない、という気もしたのですが、さすがに4曲聴き通すと、その音の雑さ加減は鼻に付いてきます。
とは言え、おそらく、今のCDは店頭から撤去され、しばらくは入手できないでしょうから、これは貴重な音源です。

CD Artwork © Deutsche Grammophon GmbH

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by jurassic_oyaji | 2018-09-15 21:18 | オーケストラ | Comments(0)