おやぢの部屋2
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BACH/The Brandenburg Concertos
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Lars Ulrik Mortensen/
Concerto Copenhagen
CPO/555 158-2(hybrid SACD)


こちらの「ロ短調ミサ」で、情感のこもった演奏が印象的だったモーテンセン率いるコンチェルト・コペンハーゲンが、同じバッハの「ブランデンブルク協奏曲」の全曲を録音してくれました。前回は合唱の方に惹かれたのですが、今回はもちろん合唱はありませんから、楽器ばっはりで演奏する時のこの団体の力がもろに感じられるはずです。
ご存知のように、この6つの協奏曲ではそれぞれに使われている楽器が異なっています。すべての曲に入っているのはヴィオラ、チェロと通奏低音だけですからね。オーケストラの定番であるヴァイオリンですら、「6番」では参加を許されていません。もっとも、今もそうですが普通のヴァイオリン奏者でしたら、まずヴィオラも弾けるはずですから、バッハの時代の楽団ではここでヴァイオリン奏者の出番がなかったわけではないのでしょうけどね。
「ロ短調」の時には弦楽器のパートは複数の奏者が演奏していましたが、今回はきっちり「1パート1人」という編成をとっているようです。もちろん、「3番」ではヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのそれぞれの弦楽器が3つのパートに分かれていますから、それぞれ3人で演奏しています。そこに低音が2人加わって総勢が14人、このアルバムの中では最大の人数となっています。
その次に多いのが「1番」の13人ですが、こちらはソリストの人数では最大を誇っています。オーボエが3人、ホルンが2人、普段は低音しか弾かないファゴットにも独立した声部が用意されていますし、そこに「ヴィオリーノ・ピッコロ」という小さなヴァイオリンも加わって、総勢7人ですからね。この「ヴィオリーノ・ピッコロ」のちょっとプリミティブは味わいが、和みます。
この人たちが演奏する時には、何か常にクレッシェンドとディミヌエンドを繰り返すような表現をとっています。ピリオド楽器の団体ではあまりこんなことはしないような気がするのですが、おそらくこのあたりがこのコンチェルト・コペンハーゲンの持ち味なのでしょう。そこからは、全員がそれぞれの熱い思いを込めて演奏している様子を感じることが出来ます。
その半面、アンサンブルとしてはなんとなくユルいところも見られます。ホルンなどは元々演奏が難しいのでしょうが、いくらピリオド楽器でももっと上手に演奏している人はほかにいくらでもいるな、という感じ。でも、そのあたりも含めたうえでの、指揮者であるチェンバロ奏者のモーテンセンの、それぞれに伸び伸びと演奏させている姿勢も、しっかり伝わってきます。ですから、そもそもこの曲自体がハチャメチャな作られ方をしているということが、如実に分かってしまうというユニークな演奏に仕上がっているのでしょう。
「2番」では、ソロ楽器はトランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンという、やはり多彩なラインナップです。その中で、トランペットとリコーダーが、同じ土俵でのアンサンブルを披露しているのですから、ちょっとすごいことです。確かに、ここでのリコーダーはあり得ないほどの存在感を示しています。
「3番」は弦楽器だけですから、やっと落ち着いたアンサンブルを聴くことが出来ます。早めのテンポでグイグイ迫るグルーヴはなかなかのものです。両端の楽章の間を埋めるモーテンセンのチェンバロ・ソロもよいセンスです。
「4番」ではリコーダーもさることながら、ヴァイオリン・ソロを担当しているコンサートマスターのフレドリク・フロムのほとんどヘンタイとも言える演奏には度肝を抜かれました。彼が登場すると、すっかり持って行かれます。
「5番」の第1楽章などは超ハイスピード。そこで繰り広げられるモーテンセンの「速弾き」には圧倒されます。
「6番」では、脱力感すら味わえる穏やかな演奏に好感が持てます。
そんなさまざまな味わいを、とても安らぐ素敵な録音で楽しむことが出来ました。

SACD Artwork © Classic Produktion Osnabrück

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by jurassic_oyaji | 2018-11-08 20:46 | オーケストラ | Comments(0)