おやぢの部屋2
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MAHLER/Symphony No.2
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Ruby Hughes(Sop), Sasha Cooke(MS)
Osmo Vänskä/
Minnesota Chorale(by Kathy Saltzman Romey)
Minnesota Orshestra
BIS/SACD-2296(hybrid SACD)


オスモ・ヴァンスカがミネソタ管弦楽団の音楽監督に就任したのは、2003年のことだったんですね。いつの間にかもう15、6年も経っていたことになります。その間にはオーケストラのロックアウトなどがあって1年ほど辞めていたこともありますが、すぐに復帰していましたね。でも、どうやら2022年には本当に辞任することが決定したそうです。ですから、20年近くは同じオーケストラのシェフだったことになるわけで、今の世の中ではかなり長い就任期間と言えるのではないでしょうか。もっとも、その前任地のラハティ交響楽団では、1988年から2008年まで音楽監督を務めていましたから、そこまでの長期政権ではなかったのですね。
その間に、ヴァンスカはこのオーケストラとベートーヴェンとシベリウスの交響曲ツィクルスを完成させています。シベリウスは前のオーケストラとも同じレーベルでの録音がありますが、こちらはすべてハイブリッドSACDによるサラウンド録音です。
そして、最近ではマーラーのツィクルスへの挑戦を始めていました。これまでに「5番」と「6番」がリリースされています。ただ、「5番」を聴いた時にはせっかくのSACDなのに、あまりに録音がお粗末だったので、ちょっとがっかりしていましたね。なんか、弦楽器がとてもしょぼかったような。
そして、最新の録音がこの「2番」です。いやあ、驚きました。「5番」とは全然違った素晴らしい音じゃないですか。何よりも、前回はなんともバランスが悪かった弦楽器が、もろに前面に出て来るようになっていましたよ。いくら金管や打楽器が鳴っていても、決して弦楽器が埋もれることなくきっちり聴こえてきます。もしかしたら、録音のせいだけではなく、人数も増えているのかもしれませんね。
そして、ヴァンスカがこのパートに対して思いっきり「濃い」表情をつけているので、いたるところから濃厚なメッセージが漂ってきて、マーラーではこのパートがいかに大切かがとてもよく分かります。
ところで、第1楽章と第2楽章の間に、マーラーは「5分以上」の休みを取るように指示していますが、CDではあまり意味がないのでそんなに長く休むことはあり得ません。しかし、普通はここで10秒前後の少し長めのポーズを入れたものはよく見かけます。それが、このSACDでは25秒もとってあるので、なんとなく作曲家の気持ちが伝わってくるようです。
そして、第4楽章以降で登場する声楽陣もとても素晴らしいものでした。二人のソリストは浮ついたところのない暗めの音色で、確実な存在感を披露していましたし、特にこの合唱の出だしのピアニシシモは鳥肌が立つほどの見事な静寂感を生み出していました。そして、フル・ヴォイスになった時のインパクトも恐るべきものでした。
もちろん、サラウンドで聴いたのですが、最初のころはそれほどホール全体の響きが伝わってくるものではありませんでした。それが、終楽章でホルンのバンダが絶妙の距離感をもって聴こえてきたあたりから、サラウンドならではの魅力が加わってきました。そして、合唱が出てくる少し前のピッコロとフルートのソロの絡みのあたりでは、そのバンダの中のティンパニだけが後ろから聴こえてきました。サラウンドでは、打楽器の反響の方がそのように聴こえてくることが多いようですが、それを契機に、なんだか全体のサウンドがガラリと変わって、豊かなホールトーンがきちんと聴こえてくるようになったような気がしましたね。
そうなると、この部分ではいつもフルートとピッコロにしか耳が行ってなかったものが、バンダも含めた全体のサウンドがしっかり聴こえるようになっていました。不思議なものですね。
ヴァンスカの任期中に、このマーラー・ツィクルスを完成できるのかどうかはわかりませんが、今回みたいな体験ができるのなら、休みなどは取らずに(それは「ヴァカンス」)、せめて「8番」だけは録音して下さいね。

SACD Artwork © BIS Records AB

by jurassic_oyaji | 2019-01-13 21:28 | オーケストラ | Comments(0)